短歌⑪

光より高くなろうと背伸びした君が隠れる宵のひまわり 

絡み付く手足がまるで凧の糸 瞳はまるでゲイラカイトで 

今更の他人行儀な礼状が会ったことない妻の字で届く 

本日の涙予報は私付近降水確率100パーセント 

小熊座という名の古い映画館木製ドアの奥 白昼夢 

ちょっとだけ考えているフリをして「オッケーだよ」と囁いてみた 

キヨスクのない駅のある街でした 君と最後にいた街でした 

コンドルが飛んで行くような気がした 青空 校庭 たて笛の音 

リモコンを握り見つめる画面越し無味乾燥な返事をひとつ 

悩みなどないなんてもう泣きそうな笑顔しながら言わなくていい

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