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音楽ライブのこと③(SOPHIAのライブについてのひとりごと)

2010年、メンバーの都さんの治療のために一時的に活動休止したものの、翌年の2011年8月には日本武道館で復活ライブが行われた。

私にとっては、このときが初めての武道館。
ライブそのものは、5人全員が揃ったということで、とても嬉しく、その場ももちろん楽しく過ごした。

でも、その少し前あたりからだったと記憶しているが、私はファンクラブの運営側の態度、つまり公式ページ等で発信される物言い等々に、微かな「ひっかかり」を感じるようになっていた。
きつい言い方で申し訳ないが、元々、ここの運営はかなりお粗末だと思っていた。単純に人手が足りないのか、それとも担当者の能力の問題なのかは不明だったが、これが「世間の普通の取引」だったら、もう次はない、という気持ちになったことは度々。
でも、そこはこちらもファン。
無理にでも心を大きく広げ、やり過ごしていた(笑)。

しかし…。
「言葉」を大切にする楽曲を世の中に発信しているバンドのHPに載った「言葉(文言)」に、これはないだろう、と愕然とすることがあり、私は一時的とはいえ、楽曲を聴くことすらできなくなったこともある。

復活したということで、またツアーが始まり、そこはファンなので、その「ひっかかり」については、それはメンバー本人が発信したわけではないのだから、と自分に言い聞かせた。
心の奥底に封印し、今までどおりにライブへ行くようになった。

とはいえ、封印しただけであり、忘れたわけではない。
その後のライブについてはもちろん楽しいのだけれど、それまでとは自分の中の感じ方や捉え方が少し変わってしまった。ステージ上の景色も今までとは少し違って見えた。
本質が変わったようにまでは感じなかったものの、微かな違和感のようなものがあったのは確か。

今回のライブで松岡さんが言った「あの頃の自分たちは飽和していた」「回転する車輪を止められなかった」「みんなSOPHIAという車の車輪として回っているのに、全員が違う方向を向いて空回りをしていた。逆に回っていたかも」…それらの言葉に、当時は自分の捉え方が変わってしまったことで、ステージ上に微妙な違和感を抱いたと思っていたけれど、あれは私の心の問題だけではなかったのかもしれないな、とそう思った。

結局、SOPHIAはツアー途中に、2013年8月12日での活動休止を発表。
おそらく、最初から決まっていたことなのだろうと思った。

このツアー、私はちょうど公演予定が発表された頃、突然の病気で長期入院中だったから、武道館も含め、どの会場もエントリーしていなかった。
無事に退院することができて、最終的には私にとっては2度目となる武道館を含め11本参加することができた。
病み上がりで不安は大きかったけれど、退院する際に、担当医や担当の理学療法士さんから「日常生活がリハビリ」と言われていたことが、このツアーのライブ参戦できっちり実践できたのだ…と思っている(笑)。

9年前の武道館ライブは、活動休止期間がこれほど長期になるとは思っていなかったこともあり、平常心でその場にいた。
それまでの集大成という感じのライブで感動。
ただ、最後に演奏した楽曲には微妙な違和感があった。
単純にSOPHIAというバンドのファンならば、たぶんそういう違和感を大なり小なり抱いたのではないかな、と思っている。SOPHIAを5人のバンドとして捉えていたならば…。

そんな違和感は抱いたものの、そのときの私はお気楽だった。
今後1~2年後には、また今までのようにライブをやるだろうと思っていた。

それが違うかも、と不安になったのは、ライブからそれほど日が経っていなかった頃、ある評論家氏のブログ記事を読んだとき。
それでも、まだ「不安」より「希望」の数値の方が断然高かったのだけれど。

その数値が逆転した頃のことは、今さら思い出したくはない。

いろいろな情報が目に入るごとに、復活は絶対にないと、かなり早い段階でそう思うようになってしまった。

私がTwitterでの発信を今回の復活発表があるまで、まったくやろうと思わなかったのは、そのときのことがあるから。
Twitterは実際に使ってみて便利だとは思うけれど、言葉は生き物。短い言葉は感情がむき出しに表れてしまうこともあり、当然行き違いもある。
復活の発表を知って、情報が欲しかったからついにそのTwitterに手を出してしまったけど…苦笑)。

今回の武道館は、かなり迷って、それでも行くことを決めた。
本当に自分が楽しめるのかという不安は大きかったが、実際には「いいライブだな」と素直にそう感じた。

メンバー5人がとても楽しそうだったことが何よりだった。
それは「演奏」にも表れていた。

最初の演奏曲が「大切なもの」で、最後は「夢」か「Believe」を私は予想していた(というか、本当に「復活」ならばそうあってほしいと切に願っていた)ので、それに関してはもちろん、他のセトリもすべて「復活」に相応しく満足だった。

私はSOPHIAのライブが観たかったし聴きたかったので、それ以外の要素が入らないことを心から願っていた。
だから本当に嬉しかった。

長丁場だったから、歌も演奏もほんの少しばかりハラハラするところはあったけれど、9年のブランクは感じなかった。
2階のめっちゃ後方席だったけれど、それが少しも不満に思うことなく、やはりSOPHIAのライブに席は関係ない、とあらためてそう思った。
ライブの最中は3時間半という、その長さを感じることもなかった。
あとで、WOWOW録画を再生したときは、長すぎる~とあきれたけれど(笑)。

やや強引に誘った夫が、けっしてSOPHIAファンではないのに、「自分も大阪も行く」と言ったのには驚いたけれど、ファンではない人間を魅了するほどの素晴らしいライブだったのだと思う。

それでも…。
私の方は終わってみれば、初期の頃のライブで、ただただ純粋に満足し感動していた頃の気持ちとはやはり違った。
「過去に感じてしまったもの」は、けっしてなかったことにはならないということなのだろう。
私が見せたいものは「傷」ではないし、そもそも「傷ついて」などないのだけれど…(苦笑)。

でも、これは私の問題。

大阪城ホールのチケットはエントリー済み。
次のライブで、自分がどう感じるか、どう気持ちが変化するか、それもある意味、楽しみ。
そして何より、大阪では今度こそ「友達」に逢えるのが楽しみ。

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