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TRPGフェスオンライン2023語り手記録

●琉球ゆうこやの語り手しました

2023年2月25日、オンライン開催のTRPGフェスティバル2023で、「ふしぎもののけRPG ゆうやけこやけ」の語り手をさせて頂きました。
琉球[ステージ]でのセッション、いわゆる「琉球ゆうこや」の新作シナリオでした。

鯨のもののけデータも新たに用意しまして、海洋ファンタジーらしいセッションになりました。

セッションに使用した2種のマップを表示した状態です

今回君手島に集ったもののけは、珊瑚の石霊ナナさん、鯨のあおくん、犬のティーラくんといった皆さん。

珊瑚のもののけPCは、木霊のデータで作る方法も考えられますが、石霊も勿論、ありですね。PC作成にあたっては複数の組み立てが考えられるので、どういうキャラクターにしたいかで、逆算してキャラの組み立てを決めるのがお勧めです。

ニライカナイと君手島を行ったり来たり、PCの活躍で、鯨の親子の困りごとを解決。
最後は、参加者全員の【想い】【ふしぎ】合計223にもなりましたw

終了時の盤面。NPCも大勢いて賑やかです

最後は[すごいふしぎ]で、これらの【想い】と【ふしぎ】を全て使用。海にかかる幸せの虹の伝説もできました。
「 島に鯨の群がやってくる時季、海岸で虹を見た人たちに幸せが訪れる」、そんな伝説が、今にいたるまで、島に語り継がれることになったのです。

PCの皆さんを振り返りますと、

▼珊瑚の石霊ナナさん
珊瑚なので長命キャラで、北方鯨妃イサナ姫(鯨NPC)や、ザンの土地神様ヨナと同格な風格を感じました。
君手島の周りはサンゴ礁のリーフでぐるっと囲まれているんですが、その珊瑚がもののけとなったとのこと。島そのものともいえるわけで、土地神様に近い大人っぽいキャラクターでした。
イサナ姫が娘の失敗を怒ろうとする場面で、「まぁまぁ、あなただって昔は……」みたいに幼い頃のイサナがやらかしたエピソードを即興で作ったのも愉快でしたし、ラストに【特技】で珊瑚の贈り物をする情景も綺麗でしたね。

▼鯨のあお君
事前の話し合いで、イサナ姫の群れと一緒に旅してきた設定にしました。そのおかげで、シナリオにはなかった「イサナ姫側の視点」をセッションにもたらして頂き、面白かったです。
仲間を背中に乗せて泳ぐ鯨らしいRPも素敵でした。
「アバター:ウェイ・オブ・ウォーター」(通称アバター2)をまた観に行こうと思ってたんですが、この情景で私はもう満たされました(私的所感)。

▼犬のティーラ君
純真で、まっすぐな行動が印象的でした。いたずらしたNPCを真っ先に説得する場面など、がんがん話を動かしていただいて、良かったです。
野良状態で島で暮らしているそうですが、ルール的には飼い主がいるとのことで、君手村を見守るシーサーNPC・運天くんと仲良しという設定でした。
海中で泳げない陸上のキャラクターがいることで、海の仲間との連携が生まれて、ちょっとしたやりとりも逐一可愛かったですね。

皆様ご参加ありがとうございました!

セッション前に急きょ描いた鯨NPC、北方鯨妃イサナ姫(非公式です)。ザトウクジラ難しい

冬になると沖縄の海にはザトウクジラの群がやってくるので、ホエールウォッチングも盛んですね。

子どものころ、本島から渡嘉敷島に渡るフェリー上から、遠く水平線に鯨の潮吹きを見た思い出は忘れがたいです。
数年前にもホエールウォッチングにいったのですが、時期がお正月だったので、ちょっと早くて、鯨には遭遇できませんでした。とはいえ、慶良間の美しい海を、クルーザーの甲板から眺めたのは素敵な思い出でした(船酔いしている人もいたけど)。トビウオが飛ぶのを、生まれて初めて見ました。

以前私的にかいた進貢船の絵。セッションではPCがいる場所を示すマーカー代わりに使用。

●最近読んだ本

大阪にマッコウクジラが座礁した事件があったので、鯨関連の本を読んだ。
アバター2の、トゥルクンのパヤカン氏も鯨っぽかったしで、興味が湧いたというのもある。海中描写が素晴らしいので、アバター2はお勧め。余談。

「海獣学者、クジラを解剖する。」(山と渓谷社)
漂着した海獣を標本にする話題を中心に、クジラやジュゴンなどについて分かりやすく説明してあり、面白かった。 数年前のシロナガスクジラ由比ヶ浜漂着事件に著者が対応したときの体験記もあって、ぐいぐい読ませる。
プラスチック片による海洋汚染がクジラに影響を与えている可能性が示唆されており、やはり対策は必要だろうと考えさせられた。

「出動! イルカ・クジラ110番~海岸線3066kmから視えた寄鯨の科学~」(海文堂)
こちらもクジラの漂着、いわゆるストランディングを解説した本。
北海道の長大な海岸線には特にストランディングが多いそうで、知らなかった。
広大な北海道を縦横無尽に奔走する研究者たちの団体「ストランディングネットワーク北海道」の活動ぶりが興味深い。図と写真、データが多めで、すいすい読める。

「クマにあったらどうするか」(ちくま文庫)
アイヌ民族狩人の半生記も兼ねた本で、タイトルと裏腹に、ハウツー本という印象ではなく、読みやすい。 雪深い山中で狩りをする種々の技術、動物の習性についての話が面白い。
本書でもまた、人間の活動が自然環境を変えてしまい、クマの行動に影響を与えている可能性が示されていた。
終盤、どんな生き物にもーーたとえ人間にとって害のある生き物でもーー自然において役割があるから、人間の都合で無闇とそのバランスを崩すのはよくない、といった趣旨のことを述べていたのが印象に残った。

●猫の日

2月22日、自作の過去絵を再RTしたり。
チルマーヤというキャラクターは、以前、三龍戦騎のマンガ短編のヒロインを務めた少女ケモ。
星覇属という宇宙種属であり、猫そのものではない(笑)。

三龍戦騎RPGに登場する星覇属(シンハぞく)は、その後も、亜種が「カノンイェーガー」や「永遠なる星のトランセンダーズ試製版」に登場している。
同じ銀河系が舞台でシリーズ化しているので。

昔は、ケモノ種属はパワーキャラ担当にしていたけども、最近、いくらフィクション種属とはいえ、そういう思い込みで種属を設定するのはよくないかな? と思い、星覇属の立ち位置も変わってきた。


琉球ゆうこやでは、ピカリャー島の固有NPC「ピカリャーネーネー」が山猫の変化だな(R&R211号)。

イリオモテヤマネコがモチーフの女性変化で、島のもののけをとりまとめていて、いつも忙しそうにしている。

「猫の日だって? 関係ないよ、ああ~猫の手も借りたい!」
「ネーネー、今日ぐらいはゆっくりしたらいいよ。おいらが代わりにひとっ飛びして、もののけたちの用事を聞いておくさ」

彼女を支えているのが、カンムリワシの変化、綾羽(あやはね)ニーニーである。いわゆる苦労人ポジション。ピカリャー島は沖縄本島に次ぐ大きさがあるし、密林に覆われているので、飛び回れるワシの変化は何かと便利そう。

R&R221号ゆうこや記事

話題がゆうこやに戻ったところで、告知を。

発売中の『Role&Roll Vol.221』では、 「ふしぎもののけRPG ゆうやけこやけ」について、 「ステージの作り方」「大江戸・琉球 #ゆうこや 開幕サンプル集」を寄稿しました。大江戸開幕サンプル集はしゃみずいさん作です。

あるていど慣れた方むけですが、オリジナルの[ステージ]を作りたくなった方むけの解説記事です。
[ステージ]ごとの描写の見本として、大江戸・琉球ゆうこやの開幕サンプルテキストを、それぞれ12個、掲載しました。

ゆうこやの開幕によくある、「君たちは今、なにしてるかな」という語り手の問いに、PCが応じるための演出見本ですね。
固有NPCも登場しているので、発想を膨らませれば、シナリオフックにもなるでしょう。

また、インコグ・ラボ新作「オリエンタル霊異譚 幽冥鬼使」特集号ですので、そちらも是非、よろしくお願いします。


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