我が友、スミスを読んだよ


愛していてもいなくても、これしか持っていないのだから、この身体で勝負しなければ。
我が友、スミスより



幻冬舎さんのYouTubeイベントで今成夢人さんがご紹介していた『我が友、スミス』を読了しました。(どくりょー、本読む人が使うから使いたかった)


筋トレを始めた女性がコンテストに出ると決めてから出場後までの心境を、かなり情景細かく書かれておりました。(特にジムと大会の)

ちょっとでも筋トレを齧った人、もっと言うと自分で種目をこなすトレーニングをしている人(トレーニー)には開口一番からかなりニヤニヤする内容でした。ジムの景色が良く浮かぶ。スミス空かねえんだよね。読んでわからなくても種目の名前の語感が良いことや、種目名から感じるイメージの描写の温度感が馴染み良く、筋トレに限らずとも“打ち込む何かがある人”に共感を得やすい作品だったように思います。

主人公の女性は、誰のためでもなく自分のために身体作りをしていて、打ち込んでいることが自分のためであることを自覚していることが立派であるなあと思いました。取り組みを人に揶揄されて心が震えることがあっても、自分を見失ったりしない強さが勇ましかった。

私もトレーニーであるような素振りをしておりますが、自分のために始めたか、都度集中して取り組み、継続できているかというとそうでもなくて。
取り組んでいること自体を評価されたり、自分を他者より良いものだと思い込みたいが故に、無い自信をつけるためにジムに行っているところがあります。なので、自分に妙に自信がある時はジムに行かない日が増えたり、逆にどうしようもなく自己嫌悪であるときは普段より負荷を上げてトレーニングすることもあるくらいの不甲斐なさでして。

なので主人公くらいの“我”があることはうらやましく、トレーニーたるものこうでなければな、と自戒すると共に、
自己評価の物差しを他者に委ねてはならぬ、自分の取り組みは自分のために在ること
をよく学び、少し凹む読後感でございました。
女性の見られ方に関する描写もいくつかありましたが、個人的には性別に関する考えが固まっていないので触れません。

わたしどこ行った?と思うこと、考えることが多かったので、このタイミングで自我を持つことの強さ重要さを理解できる本を読めてよかったです。
筋トレモチベも上がったので、次からジムへ行くときは主人公が同じ空間にいること妄想してまた頑張ろうと思います。


左2冊は古書とのこと。手配いただき感謝。


幻冬舎さんに、本作を含め5冊いただきました。(抽選で一名だったのに…ありがとうございます!)
あと4冊も出来れば感想を書いていきたい所存。

あまり本を読まない人なので時間はかかるかと思いますが、また書いていたらお付き合いください。

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