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壊れていく自分



大人になった今でも、読み返すのが怖いと感じる手紙やノートがある

自分を振り返って「やばい」と感じたことの一つは
親友が鑑別か何かに入っている時に、寂しすぎて毎日のように書いた手紙

この手紙、いま覚えている内容だけでも狂気が伺える

手紙の冒頭には大好きな親友の○○へ から始まる
そこから今日あった出来ごと、日々の不満や疑問、はやく会いたいなどのラブレターにも似たような手紙だと思った。

最後の一行に自分の血をつけていなければ。

実印のように手首からの赤い血をつけて送っていた
その頃 友人たちの間では刺青が流行っていて
わたしはボディカットを覚えた頃
手首に親友のイニシャルを掘っていたりしていた。 

そんな気が狂ったラブレターを親友とずっとやり取りをしていて、その時の手紙はまだお互いの「秘密」でもあり、若い頃の「思い出」として残っているが読み返すことはない。


もうひとつは この世に対して疑問を持ち始めたその頃
独り言やひとり遊びが極端に増えていった
親友以外、人を信じられなくなっていった
JWの中でも同級生や自分と同じような信仰心で活動できる人もいなくて
とても前にいた会衆が恋しくなる
小学生の時は前の会衆の姉妹や兄弟がたくさん来てくれていたけど
中学生の頃にはもうほぼ来て貰えなくなっていた
孤独が寂しさを呼び
タラレバの幻聴や幻想を抱くようになる
幽霊が見えて幽霊と遊んでいるんだ、ということにしようと思ったのもこの頃だ
ただひとつ 母にバレてはいけない
幽霊が見えるなんて言ったらそのまま長老面談になると思っていたから。
わたしの空間、わたしの想いを、他人に介入されたくなかった

夢中になって独り言を呟いたり
気がつけばベランダから身を乗り出していたり
気がついたら屋上にいたり
気がつけばお風呂上がりの濡れた体でベッドにいたり
気づくと座ったまま朝を迎えていたり
食事中に気絶したのか口からだらしなく食べ物が溢れていたり
身に覚えのない行動が一番多くなっていたのもこの頃で
ふと気づけば窃盗をしそうになっていたり(未遂)
家にいたはずなのに違う場所にいたり
気づいたら身売りまでもしていた

もうここまでくると漫画のような世界だな、とブラウン管の中から外を見つめるような感じになってきて、「自分」は体育座りして小さくなることで精一杯だった

「わたしこの感覚知ってる」と思った
懐かしい気持ちになる
ムチを最初にされてた頃に感じた感情/状態だ と懐かしさを覚えたわたしは
医師に相談することもなく、安堵に変わったので、このまま旅に出ることになる

2022年夏頃、急にテレビニュースで「トー横キッズ」という単語が出てきた
たいして興味のない単語だったけど、聞き慣れた雰囲気のものが報道されていた
そう、14・15歳のわたしが旅に出たその先は、今でいうトー横キッズの生活で、わたしの時代では「原宿」の明治神宮橋で集うことをしていた。

地元から原宿に出るのにもお金がいる
わたしは自分の居場所を見つけるのに必死だ
ブラウン管の中から外に出ても良いのはどこだ?家?いいやここではダメ
どこなら安心して外に出られるのか必死だった

母のお財布からお小遣いと称してお金を抜いたこともあった
中学生だからって性を売り物にもした
(性被害に遭っていたので不思議と性を売ることは心が痛まなかった)
必死すぎて善悪も区別がつかない

朝を迎えるたびに ああ また生きている
そんな気持ちになるんだ

また 日常が始まる

そう思い始めたらあっという間で、次は世の中がモノクロにしか見えなくなる
白か黒
空を見上げてもそこには青空が無い

とにかく死ぬことか生きることかのどちらかに追われるように生きていたこの頃
ヒトは皆イイヒトで、両親は親という名前の生き物だと感じ
善悪も生きてるのか死んでいるのかも
自分がどうしたいのかも全くわからなかった
この現状をどうにかしたい それだけだった

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