思い出が止まらなくなる

初めまして、noteというのを今更始めてみようかなと思ってやり始めた次第です。
何故やり始めたのかと言うと、俗に言う推しメンの中西アルノが乃木坂46の35枚目シングルの選抜に選ばれなかったからです。まず、自己紹介がてらに自分のアイドルオタク遍歴を振り返ると、2chの狼板に2013年ぐらいにアイドルの楽曲を紹介するスレッドというのが立っており、そこで”散開”した直後ぐらいのTomato n' PineのYoutubeを見てアイドルの楽曲っていいなと思って、アイドルオタク道を歩み始めた。今思えばアイドル戦国時代末期ぐらいで所謂地下アイドルは活況ででんでんぱっしょん前のでんぱ組.incにハマり1人でライブに行くようになり始めた。
そしてそこからBELLRING少女ハート通称ベルハーにハマっていった。毎週のように新宿や渋谷のライブハウスに通いチェキを撮り、オタクと交流していった。どうにもならない自分とステージ上で爆発させてるアイドルを重ねて合わせて、そして2015年辺りに自分の就職活動と重なってベルハーも瓦解を始め、ふと乃木坂46の番組を見るようになった。
2期生の相楽伊織が学業の関係で1年遅れで合流し始めたぐらいだった。正直1.2期生のメンバーを今更”推し”始めても仕方がないみたいな打算があったように思う。地下アイドルを”推し”ていた経験からグループ内で推し変するということが自分の中で禁忌で(これは本当にアイドルからもオタクからも嫌われる)一度決めたら通い続けるけれど、相楽伊織さんは当時まだたぶんやりたいこともぼんやりとしかなく、1.2期生達の他のギラギラしていた人達とは違ってどこかやる気が感じられないみたいなところもあって、自分としては”選抜発表”はどこか遠い国でやっている選挙を見るみたいな感覚であった。選抜とアンダーの狭間を行き来しているメンバーを応援している友人達をどこか冷めた目で見つつ、でも選ばれて嬉しそうな反応をしていると嬉しいしでもそこには選ばれない時もあるわけでその時の気持ちは正直わからなかった。
ずっと選ばれない側のメンバーを応援していたから。
そんな時乃木坂46の番組内で姉妹グループ募集がされた。そのグループ名は鳥居坂46という。乃木坂46を最初から見ることは出来なかったけれど、このグループなら古参面できる。そんな気持ちで意気揚々と初期のイベントに参加をし、そこで鈴本美愉というメンバーと出会う。彼女は抜群にダンスが上手くおもてなし会でダンス部という平手友梨奈などとパフォーマンスしていたのだが、鈴本美愉に射貫かれてしまった。
そこからは鳥居坂46こと欅坂46のオタクとして握手会やライブに参加した。2013年ぐらいからアイドルオタクをしているが、今までは基本的にSNSでも他のオタクと交流するようなことはせず、でもアカウントがないのは”変”なので申し訳程度にアイドルにリプライ等を送るようなオタクであった。
そんな自分がSNSやってないんですかということを聞かれて坂道系のアイドルオタクとして開設したのが今のSNSのアカウントだ。
鳥居坂46だから鳥居坂というのは鳥居元忠から由来して、そして鳥居元忠は三河武士だから三河武士と名付けた。俺はここまで知っているんだぞというマウント由来が恥ずかしくて何でそのニックネームなんですかと聞かれるたびに恥ずかしながら答えていたことが懐かしい。
そこからしばらく乃木坂46に行きつつ欅坂46に行くような生活が始まった。そして相楽伊織が乃木坂46を卒業するの契機に欅坂46関連のイベントにしか行かなくなる。
自分がどんなアイドルオタクスタイルかと言うと基本的にライブや番組の感想を伝えてみたいな一番普通なオタクだ。深入りはしない。変に凝ったことを言って傷付くのが怖い。そういうのが第一にあった。相楽伊織も鈴本美愉もコミュニケーションが上手い方ではなかったので、僕は緊張しまくっているし、向こうもそれが伝わって双方ぎこちないみたいな形で握手会が終わっていた。いつも握手会場の幕張メッセやパシフィコ横浜から帰る時はしんどかった思い出がある。
欅坂46の3枚目シングル辺りまで1人で握手会場に行き、他のオタクと誰とも会わずに帰るみたいなことをしていたからだ。
SNSのアイドルオタクアカウントを始めて、オタク同士がみんな会ってワイワイガヤガヤしていることを知った。自分もその中に入れて楽しかった思い出がある。握手会に行くってことよりもそちらの方が楽しみだった時期もある。
でもそんな楽しい時期も過ぎて欅坂46は崩壊してしまう。
そして世の中は慌ただしくなり、コロナ禍になる。
僕は就職活動に失敗をし、Uber Eatsで配達をして日銭を稼ぐだけの生活でSNSに日々のことをただ書いてアイドルのことは冷やかし半分斜構(アイドルオタク用語で斜めに構えて真っ正面からアイドルと向き合えないみたいな意味で使われる)って適当なことばかり書いていた。何にでも”マジ”になること何てないのだ。
そんな時乃木坂46に5期生が入ると。今までも自分の中で来ては去っていったアイドル達だ。新しいアイドルが入ろうとどうでもいい。”ネタ”にして、いいねを稼げればそれでいいんだ。内心そんな風に思っていた。
名前は中西アルノ。検索をすれば彼女がインターネットでどんな風に言われているかが出てくる。正直自分も面白半分で見ていた。
2023年の2月に乃木坂46の5期生の個別メッセージの配信が始まった。物見遊山で久しぶりにアイドルのメッセージなんか取っちゃったりしてみてみたいな一種の自分の中の”ネタ”として中西アルノのメッセージを取ったように記憶している。
そして、彼女の内面を垣間見るようになってどんどん好きになっていった。
そこから33枚目シングル「おひとりさま天国」のミーグリ(オンラインお話会)に応募。2018年7月20日の欅坂46の7枚目シングルアンビバレント個別握手会2次応募に抽選申し込みをして以来アイドルと接触(アイドルオタク用語で握手会などのことを接触と呼ぶ)するのだ。
中西アルノに約5年ぶりに引き戻された。
ただ、アイドルで”いいね”を稼ぐだけのネタにしていた最早アイドルオタクでも何でもなかった自分が、だ。
就職に失敗をしてから、何もやる気がなくなり”マジ”になること何かない。日々をただやり過ごして適当にすればいい。でも30歳を超えるとそんなことも言ってられない。2023年8月25日から始まる神宮球場でのライブの前週に身体に異変を感じて血液検査をした。そしてその結果が2023年8月28日の月曜日の午前中に伝えられた。神宮ライブの最終日だ。血糖値が異常に高いです。僕は糖尿病になっていたのだ。そしてそのままライブを見た。
とてつもなく良かった。中西アルノのActually…が良かったのだ。病気を宣告されたことが吹っ飛ばされた。
病気のことだが、心当たりがないと言ったら嘘になる。1日1食でラーメン等の外食をドカ食いしていたし、500ml缶のペプシコーラーを毎日一本は飲んでいたのだ。そしてUber Eatsの配達中には身体がダルいからカフェインを入れるためにレッドブルやモンスターといったエナジードリンクを飲むそしてまた身体がダルくなるその繰り返しをしていた。そして何よりも遺伝的にも父親が糖尿病だったのだ。なのにセルフネグレクトをして正直どうでもいいと思ってテキトーな生活をしていた。
心当たりしかない。
それでもいざ病気になると、見たくなかった現実が一気に襲ってくる。もう知ってしまった以上見て見ぬ振りはできないのだ。
そして、東京での破綻した生活を引き払い大阪の古墳とイオンモールしかない実家に戻った。
中西アルノはそんな僕のことを知らない。中西アルノのことを僕はめちゃくちゃ知っているが、僕のことは知らない。アイドルとの関係は双方向ではない。でも中西アルノに僕は自分を重ねていた。
東京の大学に行き、就職活動に失敗をしてUber Eatsで日銭を稼いでセルフネグレクトをして病気を抱えて実家に30歳を超えて帰る自分。中西アルノも順風満帆のアイドル人生ではない。謹慎をしてスタートしたアイドル人生だ。
そんな彼女が徐々に乃木坂46のメンバーとして、個性を発揮しだして34枚目シングルではアンダーセンターとしてライブを引っ張っていた。そんな彼女を姿を見ていると自分も頑張らなければいけないと背中を押して貰えるような気がする。
だからこそ、35枚目シングルでは選抜メンバーとして選ばれて欲しかったのだ。最初に抜擢されたセンターよりも彼女の個性が周りに認められて、選抜メンバーに選ばれて欲しかったのだ。でも人生がままならないことも就職活動に失敗をしてうだうだしまくっていた自分には分かっているのだ。
病気だってHbA1c(血糖値の1~2ヶ月分の平均値)の数値は良くなったけれど、治ったということはなくずっと血糖値コントールしなければいけないのだ。
人生はままならない。”マジ”になることなんてない。
いや、でも、選抜発表でこんなに悔しいのは今までにない。”マジ”だ。
今までなら斜構って適当なことを書いて”いいね”を稼いでいた。”ネタ”にできないのだ。何故なら”マジ”だからだ。
今まで10年アイドルオタクをしてきたが、一番”マジ”なのだ。
友人達が選抜発表で一喜一憂をしていた理由がようやくわかった。ちゃんとめちゃくちゃ悔しいのだ。
他の選抜メンバーに選ばれたオタクが騒いでいることに腹を立ててしまうのだ。これはめちゃくちゃ”マジ”だ。
一夜も明けずに深夜テンションのままnoteなんかに気持ちを綴ってしまう。
”マジ”の”マジ”だ。
僕は思っている。36枚目シングルでは中西アルノの個性がもっと周りに認められて選抜メンバーに選ばれると。
中西アルノを今後も応援していきたい。


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