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123天文台通りの下町翁 雑記帳~ブレイディみかこ著「ヨーロッパ・コーリング・リターンズ 社会・政治時評クロニクル 2014-2021」~

英国イングランドのブライトンという町に在住の保育士&ライター/コラムニストの英国社会、政治についての新型コロナ感染拡大した2021年までの自由で闊達な7年半に渡るコラムをまとめた一冊。文庫とは言え500ページ近い分量を読むのは一気にはできないが、一編ごとに、反緊縮・人々への積極財政の必要性、かつては"ゆりかごから墓場まで"と呼ばれた社会厚生システムが保守党、とりわけサッチャー以降の新自由主義政策で瓦解し貧富が拡大したか、Brexitに至る英国内の揺らぎ、移民政策、労働党の右往左往ぶり等々が生活者目線の言葉で語られている。

読んでいくうちに、国情は異なれど、あまりに今の日本の政治や社会状況ともだぶり、英国の先行きが日本のこれからを暗示するのか、はたまた、その逆になるのか?ユーラシア大陸の両端にあって、長短の差はあれ、悪しき"帝国"として成り立った両国が互いにどうなっていくか?目を離せない思いになる一冊だ。

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