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短編小説 「余命1ヶ月のサンタクロース」

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短編小説を書きたくなりました。 3話で完結です。
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短編小説 「余命1ヶ月のサンタクロース」 最終話

日付の感覚がなくなってくる。

徐々に、オワリへの道を進んでいる気がしてならない。

そう思うからそうなのかな・・・サンタさんは迷う。

祝福されている。

痛みも喜びも預かってくれている。

サンタさんはそれを信じてる。

だから、痛みを覚えているアナタにプレゼントを贈る。

いつまでも。

サンタさんはアナタの中で生き続ける。

サンタさんはそれを知っている。

おしまい。

短編小説 「余命1ヶ月のサンタクロース」 第2話

11月25日。

今日は誰かにプレゼントを渡したいという気持ちにならない。

3日目にしてもうサンタさん辞めようか・・・?と思ったけど、おしゃべりして、シャワーを浴びて、お散歩に行き、大好きなコーヒーとお菓子を買ったらとても元気になった。

今日は、自分へのプレゼントの日。

11月26日。

たくさんの人とおしゃべりしていて気がついた。

人には、痛みもしんどさも必要な時があるんだって。

そっ

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短編小説「余命1ヶ月のサンタクロース」第1話

11月23日。

ワタシは、サンタクロースになると決めた。

何しろ、あと1ヶ月しかカラダがもたないのだ。

それまでに、大好きな人たちにプレゼントを渡したい。

少しでも、私のことを覚えていてほしいから、そのプレゼントをみたとき、使うとき、思い出して欲しいから・・・。

こうして、寂しがり屋のサンタさんが生まれました。

11月24日。

誕生日を迎える人がいました。

朝起きてトイレに行こうと

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