これが我ら庶民の生活だ
10月。秋晴れの祝日㊗️世の中はお休みで、街中の買い物客の姿も多い。
みけ子は仕事。いつもの民泊清掃の仕事だ。連休の最後の日だと一斉にチェックアウトする場合が多いが、今日はそうでもない。アウトの清掃は1室だけ。それに次回のインは週末なので、急いで掃除する必要もない。
会社勤めのダンナや長男はゆっくり起きて、朝シャワーしてそれから動き出すらしい。勤め人はひとまず「次月の収入は?今月の仕事量は?」なんて気にする事もなく、安定した立場だよね。でも会社組織で働く難しさもあるし、人間関係だっていつも平穏無事なばかりではないだろう。まぁ、祝日㊗️ぐらいはゆっくりしてくれや。
今、みけ子が仕事している、民泊清掃の場所の直ぐ向かいのビル。外壁塗装の真っ最中だ。足場を組んで、壁のコンクリートの一部を塗り直し、その上に新たに塗料を吹き付けるという工程らしい。まだ工事は半ばで完成まではあと少なくとも1〜2週間はかかるだろう。お天気の様子を見ながらだから必ず計画的に行くとも限らない。
みけ子も向かいのビルの塗装の職人さんも、自分の能力を活かして、世の中のお休みの日に働いている。これを「休みなのに仕事なんでごめんだ」と思う人も多いかも知れない。
だけど、とみけ子は思う。自分のやれる事を活かして仕事になり、それが収入に繋がる。直接仕事が人の役に立った実感は掴めない時もあるが、この仕事によって誰かが助かり、誰かに感謝される。それって素晴らしい事なんじゃないか。
誰でも出来る仕事で作業かも知れない。誰が掃除したって、塗装したってそれほど変わらないって言えばそう。だけどこれが現在の自分の仕事であり役割なのだ。
せっかくの祝日、休まなくってどうなのよ?どっかに遊びに行きたくないの?って疑問もあるかとは思うが、自分はこれで良い。遊びに行くのはたまにで良いのだ。通常は労働、時々余暇でゆっくり。そのバランスは大切だよ。
仕事の必要があればそこで作業をし、片付ける。終わった後はホッとする。無事に終わった安堵感と小さいけれど達成感。そして月末に請求書を起こす時の充実感とよろこび😛そんな小さな充実感とやり甲斐、責任感や矜持を胸に、私たち庶民は生きていく。
ちっぽけな事だけど、こんな事がうれしい。こうして自分は60@歳まで生きて来た。この世の大部分は、そんなささやかなよろこびとやり甲斐を支えに生きてきた人ばかりだと思う。
そんなささやかな暮らしの庶民を大事にする、誠実に国民の事を考える人だけが政治家になって欲しいよ。そんな事を切に願うわ。
↓フランスで買い付けた、手彩色の絵葉書。当時の切手や消印も残る、貴重な歴史の証人とも言えます。