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音楽ライブのこと②(SOPHIAのライブについてのひとりごと)

先日(10月11日)の9年ぶりのライブについて書く前に、自分が過去に行ったSOPHIAライブを振り返ってみる。


気になるものに関しては何でも集めてしまうという傾向がある私は、SOPHIAの音源(作品…つまりCD・ビデオ・DVD)を集めるようになった。
一部入手不可能なものもあったけれど、ほぼといってもいいくらいの作品類を集めるまでには、2年ほど費やした。

初めてライブの様子を収めたDVDを見たときの衝撃は忘れない。
最初にCDを聴いたときの衝撃(悪い意味での衝撃…)とは真逆(笑)。

興奮した…。
何、これ?…。
CDで聴くのとは全然違う…。

ライブ音源で聴こえてきたのは、それまでのCD音と全然違い、とてもかっこいい「バンド音」(^O^)
それはけっして演奏が技術的に突出しているというのではないのだけれど…(;´・ω・)

ライブDVDでは、ベースがとにかくでかい音(笑)を出していることがわかった。
それに対しドラムは律義というか、非常に真面目に音を刻む。
キーボード音がこれまた非常に効果的で、ロックバンドらしくない表現もある。
ギターは、ここぞという場面になると、気がついたらちゃっかり(笑)奏でているという感じ。 

この「バンドの音」は、私が受け入れられない方を向いているのではない、ということだけはよくわかった。
けっして嫌な「音」ではなかった。

なんといっても、その「音」がいびつな尖り方をしていないことで、このバンドの楽曲はもっともっと聴いてみたいという気持ちにもなった。

歌の表現力も素晴らしかった。
ボーカルは場面ごとに「声の色」が変化し、ロックバンドではあるんだけれど、その枠を超えているように感じた。
そして、何より「歌が命(苦笑)」のボーカルだったら、こういうバンド音は嫌がるかも?というようにも思えたが、でも全体としては、とてもバランスがいい「音」を出すバンドだった。

それまで、バンドの音楽を聴くことはあっても、Vocal中心に聴き、楽器音は全体の音として捉え、耳がそこまで個々の「音」を拾っていなかったが、SOPHIAの「音」はライブ音源で聴くと、ボーカルを含め、それぞれの「演奏音」が、それぞれの個性を感じさせる、聴いていてとても楽しくなるバンドだった。

一度は生のライブを観てみたいと思うようになった。


しかし、ライブで観客がひまわりを振るという情報を知ったことで、私は、まず二の足を踏む。

それに、その頃は、いわゆるポップス系のミュージッシャンのコンサートだったら、初っ端からほぼオールスタンディング状態になるということを知っていて、何といってもそれが私には大きい障害だった。

それまである程度は行っていた音楽コンサートというものに、次第に足が遠のくようになったいちばんの理由が、ほとんどの音楽ライブが、オールスタンディング状態で行われるようになっていったということ。

その頃の私は、もちろん今よりはずっと体力もあったけれど、たとえ身体が自然と動くような、テンポがよくてノリのいい音楽であっても、総立ちで聴かなければならない、ということに非常に抵抗があった。

座席があるのに座れないなんて…。

もちろん、座ったらダメということではないのだろうけれど、座っていたらステージは全然見えないわけで…(苦笑)。


そんな私が、SOPHIAのライブに行くことになったのは、「遥かなる宝島Ⅱ」公演があることを知ったことによる。

この公演はすべてSOPHIAの楽曲を使ったストーリー仕立て。通常ライブとは違い、必ず座って聴く公演だと知った。
それならば、とチケットを購入。
宿を探し、高速バスも予約した。

実は、その頃の私は、ローソンのLoppiがどういうものであるかくらいは知っていたが、実際に使ったことは一度もなく、はたしてこんなものでチケットが購入できるの?と思ったほど。
でも、いざ使ってみれば、操作も簡単。
世の中便利になったものだと感激(苦笑)。
宿の方は、宿泊サイト(これも存在は知っていたけれど)は使わず、直接電話で予約した記憶。

その後、SOPHIAライブに頻繁に行くようになってからは、宿泊サイトも積極的に使うようになり、次第にそれまでとは私の行動形態は変わっていった。

それらすべては、SOPHIAのせい(笑)。


「遥かなる宝島Ⅱ」公演は、非常に素晴らしいものだった。それまでDVDでしか知らなかったSOPHIAの「音」を生で聴いたときの感動は今も忘れない。
公演の最後、もう立ってもいい状態になったとき、その周辺で最初に椅子から立ち上がったのは私だったことには、自分でもびっくり(笑)。

しかし、その公演終了後に告知があった夏の野外公演については、それを耳にした瞬間、夏の野外ライブなんて、夏が大嫌いな私には関係ないと思った…。
その関係ない…はずの、その横浜赤レンガ倉庫前での野外ライブ会場に、なぜか私はいた(笑)。

それが2007年のこと。
その2007年、私は結局、全部で6本のSOPHIAライブを観ている(笑)。

横浜の次は、TOUR2007の京都公演。
その次の香川公演が私にとっての決定打となった。


それまでの経験では、というか、それ以降でもそういうことはあったけれど…。

それはもちろんそのアーティストにもよるのだけれど、地方会場では「これって手抜き?」みたいに感じるいわゆる「お茶を濁す」ようなコンサートに終始するアーティストがいることは事実。

また客席側も、自分はそれほど好きなアーティストさんでもないけれど、この人は有名だから行ってみよう…みたいな方もけっこう来場していて、そんな場合、なんとなく最後まで場内の空気がぎくしゃくしているというか、そういう経験はそれまで多々あった。

でも、それは、ある意味ステージに立つ側の力不足というか怠慢なのかも、と今の私はそう思う。


2007年11月のSOPHIA TOUR 2007 香川公演は現在でも、私が今までに観たすべてのアーティストのライブの中で最高のライブ。

この日の会場は県民ホールの小ホール。
おそらくそれまでのSOPHIAの香川公演では、この会場の大ホールだったはず(私はその頃を知らないけど)。
この日は、おそらくチケットも完売ではなかったのかもしれない。空席が目立つというほどではなかったけど。

横浜ライブの帰り際にもらったフライヤーにこのツアーの告知と先行チケットの案内があり、地元公演だったからチケットを入手。
その前に行った京都公演は、久しぶりに京都観光でもしようという気持ちでのチケット入手だった。
京都公演ももちろん堪能した。

しかし、香川ではどうかな?という気持ちだった。
県民性もあるのだろうけれど、あまり会場が湧かないという場面を経験している。

この日、ボーカル松岡さんは喉が絶不調。
最初の曲を歌ったときは気がつかなかったが、MCになったときの声がガラガラ。
その状態では、なるべく声を出さない方がいいと思うのに、それでもMCは今までと変わらずで、もちろん歌もしっかりと歌って…。

さすがに高音のキーは出なかったのだけれど、それを歌わないという選択肢は彼の中にはなかったようで、その姿というか、そういう強い意思を持ったその姿勢には感服した。

そして、このときのメンバーの演奏にも感動した。
声が本調子ではないボーカルをしっかりと支える演奏はとても素晴らしかった。
ステージでの表現は、メンバー全員によるものであるという強い「意志」が感じられる、非常に感動的なライブだった。

それに対し、客席側の反応がこれまた素晴らしかった。

観客の歌声ありきで、SOPHIAのライブは成立するのだけれど(今回の武道館で、それがなくても成立できることは証明されたけど…苦笑)このときの客席側のパワーも凄まじいものだった。

ステージ側、客席側、双方のパワーが入り混じり、やがてそれらが融合し、今まで経験したことがない、未知の世界に入りこんだことを感じた。

それは、とっても素敵な、素晴らしい空間だった。

この終演後、私は人生で初めて、公演前に渡されるアンケート用紙に感想を記入した。
ステージ側に立つ人達に、客席側からのその感動を伝えたいと思った。

このライブでの感動によって、このツアーではその後名古屋と岡山へ行った。

SOPHIAのライブでは、もう一度、やはりそれまで経験したことがないような空気感を味わったことがある。

2010年3月大阪厚生年金会館の閉館が決まっていた、その最後のステージ。
このときは、SOPHIAの方も、キーボードの都さんが病気療養のため、活動を一時休止することになっていた。

このときの私は、けっこう前方席。
ホール会場なので、後ろから人が押してくるわけはない。
それなのに、ライブが始まったとたん、私は後ろからの非常に強い「気」を感じた。

もちろんそれは私に向けてのものではなく、ステージに対してのものだったのだけれど。
そのとき「気」というものには「重力」があるのだ、ということを、私は初めて知った。

それは、その「気」の「力というのか重さというのか、なんだかよくはわからないもの…」で、身体が自然に前へ押されていくように感じたほど強いものだった。


それから1年後、SOPHIAは復活したものの、2013年にはファン側にはその理由が判然としないままでの無期限活動休止。

最初は1~2年くらいで復活?程度にしか思っていなかった。

ところが、こういう時代。
情報は次々と発信される。

いろいろと発信されるものにより、次第に不安が募っていき、最終的に私がもう復活はないと思ったのはいつ頃だったか…。
それはかなり早い時期だったかも…(苦笑)。



それまで毎年のようにどこかへ遠征しては楽しんでいたSOPHIAのライブがなくなったことは、寂しいことではあった。

でも、そのSOPHIAによってライブの楽しさを教えてもらったおかげで、私はこの9年間も充実した日々だったことは間違いない。

SOPHIAのライブを経験しなければ、私にはライブ遠征するという発想が浮かばなかったかもしれない。
おかげで、他のアーティストのライブ遠征で、さいたまスーパーアリーナも大阪城ホールもzepp なんばも経験することができた。


同じく音楽好きではある夫とは、好きなジャンルが少しばかり違うし、それまでは一緒にライブへ頻繁に行くというほどではなかった。
私がSOPHIAのおかげでライブの楽しさを知ったことで、一緒に他のライブへ行くことが増えた。

夫は、チケットの取り方がいまだによくわからないので、すべて私まかせにできるのがいいらしい(笑)。


今回のSOPHIA復活の日本武道館ライブは、私がやや強引に夫を誘った。好きなライブは好きな映画を観るのと同じで、本当はひとりで行くのがいちばんいい。
でも、今回は私が遠出することに体調の面で少々不安があり、誘った次第。

夫は、私が聴いているから、自然にSOPHIAの楽曲は耳にしているが、それほど好みではない。
嫌いというほどではないと思うが、本来はジャズやフュージョンを好んで聴いている。
その夫が、武道館では真剣にライブを聴き入っており、会館を出てからの帰り道、自分も大阪(城ホール)へ行くと言ったのには、驚いた。


次回、いよいよその武道館ライブについて、私の感想等々を書くつもり。

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