また、別れを経験する。
昨日の深夜だった。
LINEがきた。友達のトークだった。
先週、
「おおせわに なりました」
「ありあとう」
はっとした。
夏にガン4回目の発病がわかり、治療に入った。
私は五年ぶりくらいに上京した。
虫の知らせか、なんとしても逢いたいと思った。
東京に行く前の日にガンが見つかったと連絡くれて
「治ったら会おうよ」って言った。
世間は、コロナで東京はGoToも除外されていた。
今、会わなくてはいけない。絶対に行く。
「もう切符取ったから、ちょっと会おうよ。」って言った。
東京ミッドタウンで待った。一時間ほど遅れてきた。
どうしたらそんなに痩せられるのかという身体だった。
「なかなか用意できなかったんや。」
会ってしゃべっているうちにだんだん元気になって、
「久しぶりにちゃんとご飯食べた気分した。」と言ってくれた。
「新宿はコロナで怖い」って言って原宿でご飯して別れた。
来週から抗がん剤を毎日だ。なんて言って
「もう慣れたわ。」なんて言って。
11月にLINEしたときなかなか既読が付かなかった。
「どうしたのかな?」
その予感は悲しいことに当たってしまった。
昨日の夜のLINEは妹さんからだった。
「今日、姉が天国に旅立ちました。」
今までにも、父を見送り
義父や義母を見送り、職場の後輩も見送った。
その度に悲しみや寂しさがあったが、
今日の感覚はそのすべてとは違うものだ。
悲しいとか、寂しいとか、辛いとかの気持ちでもなく。
ただただ、若かった日々を共に過ごしたことが
蘇っては消えていく。
夫と出会う前の時間や、子どもが出来るまでの
彼女と共有した時間が頭をよぎり、
知らないうちに、涙が出てくる。
学生時代を過ごし、そして、私は家庭に入り疎遠になり、
また、お互いの人生は流れていき、
その先でまた出会い。
二人は同じ地球上で時間を共有していた。
再開してからは、彼女は独りだった。
東京という街で一人で働き、病と闘い。
しんどくなったら電話してきてくれた。
他の人に言えない弱みを見せてくれた。
何もしてあげられる事などないけれど、
私でよかったら聞かせてもらうよ。
あの辿々しいLINEは
最後の貴方のメッセージなんだね。
力をしぼって打ってくれたんだね。
ありがとう。友達でいてくれて。
死ぬまで友達と思ってくれてありがとう。
若いとき、二人でカルフォルニアに行ったね。
貴女、結構むちゃくちゃな娘だったけど
私には無いものを持っていて、
羨ましかったよ。
ある意味、正反対の二人だったね。
私の忘れていた夢を取り戻させてくれてありがとう。
生活や、家庭を言い訳にしていたよ。
これからは、貴女を見習って少し無茶苦茶になるよ。
どっちみち、そっちで会うまでの人生だね。
貴女の分まで、きっちり悔いなくやることやって
そっちに行くよ。
そしたら、また、一緒に旅に行こうね。
今度はヨーロッパがいいねえ。
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