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バンド論

小学生の頃、同居していた叔母がギターに夢中になり私にも教えてくれた。わけあって、幼少期から両親と離れて暮らしていた私は、その寂しさをギターを弾くことで埋めていたのかもしれない。ギターが楽しかった。
中学になると祖父母がフォークギターを買ってくれた。当時、ちょっとしたバンドブームがあり、学祭バンドのギターに誘ってもらい、エレキギターを借りて手伝ってもみたが、自分の好きな音楽ではなかったことや、気の合う仲間というよりは楽器ができる仲間のより集まりのこともあり、私はバンドを継続しなかった。

音楽には救われた。忘れてしまったがオリジナル曲も作った。私を育ててくれている祖父母に迷惑をかけないようにと反抗期の気持ちも抑え、その分、歌にぶつけていた気がする。

甲本ヒロトさんとは同世代というこもあり、曲は知っている。しかし、あえて好んで聞くことはなかった。どちらかというと、大人になってから他の人がカバーした曲を聴いて、調べたらブルーハーツの曲で、確かに魅力的だと思い、気になった方だ。「バンド論」の中にもブルーハーツの曲を聴いて、行きたくない学校に行けたという話題があがる。ロックは優しいと。

なんだろう。わかる気がする。ありがたいことに、仕事がら若い方々と話す機会が多い。若い人には元気でいてほしいのに、なんだか疲れている人が多い。巷では、ロックは古いと言われているよう。それはそれで時代とともに支持される音楽は変わっていいと思っている。でも、きっと、変わらないものもあっていい。

先日、30代後半の知人が学生がパンクロックを演奏している姿にただただ泣けた
歌詞なんて聞こえないけれど、ボロボロ泣けたと話していた。よくわからないけれど感動したと。甲本さんの歌に背中を押されて学校に登校した世代なのかもしれないと思った。そして、ほんとうにロックが好きなんだと。とことん好きなものがあるのは何よりの幸せだ。

音楽よ。元気のない若者たちを救っておくれ。