さあ、HSEの話をしよう プロローグ

HSPという言葉は、今では随分知られるようになりました。
物事に対して人一倍敏感に反応する人=Highly Sensitive Person (HSP)。
過敏症のようなある種の精神疾患ではなく、HSPは性格や特徴の一部なので、背をもっと高くしたいと思ってもできないように、敏感さを取り除くことはできません。

HSPは、特に気配りに優れているとか、神経がか弱いのではありません。ただ、取り巻くすべての世界にセンサーを張り巡らしているようなものです。
それで勝手に疲れてしまい、内気ではないのに、内に閉じこもりがちになる場合もあります。

HSPにはさらに、敏感なのに刺激を求めるHighly Sensation Seeking(HSS型)があります。
何をするにも、何に触れるにもピンッとセンサーが反応してくたびれるから、穏やかに暮らしたいと願うくせに、何かドキドキした経験をしたい、もっともっと外へ出ていきたいと渇望する。
アクセルとブレーキを同時に踏んでいるようなものです。

実はこれが、私なのです。しかも私は外向型(HSE)。

自分がこの性質を持っていると知ったのは今からおよそ一年前。

他人の身に起きたことにどうしてこうも共感し、打ちのめされているのだろうと落ち込んでいた時、何か救いはないものかとインターネットで検索したのが始まりでした。

私がHSPだと知った瞬間、なんだかホッとしたのを覚えています。さらにそれがHSS型だと分かると、私の過去の苦い経験や悲しい出来事に説明がつき、納得が得られ、癒されていくのを感じました。

それからしばらくたったある日、私は思ったのです。

私の経験が、同じような性質を持つ人の癒しのきっかけになるのではないかと。

HSPの中でもとりわけHSEは誤解を受けやすい。

「あなたが敏感?繊細?そんなまさか!」

実際に繊細だから、その言葉にすらひどく傷付けられます。
そういう反応が怖いから、HSEの人は、悩んでいても、なかなか真実を打ち明けて、誰かに相談することができません。

周りの理解が得られれば、きっともっとHSEの人も気楽に生きられるはずです。そのためには、どういう性質なのか、当事者が語っていく必要があります。

だから私は、ちょっと人と違う、でも理解すれば異質でもなんでもないHSS型HSPについて打ち明けていこうと思ったのです。

そう決意するまで、一年かかりました。
これが、HSEなのです。

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