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ネグロス島へ 慰霊の旅...⑥

4月12日セブからネグロスへ

夕日を見に

シライ市はネグロス島の西海岸にあるからか、西日が半端ない。少し日が陰るのを待ち、3人で街へくり出す。ちょっと気になっていたバイクタクシーに乗ることにした。バイクの横に3人座れるサイドカーがあって、そこら中をウロウロしている。一般市民も荷物を乗せたり、数人で乗っていたりヘビーユーズしていそう。 

息子が「夕日がみたい」と言うので、バイタクの運ちゃんに「SUN SETがみれる場所ある?」と訊くと、ちょっと曖昧な感じでうなづき、バイク発進。

セブではお年寄りも、子どももみんな英語を喋っていたが、こちらは、若い人もあまり英語が通じない。言語もタガログ語ではなくイロンゴ語なるものを話すそう。 

バイクタクシーは気持ちよかった。目線が歩いている時よりもかなり下になるので、道端の屋台のおばちゃんと目があったり、市民の暮らしを眺められるので、面白い。
バイクが大きな館の前に止まる。「SUNSET VIEW」という看板が掛かっているけど、ホテル?入場料が書いてあって、奥の方では、音楽と踊っている若者たち。ディスコ的なものなのかな、、、、

戸惑っている私達を見て、間違った場所に連れてきてしまった事を察した運ちゃん。まぁ、方向的には海岸には近づいているので、そこで降りて暫し歩くことにした。

屋台のおばちゃんに訊くと、「海岸はないし、港もない。夕日は見られない。」と言われる。海方向の道を歩いて行き止まりで引き返していたら、親切そうな散歩中のおじさんが話しかけてくれた。
英語は話せないけど、何とか夕日がみたいことが伝わって、良いところがあるからと、スタスタ歩きだした。一人旅だったら、ついて行かない案件だけど、3人いるし、「ま、いっか。」とついていく。おじさんの風貌がとても善人そうだったし。

マングローブに沈む夕日
ジャックフルーツの木

暫く歩くと、マングローブがたくさん茂っている入り江に着いた。海水と淡水が交わる場所に生える木だったか。

おじさんは一生懸命に話そうとしてくれるが、何せ英語が通じない。奥に掘っ立て小屋が見えてきて、犬が5~6匹、子どもも数人出てきた。 警戒はしていなそう。おじさんの知り合いか、今日初めて会ったのかわからないが、掘っ立て小屋から子どもたちのお父さんらしき人が出てきた。

迷惑そうでも、歓迎しているようでもないごく普通の顔。
田舎の静かな夕焼けを毎日見られるなんて幸せだな、、、お父さんに「漁師さんですか?」と訊くと、おじさんが一応通訳してくれる。
おじさんが大きなザルをすくうような仕草をした。
どうやら漁師ではなく、ゴミを拾う仕事をしているようだ。
子ども抱えて大変そうだな、、、、 

おじさんは最後まで親切で、帰りのバイタクを見つけてくれて、「30ペソだぞ。」と運ちゃんに牽制までしてくれて、握手をして一緒に写真を撮って別れた。良い出会いだった。

I LOVE SILAY 

白亜の教会前で降ろしてもらうと、隣の公園が屋台村に様変わりしていた。
たくさんの人で賑わっている。TAKOYAKI という屋台があったので、たこ焼きを買う。タコは入っていなかったが、美味しかった。

普通に美味しかった

家族連れ、カップル、友達同士、屋台の灯りに照らされた、楽しそうな顔、顔、顔、、

フィリピン人の温かさに触れて、日本がこの地の人たちを恐怖におとしいれた事を、そうせざるを得なかった時代を、平和の大切さを思った。

こうしてシライの夜は更けていった。

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