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漁夫の利を得るもの/失うもの

「ニクソン・ショック」に次ぐ「トランプ・ショック(ドルの1/2切り下げ)」は2015年あたりから書かれていたプランです。
リーマン危機の方策として行った大幅な金融緩和(虚である貨幣の増刷)を軟着陸させるには、これしかない。だれでも思いつくプランです。ではそのババをひくのはだれか? 前回は稀代の嫌われ者「ニクソン」でした。最後は石礫(ウォーターゲート事件)をもって追われた男がひいた。
今回はトランプがその役を請けた。ヒラリーやオバマにはできなかった。あまりにも政治的に真っ黒だったから。トランプに白羽の矢が立ったのは、彼が経済人としては真っ黒でも政治的には汚れていなかったからでしょうな。そんなヒール役を、何故彼が請けたかは・・こいつは彼の心の中の問題だから、ここで深堀をするのは止めましょう。いずれにせよ彼は請けた。ヒラリーのメインスポンサーという美味しい社会的地位を捨てて(当初は泡沫イロモノあつかいで)出た。もちろんイロモノではい。彼の選挙陣営はヒラリーと同じくキッシンジャーが選りすぐったライトパーソンだったからです。あのとき、ぼくが「トランプショック」を疑ったのは、彼を担いだ選挙スタッフがあまりにも有能だったこと・・そして当初から彼ら出馬を勧めたのがキッシンジャーだということが漏れ伝わっていたからです。

僕はあのとき(すでにFBをはじめてた・思えば・笑)なので、何回も「トランプ第二期2年目夏がトランプショック実行日」とFBで書いた。
しかし・・トランプに2回目はなかった。絵に描いた見え見えの茶番で、老耄するバイデンに替わった。ではあのマンガに出てきそうな「票のすり替え事件」で、最大の利を得たのはだれか?

トランプです。トランプは、悪玉ネオコンと戦うヒーローとなり、米国民から最大の承認を得て、おそらくリンカン/FDルーズベルト並みの指示を受ける立場になったのです。その目的は、反対者を握りつぶし・・恙なくリンカンが南北戦争を起こしたように/FDルーズベルトが対日戦争を起こしたように・・ドルの1/2切り下げというビックイベントを起こすためです。リンカンは南北戦争(英語では素直に市民戦争という)によって南北間での労働力(黒人)の流動を確立させ、FDルーズベルトは対日戦争を起こすことでニューディール政策の失敗を糊塗した。同じくトランプが担ったのはサブプライプローンから始まった米国民への借金の押しつけ後始末(ペトロダラー体制確立のために発生した負債の後始末)だった前代未聞のQEを、ドルの1/2切り下げでチャラにするという作業です。

・・と考えると、今回の老耄バイデンへのワンランディングの意味が明確に見えてきますな。
ドルの1/2の切り下げは、アメリカの抱え込んでる借金を瞬時に消し去り、アメリカを貿易黒字国に変貌させる名案ですが、そのデメリットとして最大級のものは、原材料の(ドルを使った)取引価格に深刻な影響を与えてしまうことです。それをどう回避するか?ドル切り下げの前に2倍にあげておけば・・物価を否応なく2倍にあげておけばいい、という論法です。
そして1/2に価値を失ったドルの世界的な地位を守るには・・ニクソンショックに耐えられるドルにするために、あのときキッシンジャーはなにをしたか?
あの「ペトロダラー」という案に替わるものはなにか?それは間違いなく「金コモディティ連動型」通貨への切り替えです。
国家の信用だけに載った貨幣と化したドルを「石油」が支えたように、今回は「原料」が支えるのです。
ドルは勝ちます。
そしてその「勝ち」を確実なものにするために、人民元とルーブルは、膨大な漁夫の利を得ます。
その出自を考えるならば、人民元(誰が何を鄧小平に囁いたか?)と、ルーブル(誰が何をプーチンに囁いたのか?)が、ドルに対抗することは決してない!ことを心すべきです。目くらましなポーズと(好悪を利用した)プロパガンダを鵜呑みにすると・・実相が見えなくなります。


無くてもいいような話ばかりなんですが・・知ってると少しはタメになるようなことを綴ってみました