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私と祖父とクレッセントハウス

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「古き良き時代」の面影を、現代までそのままに残したクレッセントハウス。2020年、ついにその歴史が幕を閉じます。様々な想いを胸に、作家として大きな影響を受けたこの場所についてを、… もっと読む
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2021年5月の記事一覧

クレッセントハウス存続を求めて。

クレッセントハウスの保存活用をもとめて。 本当にこれでいいのか、という想いが強く、FBページを立ち上げる事にしました。 解体の可能性が高いのにFBを立ち上げる意味を聞かれても、具体的に答えるのは難しい。ただ祖父の関連で思い入れがあるから、というのともちょっと違う。 ただ,言えるのは、どんな結果に終わろうとも、この件を通して同じように、このコロナの時代にあって、古くからの文化や物語、環境が失われていること、その流れは加速している、と言うことくらいは伝えられる。失われる前に未

「古く美しきもの」石黒孝次郎氏遺贈品展によせて

「古く美しきもの」石黒孝次郎氏遺贈品展によせて 三笠宮崇仁 今から数年前のこと、あの赤煉瓦造りのクレッセントハウス4階にあるお部屋で、石黒孝次郎氏と雑談をしていたとき、同氏が蒐集された美術品を(財)中近東文化センターに寄贈するつもりで選んでいるというお話を伺いました。私は、望外の幸せと感激しましたが、そのごまもなく同氏は体調を崩され、悲しいかな、1992年3月2日、ついに不帰の客となられました。もはや、あのスポーツマンらしい凛々しさと美術愛好家らしい温情を兼ね揃えた石黒氏