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株式会社Waseiを退職し、スポーツ記者になりました

タイトルの通り、株式会社Waseiを退職し、スポーツ紙の新聞記者になりました。画像は、去年12月の『灯台もと暮らし』合宿で小松崎編集長が撮ってくれた写真です(@茅ヶ崎の海)。

2月から、スポーツ報知 東北支局で記者をしています。拠点も東京から仙台へと移し、新天地で新生活を始めています。

この3年間、ウェブメディア『灯台もと暮らし』はじめ、いろんな媒体で執筆・編集をさせてもらいました。「取材して文章を書く」という根幹は、新しい職場でも変わっていませんが、スポーツの畑で取材・執筆することに全く慣れていないのと、媒体が新聞に変わったこと、仙台という地縁がない場所で新人をやる、という状況で、めまぐるしい毎日を送っています。

けれどそれがやりたくて、3年間お世話になったWaseiを退職し、ポンっと仙台に来たので、「嬉しい忙しさだなぁ」と感じています。もちろん新人なので覚えることが多く、まだまだ目の前のことを打ち返すのに精一杯な、ヒヨッ子記者ですが、「一人前になるまで、ちょっとやそっとじゃ東京には帰らないぞ!」と意気込みだけは十分です。

結局私は、何が書きたいんだろう。

書き仕事を始めた大学3年生か、それ以前か。曖昧だけど、長いことこんな疑問を携えていました。そしていつからか、それが自分を苦しめる問いになっていました。大学4年生の頃、当時の灯台もと暮らしの編集長に、青山のカフェで半ベソをかきながら「何を書けばいいのかわからない」と漏らしたことを覚えています。先輩は、「見つけた時には、すでに動き出していると思うよ。焦らなくていいんじゃない」と言ってくれたけど、それでも私はずっと、“書くべき何か”を探していました。「胸を張って好きと言えるもの、踏み込まざるを得ないもの、それを知りたいのにわからず苦しかった」なんてなんだか10代みたいで恥ずかしくてずっと言えなかったけど、つまりはそういう状態でした。

いろんな取材をいろんな媒体で経験させてもらって、それでも見つからなかった“書きたい何か”。でも本当は、気づいていたけど、気づかないフリをしていたんだと思います。

スポーツが好き、特に野球が好き。NFB(日本女子野球機構)というコミュニティを運営したり、神奈川で草野球のチームに入ったり。地元・秋田でソフトボール部で一緒にプレーした子たちと、東京でソフトボールをしたり。そういうのは、どんなに仕事が忙しくても、私生活で落ち込んでも、自然と続けてきたことでした。

そして、熟した果実が自然と木から落ちるように、実り尽くした想いをとうとう留めて置くことができなくなった私は、気づいたら今の会社を受けていました。取材ではよく、「原体験」や「きっかけ」などを聞いてきたくせに、こと自分に置いては、「これ」といった決定的な動機が思い浮かばないことが可笑しくてしかたありません。それでも今、ここに綴ったことが、Waseiを卒業し、スポーツ報知で記者をやることになった経緯です。

Waseiには、大学3年生の頃にインターンとして雇ってもらい、2018年に新卒社員として入社、そこから約2年間働かせてもらいました。鳥井弘文代表はじめ、先輩方には本当に優しく、丁寧に、親身になって育ててもらいました。WaseiとWaseiを通して出会った人のこと綴ろうとすると、感謝と愛おしさで涙が出そうで、「私のファーストキャリアは本当に楽しくて、素敵な人たちとの出会いに溢れていたんだなぁ」と実感します。

大学生の頃、サミュエル・ウルマンの詩『youth』を引用しながら、『青春は終わらない』というタイトルの記事を書いたことがあります。大学卒業もあと数ヶ月と差し迫った頃に、「学生が終わっても、自分の青春は更新されていくと信じたい」という気持ちで書いたものでしたが、まさにWaseiはそれを実現してくれた場だったなぁと思います。

編集部のみんなと神奈川や静岡で合宿したこと、信頼できる編集者やライターさん、カメラマンさんと日本各地取材に回ったこと、会社や編集部の所属の垣根を超え、朝まで飲み明かしたこと、仕事で出会った方々と一緒に小説を書くチームを作ったこと。他にもたくさん愉快で楽しいことがあったけど、悔しい思い出も、苦い経験も含め、「“大青春”と言っても言い過ぎではない」と思うくらい、Waseiを通して充実した時間を過ごさせてもらいました。

これからも、灯台もと暮らし編集部での編集・ライティングや、個人での執筆活動はできる限りですが、続けていきたいと思っています。それは、記者一本でやっていく自信がない、などといった後ろ向きな気持ちからではなく、その方が今の自分にとっては、書き手として健康な状態であれると信じているからです。

それでもやはり、こうして仙台に来たからには、新しい仕事にいちばん集中し、「ここに来てよかった!」と胸を張れるくらい全力を注ごうと思っています。応援してください、とは言いませんが、何かのご縁で私と出会ってくれた方々がもしもこの記事を読んでくれていたら、ぜひ見守ってくれると嬉しいです。

長くなりましたが、WaseiとWaseiを通して私と出会ってくれた方々に、感謝と、自分自身ことを伝えたく、こうして書かせてもらいました。今まで本当にありがとうございました。これからも日々精進しますので、変わらずよろしくお願いします!

                              (小山内)

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