見出し画像

ゴミを出さない生活:その1

ゼロ・ウェイスト・ホーム 始めました。

ウェイストwasteは「浪費する」「無駄にする」という動詞です。なのでゼロ・ウェイスト・ホームは日本語で言うと「無駄なしの家」です。広義ではゴミを出さない家、となります。

「そんなこと本当にできるの?」

誰もがそう思うでしょう。私もそう思いました。だから自分で、やってみるんです。人生は経験を楽しむ時間です。人のやらないことばかりやって来た私は、こう言うのが大好き。きっかけはこの本、「ゴミを出さないシンプルな暮らし」です。衝撃を受けました。

訳者の服部雄一郎さんは、自らゼロ・ウェイストを暮らしに取り入れて情報を発信されています。これも参考にすることにしました。

翻訳者 服部雄一郎の ゼロ・ウェイスト・ホームへの道

目次の中で目を引いたのはこの二つ、

第1回 はじめに 
第3回 検証! わが家のごみ

著者のベア・ジョンソンさんの家の1年間のゴミはこれだけです。

ジョンソン家の1年間のゴミはこれだけ

これは「やってみたい!」、そう私は思いました。始める動機はシンプルな方が良い。嫌になったら止めて元に戻れば良いだけです。


シンプルライフをよりシンプルにする

東京住まいで公共交通機関で十分なので10年以上前にクルマは捨てました。2010年に50歳で主夫になって、私自身の生活は極めてシンプルになりました。家計はフルタイムの妻に任せて、私は主夫業、日本と世界の旅、それに311被災地ボランティアが加わりました。

ダブルインカムからシングルインカムへ

私は40歳で米国企業から欧州企業へ転職し、単身で2001年から欧州に住み、2008年からアジアを旅してきました。そしてわが家での国際交流を始めて、外国人を我が家でもてなして海外の友人を増やしてきました。それが功を奏して2016年の世界一周の旅では、我が家に来た友人たち訪ね歩くと地球が一回りできてしまいました。

私の旅はシンプルです。テントや寝袋や煮炊きの道具はもちろん、ICT一式も入ってどこでも仕事が出来ます。これだけで世界中どこでも半年以上暮らしてきました。私のミニマムライフシステムは50L+10Lに収まります。

画像3

息子も家を出て夫婦二人の生活になったので、住処のマンションを85⇒70平米へダウンサイジングして1年経ちました。引っ越しで盛大に捨てたので生活はシンプルになりました。より使いやすい住環境が手に入って生活の質に目を向けるようになりました。

画像4


世界が温暖化ガス排出を止めると宣言した

2021年、世界は温暖化ガス削減に大きく舵を切りました。各国の政府が舵を切ったら温暖化ガスがゼロになるのか?そんなわけはありませんね。私が始める、貴方も始める、この星に住み一人一人が温暖化ガスは出さない生活にシフトしないと、政府の目標は達成できません。

ならば私個人で何ができるのかを考えました。

まず生活が不便になりそうです。エネルギーの使用総量を減らさなければなりません。原油やガスだけでなく水利用もエネルギーです。現代人は生活するのに多大なエネルギーが必要なライフスタイルに慣れ切っています。しかし、一部の環境に敏感な人は始めているかもしれません。ポイントは5つです。

1.リデュース:持ち物を減らす
2.リユース:捨てずに再利用したり譲ったり
3.リサイクル:ゴミ分別
4.リフューズ:不要なものは断る
5.リペア:修理して使う

私が住んでいたベルギーはこの意識が強かった。

生活はシンプルで、5つのRが生活に根付いていました。家庭から出るごみ(5つのRができないものを指す)の量が違います。彼らが出来るのなら日本で出来ないはずはありません。

時間に余裕のある私は「不便を楽しむ」生活を始めます。

かつて私が慣れ親しんだ昭和の時代にそれはありました。その頃とは技術レベルが飛躍的に向上しています。その頃を思い出し、少ないエネルギーで無駄なく生きるアイディアゲーム。それを「不便を楽しむ」と定義しました。


「そんなのカンケーネー」は嫌いです

地域のゴミ分別に従ってゴミ出ししている人も多いでしょう。でも、それは地域のルールを守るという意識からで、温暖化ガス排出を抑えて未来に住める星を子供たちに残すという意識でやっている人は少ないと思います。

燃えるごみを出すことは温暖化ガスを作る行為に直結します。分ければ資源になり、リユースされる。頭ではわかっていますが、分別ごみを出すときに「未来の子供のため」と思って集積場へ持っていく人は多くないと思います。

還暦を過ぎた私は、意図しなかった世代とはいえ、このままでは住めませんという地球環境を作ってしまったこの星の一人として、未来に住めない地球を子供たちに残して死にたくない、と思いました。

温暖化ガスを盛大に排出して便利を享受してきた者として、そして個人として、説明責任をキチンと果たしたい、温暖化ガス排出削減を行動で示したい、そう思ってゼロ・ウェイスト・ホームに挑戦することにしたのです。


面倒は”ぜんぶ俺がやる”から始めた

ゴミを減らせばエネルギー使用量は減ります。当り前ですね。エネルギー使用量が減れば地球温暖化ガスの排出量は減ります。簡単ですね。

ゴミが減ることにより意識が変わります。最も大切なのはこの「意識変容」だと思います。便利なライフスタイルを変えるのは簡単ではありません。それを促すのはモチベーションです。

なぜやるのか?」を自分の中で腑落ちさせるのがまず最初。その次に周囲を巻き込んでいくと、その意識は外へ外へ広がっていきます。マインドセットを変える。OSをチェンジするのです。

直ぐにジョンソン家の様にゴミ省力化が果たせるとは思えませんが、まずは1か月やってみてどんな具合か実験してみよう、そう思いました。(エンジニア魂が疼きます:ワクワク)

いままでポイと捨てていたものを、いちいちシールを剥がし、細かく分別します。紙はレシートに至るまで細かく分別して再生へまわすには手間がかかります。一番量の多いのは生ゴミです。これをベランダコンポストで「無くしてしまう」ことができるのですが、メンテナンスが必要なのでこれが特に面倒です。(後述します)

面倒くさがる妻は非協力的でした。せっかく便利なマンションに住み替えたのに・・・。生ゴミもシンクに備え付けられたディスポーザーに放り込めば何もしなくても済む。なんでそんな便利な生活を止めて不便な事しなきゃいけないの、と言うのも分かります。なので妻には協力は求めず、主夫の私はこう宣言しました。

「面倒くさいことは全部、おれがやるから」

こうして試用期間として2021年12月の1か月間、お試し期間としてどれくらいゴミが少なくなるかな、とやってみました。

幸いにも私は日本でもゴミリサイクルが進んでいる東京都江東区に住んでいます。ゴミは分別すればゴミではなく資源になります

ゴミを燃やすことは地球温暖化ガスCO2を生じる行為です。だからゴミは極力減らす。積極的に分けて、使えるものは徹底的に使って、残りは地球に返す。返し方として燃やすを極力少なくすることを始めました。

色々と試行錯誤して1か月やってみて手ごたえを感じたので、2022年元旦から本格的に取り組みを始めました。ルールは簡単です。

「ゲーム感覚でやる」です。

気負わず、仕組みを作って、減らすことを楽しむ。手間を楽しんで丁寧に生きる準備を始める。終活に向けて身の回りに多くのものは要らない。生活をどんどんシンプルにしていこう。そんなゲーム感覚で取り組むことにしました。


まずは1か月の成果:2022年1月

つべこべ言うより、2022年1月の成果です。資源になるものとならないものに分けて、燃やすゴミ、つまり温暖化ガス排出燃料となった残念なゴミたちがこれです。

画像2

梅酒を漬ける瓶に入れてみました。

こうして「見える化」することで夫婦二人の生活でどれだけ燃やすゴミ、すなわち「地球温暖化ガスの燃料」を具体的な量として把握することが出来ました。最初の1か月とすれば上出来だと思います。

あとはこのゴミの中身を眺めて、これからはそれを生まない生活を始めればよい。見える化効果は絶大です。


ゴミになるものを家に持ち込まない

これは重要なポイントです。家のドアの中に入れない工夫です。

チラシの類は受け取らない。キャベツの外の葉は外して買ってくる。マイクロプラスチックで問題になりそうなプラスチック製品や包装は極力使わないし買わない。

さらに今までの自分の行動様式を振り返って、過去にゴミとして出していたものは買わないようにする。そしてリサイクルできるものだけを家のドアの中に入れることにします。

やむを得ず家のドアの中に入れてしまった物は工夫してリサイクルに回す。何かに転用できないかアイディアを巡らします。これもひとつのゲームです。紙もプラスチックも今では表示がキチンとされていますから、それに沿って家の中の「リサイクル集積コーナー」に集めます。

不燃物になるものは論外です。後に手放す時にゴミにならないものだけを買う。意識変容するとその手のものを買おうとする手が止まります。たった1か月での意識変容に、自分ながら驚きました。やはり冒頭のガラス瓶の見える化は、脳に強烈なインパクトをもたらしたようです。


見える化して次を楽しむ

見える化」して分かったのは地球温暖化燃料(ゴミのことですね)の中で大きな割合を占めていた物に粘着剤を使ったものが多いことでした。一番厄介なのはコロコロです。あの筒状粘着テープを転がして細かいゴミをくっ付けて取る、あれです。

使い終わった粘着テープをそのまま瓶に入れると、かさばってあっという間にスペースが埋まってしまいます。そこで切り刻むのですが、これが厄介極まりない。やってみると分かりますが、作業は大変です。ハサミは粘着剤で直ぐに切れなくなります。掃除しながら切り刻んでいく。たまったもんじゃありません。

コロコロはソッコーで使わないことにしました。


家族の合意を得る

こう書くのは簡単ですが、実際には簡単にはいきません。コロコロを使っているのが妻だからです。彼女が長年使いなれている、家をキレイにする道具を使うな、とは言えません。だから、なぜゴミゼロを標榜するのか、理解してもらって協力を得る必要があります。夫婦二人ですがこの腑落ちするまで説明するという労力を惜しむと後々禍根を残すのは、結婚生活30年余年の経験が教えてくれます。

ここでも「説明責任を果たす」ことが必要です。何か新しいことをやる時は、キチンと家族に説明して合意を得る。そして協力してもらう。やりたくない人がいれば、自分がその人の分までやることで納得してもらう。やり続けて結果が見えてくると、どんな人も理解し始めます。見える化して「これならできる」と納得してもらう。家族が社会の入り口ですから、ここでやった方法は外へも使えます。

捨てると地球温暖化燃料になってしまうコロコロは、妻の職場のご入用の方にお譲りしました。これで2月は随分と燃やすゴミが減りそうです。

さて一番量の多いのは生ゴミと先に書きましたね。我が家では1日で中くらいのボウル一杯分の生ゴミが出ます。それが消えてくれる魔法のようなシステムをベランダに導入しました。次回はその方法を詳しく説明します。お楽しみに。

次回:ゴミを出さない生活:その2 ベランダコンポストの成功


ではでは
三川屋幾朗@mikawaya1960
 恩送りの公共メンター https://menta.work/plan/954


参考:


サポートありがとうございます! 日々クリエイターの皆様に投げ銭しています サポート頂いたり、投稿購入いただいたお金は「全部」優れた記事やクリエイターさんに使わせていただきます