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マンハッタン/クロイスターズ美術館

ザ・クロイスターズは、マンハッタンの最北部フォート・トライオン・ヒルズの丘の上に建つメトロポリタン美術館の分館である。その日のうちだと、METでもらったバッヂでそのまま入館できるから、時間が取れれば行くべきだと思う。
クロイスターというのは修道院のこと。実際にフランスやスペインに有った中世の修道院を幾つかを買い取り、分解してアメリカに運び、それらを組み合わせて造られたのがこの美術館だ。中庭・展示室・チャペルで構成されており、中世キリスト教文化の生んださまざまな美術品が見学できる。とくにフェンティデュエーニャ・チャペルは圧巻で、キリスト教徒でなくても敬虔な気持ちになるから不思議だ。
20世紀初頭、戦火に疲弊する欧州。その各地で、荒廃するしかなかった古い修道院の美味しい部分を買い漁ったのは、金満家で三流彫刻家のジョージ・バーナードという男である。彼は金にモノ言わせて欧州各地でさまざまな中世の遺物を集め捲くった。そしてこれらを合成し、フォート・トライオン・ヒルズに個人美術館を興したのだ。これが現在のザ・クロイスターズの前身である。しかしそれは余りにも稚拙な合成物でしかなかったという。その個人美術館が売りに出ると、ジョン・D・ロックフェラーが全面的に買い取り、整備し充実させ、メトロポリタン美術館に寄贈したのである。今、我々が観るザ・クロイスターズは、ロックフェラーと彼のブレーンによる作品である。
前述したように入場料はメトロポリタン美術館と当日のみ共用。例えば金曜日など、あちらが遅い時間までやっている日は、ついでに一緒に観て巡るというテも有る。
この辺りはマンハッタンらしからぬ自然の多い地域で、是非近くのフォート・トライオン公園へも寄ってみて欲しい。ハドソン川の対岸の壮大さに感動するはずだ。

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無くてもいいような話ばかりなんですが・・知ってると少しはタメになるようなことを綴ってみました