短歌⑬

かの美女もできれば欲しいと言っている葱が3本100円の店 

満月の夜の祈りに似たような風に踊れる蛹の上着 

目の前で私の穴を塞いでる君の呼吸は甘く切なく 

新しい家族を作りたいのですが隣の籍は空いていますか 

メールだとちょっと優しくなれる人 励ましなんて似合わないのに 

ベランダの緑の新芽が実を付けるまではあなたの手を離さずに 

青波が寄せては返しまた寄せて無言で二人数えた9月 

通帳を並べ3つの銀行の残高よりも多いため息 

熱量は無限にゼロを目指してるコップの氷を見ててごらんよ 

ジャンプすらせずに越えられそうなのにはまった両脚抜けぬ水溜まり 


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