見出し画像

おとな美術部 関西部長より 〈四月号〉 アール・ブリュット展と上野リチ展

皆さま素敵な春をお過ごしでしょうか。
ミケパンチは今年度おとな美術部の関西部長をPOPPO本部長よりおおせつかりました。
月約一回のペースで、展覧会のお話などの記事をお届けいたします。

1.見て来た展覧会のおはなし


先月のお話になりますが、滋賀県立美術館でアールブリュットの展覧会を観て来ました。

「人間の才能 生みだすことと生きること」

滋賀県立美術館です。

画像1
滋賀県立美術館入口。画像は傾いていますが美術館は傾いていません

以前は「滋賀県立近代美術館」でしたが、リニューアルで名称から「近代」が消えました。
近代以外も紹介しちゃうよ☆という心意気でしょうか(わかりません適当に言ってます)
琵琶湖線瀬田駅からバスで10分ほど、文化ゾーンというゾーンの中にあります。ゾーンの中には、県立図書館もあります。
交通の便は・・・それほど良くありません(^▽^;)
カフェの類も・・・恵まれていません(^▽^;)
車で行くならば近くにフォレオ大津一里山という場所もございます。
でもお天気さえよければ食べるものを準備して行って頂きたいです。
芝生の広場や綺麗なお庭もあります。鯉や亀もいます。

画像2
美術館入り口から山の方をみたところ。お庭ではありません。


今回の展示は、アールブリュットでした。
滋賀県といえばアールブリュットです。
糸賀一雄という人がおられました。近江学園の創立者です。
この子らを世の光に」という名言が残っています。
”この子ら世の光”ではないことにご注目頂きたいです。
アールブリュットも”世の光”のひとつなのだろうと私は思っております。
けれども、アールブリュット=障碍者アート ではないとも思っております。
というか、その線引きいらないでしょう?というのが本音です。
今の世ではまだまだそこまでになりませんが、そのうちそうなります。
アールブリュットの定義はこちらをご覧ください。
検索して頂ければ、もっとたくさん出てきます。

展示室内は撮影OKでしたので、少しだけ撮らせて頂きました。

画像3
井村ももかさんの作品

写真では今ひとつ判りませんが、カラフルでとても可愛らしい作品でした。
生地にボタンを縫い付けて綿を入れてあります。記事の色とボタンの色の選び方のセンスが素晴らしいです。
アール・ブリュットの作品だと言われなかったら、現代美術の作品として観られるのではないでしょうか?

画像4
藤岡祐機さんの作品

こちらも画像ではわかりにくいですが、広告などの紙をハサミで極細に切ってある作品です。その細さは1mmよりも細いようでした。
この作品も、アール・ブリュットと言われないで見たなら、現代美術作家の仕事と見えるでしょう。

他にも作品がたくさんありましたが、圧倒されてあまり撮れませんでした。
全国に巡回して欲しい展覧会でした。
アール・ブリュットの作家と”そうではない”作家との間に線を引く必要がないことは、作品を観ればわかると、私は思います。

アール・ブリュットの展覧会を見に行くと、毎回圧倒されて、打撃を受けて(笑)、元気になります。
私にこれは出来ないけれども、根っこは同じのはずだから、自分に出来る事をしようと胸を張って帰ってきます。

お近くでアール・ブリュットの作品を観る機会がございましたら、いらしてみてください。新しい発見があると思います。
滋賀県の近江八幡にあるNO-MAはおすすめです。

https://www.no-ma.jp/


2.おすすめの展覧会

以前に京都で見た展覧会が、いま東京で開催されています。

可愛らしさと、美しさを楽しめる展覧会です。
5月15日まで三菱一号館美術館で開催中です。
この展覧会を京都で観た時に、カトラリーの展示を見ていて「こういうものを観る体験が必要だった・・」とこみ上げてくるものがありました。
疫病禍そのほかで、色々としんどい時間を過ごしたからこそ、身に染みてきます。
使う誰かのために心と技術を駆使して作られたものを見るのは、とても栄養になります。

少し足を延ばして、皇居東御苑でゆっくりされるのもおススメです。
https://www.kunaicho.go.jp/event/higashigyoen/higashigyoen.html

素敵な連休、素敵な五月をお過ごしくださいませ(*^^*)

おとな美術部マガジン


この記事をかいたひと


サポート頂けますと大変嬉しいです。制作を続ける力となります。