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石油の話#10/セブンシスターズ

20世紀を迎えたとき、世界の石油はロックフェラーのスタンダードグループとシェルグループの二大勢力に握られていた。
シェルグループは、バクーとインドネシアの井戸を押さえていた。バクーはロシアの総合石油会社そしてロイヤル・ダッチ・シェル、ノーベル兄弟のブラノーベルが三分する形で仕分けしており、生産量は世界一(日産212,000バレル)だった。

石油のニーズは、30年余りで内燃機関にまで大きく広がっていた。マーケットは雪だるま的に巨大化した。なので資本家たちは、新しい油田を探し回った。
1908年、ペルシャ(現イラン)で、ウィリアム・ノックス・ダーシーWilliam Knox D'Arcyが新しい油田を発見。Anglo-Persian Oil Companyを立ち上げている。これが後にThe British Petroleum Company plc(BP)になった。
同じくアメリカでも次々と新しい油田が発見されると、1901年にはTexas Fuel Companyが立ち上がり、これが後にTexas Oil Company(TAXCO)になった。また1907年にGulf Oil Corporationが立ち上がっている。
こうした新興勢力が台頭し始めると、さすがの妖怪ロックフェラーもアメリカの石油を独占することが不可能になっていった。そして1911年シャーマン反トラスト法Sherman Antitrust Act of 1890によって、ロックフェラーが実権を握っていたニュージャージー・スタンダード石油会社Standard Oil Company of New Jersey(EXXON)はグループが解体され、全米に30を超える石油会社が独立起業として動き始めた。この中から、カリフォルニア・スタンダード石油会社Standard Oil Company of California(Chevron)ニューヨーク・スタンダード石油会社Standard Oil Company of New York(EXXON MOBIL)などが立ちあがっていく。
こうして第一次世界大戦という巨大石油マーケット表出前夜に、セブンシスターズMajorsが確立していった。
アメリカ系5社(エクソン、モービル、ソーカル、テキサコ、ガルフ)とイギリス・オランダ系のロイヤル・ダッチ・シェル、イギリス系BPである。原油生産、精製、石油製品の販売まで、すべてを我が物にしている「7人の魔女」のことだ。

無くてもいいような話ばかりなんですが・・知ってると少しはタメになるようなことを綴ってみました