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NFTとWeb3.0の本質〜オープン化の理想とプラットフォーマーの戦略〜

こんにちは、ソーシャルインフルエンサーのOgaKuzu(Mikenerian)です。

先日、NFTについてわかりやすく解説した記事を出しました。今回はその続編という位置づけです。

前回の記事では「本当に儲かるのか」といった話題や、「未来はどうなるのか」といった話題について意図的に触れませんでした。「定義」に関する話と「予想」に関する話を混ぜると、多くの情報商材同様誇大広告になってしまうと感じているためです。

この記事ではわかりにくい部分もあるかもしれませんが、私の主観的な見解について述べたいと思います。

先に、私のスタンスを簡潔に述べておきます。

乗るしかない、このビッグウェーブに。潮の変わり目はよくわからないけど

OgaKuzu

それでは詳しく見ていきましょう。


NFTのトレンド状況

物事や技術のトレンドを知りたいとき、色々な手段がありますが一番手短なのはGoogleトレンドで検索してみることです。

NFTの人気度について、日本における過去5年間の推移を調べてみたところ、以下のようなグラフになりました。

比較対象としてアメリカについても調べてみました。


日本の場合はわかりにくかったですが、アメリカについて見てみると明らかに若干ピークが過ぎていることがわかります。

この状況をどう見るべきでしょうか。

参考になりそうな理論として、ハイプ・サイクルがあります。

これはガートナーが編み出した指標ですが、一般的に新たなテクノロジーが普及するときは、「黎明期」→「『過度な期待』のピーク期」→「幻滅期」→「啓発期」というプロセスを経る、という理論です。

Gartner ハイプ・サイクルから引用

これに照らし合わせれば、今は「過度な期待」のピーク期がやや過ぎたところ、と言えると考えています。

つまり、今後の普及を見据え、腰を据えて新規事業を考えるのであれば今がラストチャンス、というふうに私は考えています。


Web3.0に至るインターネットの歴史

新進気鋭のテクノロジーについて紹介する雑誌「Wired」がWeb3の特集を組んだこともあり、NFTと同じくWeb3.0という単語もバズワード化しました。

断片的な情報を寄せ集めているだけではWeb3ムーブメント、ブロックチェーン、NFTといったキーワードのなかなか全体像が掴みにくいのですが、少なくともWiredの特集を一読することでおぼろげながら全体が見えてくると思います。

結局何なの?ということを言語化するのに役立ったのは、日本のソフトウェア開発第一人者である及川卓也さんの解説記事に出会ったときです。

この記事から私は結局今のトレンドについて、「結局歴史は繰り返す」ものであり、「対立構造に対してわかりやすい名前がつけられただけ」だと解釈しました。

スケールが違いますが、きっと第一次世界大戦から第二次世界大戦を生き抜いた人達も同じような感覚だったと思います。
実態としては常に何かしらの戦争をしているだけなのに、後になってここからここまでは第一次世界大戦、ここからは第二次世界大戦、というように名付けられ、ラベリングされていく。
そのような感覚に近いと思います。実態はなく、概念というにもおぼろげな現象です。


ではインターネットは、Webは1.0、2.0、3.0と繰り返す中でどのような対立構造があったのでしょうか。


私の解釈ですが、それは端的に言えば「独占」したい勢力と「オープン化」したい勢力です。

Web1.0と言われているインターネットの黎明期では、ごく初期は米国防省など一部の専門機関が独占していましたが、オープン化されるまで長い時間はかかりませんでした。

その応用力の高さゆえ爆発的に普及し、軍事産業に限らず様々な産業に広まったことで、多くの人々がしのぎを削りTCPなど共通のプロトコルを作り出しました。これが「オープン化」された開発であり、Web1.0の特徴です。

その後プラットフォーマーと呼ばれる企業が支配的な地位を占めるようになり、Web2.0と呼ばれるフェーズが始まります。スマートフォンなどが普及し人々の生活は豊かになった側面もありますが、一部の企業が富を独占するようになりました。

及川さんの記事で印象的だったのは、「メール」以降共通プロトコルが生まれていないということです。Web2.0はWeb1.0のようにオープン化される勢力が主流だった時代とは対照的で、より便利なサービスを編み出した「プラットフォーマー」が利用者をひっくるめて総取りする、まさに「Winner takes all」の時代だったと言えるでしょう。


その状況に風穴を空け、「オープン化」の勢力が取り戻す(そして歴史を繰り返させる)転機となったのが、ブロックチェーン技術の爆誕です。

ブロックチェーン技術が素晴らしいのは、中央集権的な管理ではなく相互信頼によって品質を担保することができる、ということを実証した点にあります。

端的に言えば「プラットフォーマーは要らない」というメッセージを発したことが、Web3.0と呼ばれるブームを巻き起こしたと私は考えています。

しかしながらWeb3.0において、「独占」勢力と「オープン化」勢力のどちらに軍配が上がるのかはまだ見通せない状況です。

実態としては仮想通貨取引所やNFTマーケットプレイスがプラットフォーマーのように機能し始めている状況で、FAANGと呼ばれる大企業、特にFacebookは社名をMetaに変えてこのムーブメントにいち早く順応しようと画策しています。

今後も資本力にモノをいわせて研究開発を推進していくと考えられるため、「ブロックチェーン」というオープンな技術が真の意味で「民主化」されるのが先か、結局はプラットフォーマーが総取りするのか、まだ先が見通せない状況です。


Web3.0で花開くNFTやメタバース

Web3.0ムーブメントの中心にはブロックチェーン技術があるため、ブロックチェーンを応用することで出来上がったビットコインなどの暗号資産や、NFTなどの商品はさらに普及していくと考えられます。

もう一つ忘れてはならない重要な動きが、「メタバース」です。

私自身も「メタバースって結局何?」という状況でしたし、「結局VRでしょ?」「色々なコンテンツが生まれているけれど、スマートフォン並に普及していない現状が全て。これから先普及することも無いのでは?」と考えてしまうのももっともです。

この先伸びるのかはよく分からない状況ですが、これまでのVRコンテンツとは概念的に異なる点はあります。

というのも、Web3.0の重要な思想に「プラットフォーマーは要らない」、中央集権的なシステムが無くても良いというものがありました。

これがVR技術などに広がるとどうなるかというと、現状VRコンテンツを中央集権的に管理しているゲーム会社やMetaが不要になってくる可能性があるということです。

現状例えばMetaはOculusというVRデバイスを販売しているので、物理的デバイスまで民主化が進む可能性は低いです。しかし今後何かしらのブレイクスルーがあり、現状よりも簡易的により没入感の高い体験ができるようになるかもしれません。

それすらも先んじて開発しよう、というのがMetaの戦略なのではないかと見ています。


おわりに

まとめると、乗るしかない、このビッグウェーブにということでした。ただし何が支配的地位のコンテンツになるのか、いつ頃成熟するのか、といったことは現状わからないので、タイミング的な潮目はちゃんと見極める必要がありそうです。

また話題性のあるコンテンツゆえ詐欺まがいの情報も多くあるので、それについては十分に注意しましょう。

最後に現状見えてきている人物、団体についてマッピングしてみました。

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