僕の日比谷・僕のアーニーパイル劇場#01
僕がアーニーパイル劇場に魅せられたのは、小林一三が昭和55年に書いた「アーニイ・パイルの前に立ちて/宝塚漫筆」を読んでからである。
アーニーパイル劇場とはなにかを書く前に長いけど転筆する。
●ネオンの中に明滅する追憶
私は、「アーニイ・パイル」の横文字が、淡い、うす緑の五線紙型ネオンサインの色彩の中に明滅するのを、ジッと見詰めていた。眼がしらが熱くうるおいそめて、にじみ出して湧いてこぼれて来る涙を拭く気にもなれない。誰れも見て居らない、泣けるだけ泣いてやれ、という心持ちであ