見出し画像

パリ・マルシェ歩き#08/マルシェ・サン・トノレMarché Saint-Honoré

パリ散歩の大きな指針はパサージュ巡りとマルシェ歩きだ。その二つが同時に堪能できるのが一区にあるパサージュ・ジャコバンPassage des Jacobinsとマルシェ・サン・トノレMarché Saint-Honoréを歩くこと(25年まで改装中)だ。僕は、土曜日のパリ散歩コースとして、午前中にマルシェ・サン・トノレを見た後に、ちかくで昼食を済ませてからパサージュ・ジャコバン歩きというのをお勧めしたい。
Marché Saint-Honoré(côté pair, Pl. du Marché Saint-Honoré, 75001 Paris:Open Wed.12:30 to 20:30 and Sat.,7:00 to 15:00)
地下鉄は、7,14番ピラミッドでオペラ通りをオペラ座に向かって歩いてゴンブスト通りRue Gomboustを左折。手前に銀行BBVA Franceがあるから判りやすい。少し歩くとパサージュ・ジャコバンPassage des Jacobinsが左側にある。

出店している(してた、改装後彼らが出るかは未定)主な業者は
Les Jardins de Provence/季節の果物や野菜が中心。
La Ferme du Marais/オーガニック野菜とハーブの専門店。
Fromagerie des Halles/豊富な品種を取り揃えたチーズ専門店。
La Cave à Fromages/モンドールやエポワスなどのユニークな品種を含む、職人技と農家製チーズの幅広い品揃えで知られる。
Boucherie Saint-Honoré/地元農家から仕入れた牛肉、羊肉、豚肉などの高品質な肉を取り揃えている。
Charcuterie du Marché/フランスの伝統的なレシピを中心に、様々な生ハム、ソーセージ、パテを提供。
Poissonnerie de la Mer/牡蠣、ムール貝、スズキなど、新鮮な魚介類の店
Les Fruits de Mer/新鮮なロブスター、カニ、エビを提供。
➈Boulangerie du Coin/焼き立てのパンが美味しい店。バケットがお勧め。
La Pâtisserie Gourmande/マカロン、タルト、ペストリーやデザートの菓子店
Traiteur Gourmand/キッシュ、サラダ、ロティサリーチキンなどの惣菜店。
Cuisine du Marché/新鮮な素材を駆使したシチュー、キャセロール、ベジタリアンメニューなどを出す店。
Fleurs de Paris/ブーケや鉢植え、そしてガーデニング用品などが並ぶ。
Jardin du Marché/可愛い花屋さん。
Boutique du Marché/スカーフや帽子、ジュエリーなど、手作りの洋服とアクセサリーの店。
Mode et Style/個性的なデザインの衣料品。

「マルシェ・サントレノというから、サントノレ通りにあるのかなと思ったわ。パサージュもそうかと思った。わりと離れてるのね」と嫁さん。
サントノレ通りは彼女の御贔屓にしている通りだ。Colette/Chanel/Dior/Hermès/Goyard/Lanvin/Balenciaga/Louis Vuitton/Saint Laurent/Diptyquetが店を並べている。
「ん。マルシェ・サン・トノレMarché Saint-Honoréは、サン・トノレ広場があったところだ。1611年に、ルイ13世が命じて建造された受胎告知修道院le couvent de l'Annonciationが有ったところだ。フランス革命の時に潰されてね、広場にされてサン・トノレ広場という名前になった。実はロベスピエール広場と呼ばれたことが有った。彼は毀誉褒貶のひとだからね、死後サン・トノレ広場に戻ったんだ。
そこにマルシェが出来たんだ。それでマルシェ・サン・トノレという名前になった」
「ふうん」
「サントノレ通りのほうはもっと古い。もともとはローマ道アグリッパ街道だったんだよ。パリがまだルテティアLutèceという名前で呼ばれていた頃からあってね、ルーアンとリヨンを繋ぐ道だった」
「ああ、よく出てくるアグリッパ街道ね。こんなところを通っていたんだ」
「アグリッパ街道Via Agrippaは、リヨンを中心に東西南北に広がっていた。ルーアンへの道はその中の一つさ。
セーヌ川に出合うと、街道は川沿いの平地を走っていたんだ」
「なるほどね。だからパリを経由したわけね」
「ユーグ・カペーHugh Capetがパリへ遷都したときには、もう宿場/市場として繫栄していた。その傍らに1200年代になってサントノレ参事会教会Collégiale Saint-Honoréが建てられた。その名前を取ってアグリッパ街道Via Agrippaはサントノレと呼ばれるようなった・・というわけだ。まあサントノレという名前を付けてるところはパリに色々あるから混乱するな」
「そんなに有名だったの?」
Saint Honoratusな。400年代後期から500年代の人だ。アミアンの司教だった。地中海にあるレランス島Lérins Islandで修道院を起している。この人が祈ると、パンがポコポコと増えたそうだ。だからパン職人の守護聖人にされている」
「あなたの説明を聞いてると、敬虔な気持ちが消えちゃうわね」
「すいません」

無くてもいいような話ばかりなんですが・・知ってると少しはタメになるようなことを綴ってみました