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嫌と言えない

傍から見てひとり遊びのそれは
いわゆる変質者にとってはとても都合のいいカモとも言えるだろう

学校から自宅に帰ろうとしたその時、エレベーターの中でおじさんは声をかけてきた


それは
何階に住んでるの?かもしれないし
何歳なの?かもしれない
あまり覚えていないんだ

ただ覚えてるのは声をかけてきて私に触れようとしてきたことだ。
でも、咄嗟に私はすぐに降りれるような階を押してエレベーターから降りた。

その後エレベーターは順調に最上階まで上がっていった。

心臓の音が早く鳴る
パニックだ
とりあえず家に帰った
様子がおかしいのか母が「どうしたの?」と尋ねてくる。
わたしは「へんなひとがいた」としか言えなかった
だってそれは、親切なのかそれとも下心ある人なのかわからなかったからだ
エホバの証人は人を疑うことを良しとしない。
変な言いがかりを付けるなんてもっての外だ

私は心の中にヒッソリとその事実を閉まった。


それからだと思う
私は「被害」にあい始めた

とある日、JWの宣教活動として奉仕活動をしていた。
家から家にピンポーンと押して「聖書の言葉を伝えに来ました」なんて言うあれのことだ。

奉仕活動する時、待ち合わせ場所に使う公園とかが決まってる。ここに、指定時刻に集まり今日訪問するお宅を2人1組に割り当てる。

訪問営業と余り変わらないと思う

ただ、女性を1人で向かわせはしない。
女性の場合パートナーは男性
または女性二名でまわる。

男性は人数の都合上1人で回ることもある。

わたしは大抵、女性の誰かとペアだった。
または、母と回っていた。

その集合場所の公園のハズレにある
ガードレールのようなものに腰をかけて
大人たちが話してるのを待ってたその時
「模範的」と言われていた仲良くしてくれてたお兄ちゃん兄弟がいた。

その時彼は高校生か専門学生かだと思う

彼はなんだか最近距離感が近かった。
でも、そんな彼でも模範的との評判だし、母も信頼してたので信じていいんだ。と思っていた。

自転車移動が基本だった地域なので
立ち漕ぎしてれば「パンツ見えちゃうよー?」と言われ
向かい風が吹けば「パンツ見えたらどうするの??」なんて彼は言ってたかもしれない。

そんな彼が近寄ってきて私に言った。
「こうやって座ってみたらココ、気持ちいいんじゃない?」

「????」

わたしはわからなかった

でも、なんだか「良くないこと」を言われた気がする。
でも、模範的な彼が言うことだから本当のことかもしれない。

わからないなりに従ってみたがやはり
わからなかった。

「何言ってるのー?」と笑い飛ばした

その後彼は私の家庭教師となる
距離感が近いと言えどいつも、王国会館にいけば、膝の上に抱っこしてくれてじゃれても怒らなくて抱きついても大丈夫な彼

不穏な気配は感じても
わたしや母からの信頼はやはり厚い

家庭教師と言えば聞こえはいいが、実際は勉強を見てもらってただけだと思う

もちろん、教えてもらう時は子供部屋のわたしの机で2人並ぶ形になる。

教えて貰ってる最中にツンツンとされて「ん?」と気になった。

その頃私は胸の膨らみが出てきたあたりで、スポーツブラをつけていた頃かと思う。

彼は肘で私の乳首あたりをつんつんするのだ


わたしは何をされてるのか理解が追いつかず、「何してんのー」くらいの台詞を言えたかどうか、くらいだと思う。

それでも、教えて貰ってるのは私なんだから…と思って真面目に勉強をする。

つんつん…は時折続く

そして、彼は私が何も気づかないと思ったのか次の行動に出る。
太ももを触ってくるのだ。
「いやー、ちょっとやめて」と言えたんだろうか
きっと自分の性格的には言ったのだと思う
言えばやめてくれる人だったのは覚えてる。

母に言えなかった。
恥ずかしいし、何をされてるのか理解もできないし、言う必要のないことかもしれないから


そうしていくと彼は少しずつ大胆になっていく

当時の王国会館は雑居ビルの中にあった
このビルの階段で子供たちはムチをされてたりしていた。

この階段に呼び出されることが増えた

ちょっとこっちにきて?
から始まり
ノートみてあげる
とか
勉強どう?とか
些細なことで呼ばれてついて行ってた気がする。

そして、誰の気配もしない時にハグされる。
ハグと書けば綺麗な思い出風だが、実際は「抱きしめられる」。
そして、何回か呼ばれて抱きしめられると同時におしりも触られるようになる。

さすがに、胸に手が伸びた頃にはおかしいと思って「やめて」と言えるようになっていた。

逃げるように王国会館へ戻る
変な熱気に当てられたかのように熱いんだ。

後を追うかのように彼も戻ってくる。

恥ずかしくなって何回も一人で帰路についたこともあった。

あまり覚えてないが、キスを求められたり陰部を押し当てられたりしてたかもしれない

そういう事件があってから
しばらくして突如彼は家庭教師を辞めた。

母が気づいたのか
学校が優先になったのかはわからない。

これ以外にも、彼からは盗撮まがいなこともされたりしてた。

その後、彼は何が理由かはわからないが「排斥」になる。
排斥とは脱会のことだ。

排斥処分にあったら街中で彼を見つけても声をかけてはいけないし
すれ違っても目を合わせてもならない。

排斥処分の知らせを聞いた時、どこか安堵した気持ちにもなりながら
あ、排斥になったんだ。納得。




というように妙に腑に落ちた。

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