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道東新古細工#02/チミケップ湖のこと

今回の北海道・道東への旅は、ママの誕生日のためでした。出会ったのはちょうど40年前。プロポーズしたのは1984年。おおお、ママは未だ20代半ばになってなかった。
・・この40年を偲んで、今年は中々感慨深いママの誕生日でした。
ほんとはね、二人が好きなベネチァのダニエリへ行くつもりだったんだけど、ママが逡巡したんで急きょ国内旅行にしたわけです。

なので北海道にある二つのオーベルジユを選んでみた。二つともミシュランからのチョイスです。
①屈斜路湖オーベルジュsora
②チミケップ湖オーベルジュ・チミケップ
最初は一泊ずつだなぁと思っていたが、オーベルジュ・チミケップに一泊して、ディナー→オーベルジュ・チミケップ、ランチ→オーベルジュsoraした。
オーベルジュsoraをやってるチェーン店が函館にもあって、最初はそこに行こうかなぁと思っていたんだ。まぁいずれそっちには行くだろうから、道東はチミケップ湖オーベルジュ・チミケップにしようと決めたんです。

チミケップ湖は相当マイナーな選択肢だけど、なぜか前から知ってたんです。
ここはね、北海道でも有数なオカルト・ポイントなんです。霧渦巻く湖面に無数の白い手が立つ・・なんて話が有名なところでして、いいなぁと思ってました。
でもそんな話、ママにしたら絶対に行かない!と言うだろうから黙ってたんだけど。でもホテルへ向かうタクシーの運転手がしゃべっちゃった。
「いゃあ、あの湖は怖いところでしてね、落ちると引きづり込まれて出てこられないって子供のころから言われてましてね。親に言われて行ったことなかったです。今日、ご案内するのもほんとしばらくぶりです。」
「え~そんな怖いところなんですかぁ」とママ。
「はい、朝夕の霧の立つ頃には湖面に白い手が何本も立つという話もあります。見たという人の話を聞いたことも有りますよ」
ははは。無口になったママが僕の顔をじっと見てた。

でもね。ホテルはいい感じのところでした。泊り客は僕らを入れて三名。庭でウェルカム・ドリンクを頂いた後、周辺を散歩しました。
「チミケップ湖は、チミケップ川が土砂崩れのせいで堰き止めらて出来た湖なんだよ。だから入りの川と、出の川がふる。レマン湖みたいな感じだ。レマン湖の出の川はローヌ川な。
湖の出のところに滝が有るらしいから、明日の朝、見に行こう。」
ディナーは18時から。創作フレンチでモダンなものでした。満足度は高い。
部屋に戻ると・・もう外はまっくら
窓のところに立ってママが言いました。
「月影が無いとホントに真っ暗なのね。」
「対岸も原生林に覆われてるだけだからな。人灯りはなにもないな」
「これだけまっくらだと・・湖面から白い手が出てても・・見えないわね。」
ははは。明日の朝がたのしみだ。

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無くてもいいような話ばかりなんですが・・知ってると少しはタメになるようなことを綴ってみました