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書けん日記:3 縄張り争いに巻き込まれる

某日――
不肖「私、また今日も家から出ていないんですけど。日記のネタが」
T氏「ぬしの家には、手入れのなっとらん庭があろう。それな」
……なるほど。

私の家は、半端な田舎の、過疎がすすむ村の一角。
その庭には、小鳥がやってきたりハチが巣を作ったり。草ぼうぼうになったり、去年植えたパクチーやバジルが野生化して、原生種のドクダミとしのぎを削っていたり。
そこに、アライグマやらハクビシン、アナグマやイタチ、たぬきがやってきたり。

冬になると、田畑の種もみを食べ尽くしたスズメたちが庭に集まり。
スズメたちがいると安心するのか、シジュウカラのつがい、メジロの夫婦たちがやってきて、仁義なき戦いを始め。
その体の大きさとバインドボイスな鳴き声で庭を占拠しようとするヒヨドリ、さらに大きい体でマイペースに庭を闊歩するキジバト夫婦。
遠いシベリアからやってきて庭で疲れを癒やすツグミとその仲間、同じく渡り鳥でピラカンサの赤い実が大好きなジョウビタキの夫婦。
そして――小鳥たちを追い散らす、種類がわからない大きなタカ。意外と物分りの良いカラスの親子。

これを書いている、9月も終わるある日の夜。
そんな、季節が移り変わってゆくさまが見られる、手入れのなっていない小さな庭。
草むしりだけで半日かかる。
庭で野生化したパクチーやバジルは、料理に使ってみるとアジアンやイタリアンの香りではなく、純和風と言うか農村ソン (谷岡ヤスジ先生風)な匂いがしていて『おまいら。さてはドクダミと浮気してんだろ』といいたくなる用途困難な草と化していて。
全く植えた覚えのない植物が芽を出し、若木が育っているのは庭に来る鳥の落し物か。
夜中にガタガタ音がすると思い、ライトで照らすと軒下にアライグマの子供が。
庭の虫を取ってくれるアシナガバチたちとは同盟関係を築きたい。されど彼女たちは、ドアの真上とか戸袋の中とか、どうして困る場所にばっかり巣を作りますのん。

そんなこんなの。手入れのなっていない小さな庭の、あれやこれやも。またいずれ。

――それはそうと うちの庭のど真ん中で でけえう◯こ してゆくたぬきは絶許。


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