度胸☆星子

山田芳裕先生リスペクトです。不朽の名作『度胸星』の続きが気になって眠れなくなり、自分をレスキューするため二次創作します。

度胸☆星子

山田芳裕先生リスペクトです。不朽の名作『度胸星』の続きが気になって眠れなくなり、自分をレスキューするため二次創作します。

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『度胸星 続編もどき』_イントロダクション

これから私は、続編という形での二次創作をシェアします。 題材となるのは、山田芳裕(やまだ よしひろ)先生の『度胸星』という漫画です。 絵を描けるわけではないので、シナリオというかノベライズというか文字のみの妄想続編となります。 すべて初めての試みです。お手柔らかにお願いします。 まず『度胸星』がどんな作品なのかのアウトラインをウィキペディアから引用します(けっこう長いので、括弧書きの説明は省略します)。 そうなんです。この作品は未完のまま連載が終了してしまったのです。

    • 『度胸星 続編もどき』_第21話「地球」

      scene_地球への帰路につく平穏さを取り戻したM1船内。 地球に向けての帰路の軌道をコンピュータで計算するハリコフ。 ハリコフ「地球と火星は今もっとも離れたところにある。ここからは長い旅になるぞ。」 「船体は完璧にシールドされているから有害な宇宙放射線の心配はするな。」 筑前「しかし、水や食料・・・それに肝心の燃料が足りないだろう・・・」 ハリコフ「いや実はな、NASDAからロシアに支援の申し出があって、無人の補給船が打ち上げられているんだ。」 「おそらくちょうど中

      • 『度胸星 続編もどき』_第20話「意識での会話」

        scene_茶々、漂流するERV内では全員が宇宙服内の圧力を下げるプリブリーズを行う。 それが終わると、ブロンソンと筑前は1台しかないセルフレスキュー用の小型推進装置SAFERを用意する。 ブロンソン「さあ、SAFERを使ってM1まで移動するぞ。」 「予定どおり筑前がSAFERを背負い、三河に私、市原を順番に運んでもらう。」 筑前「なあに、M1までは直線移動だから難しくはねぇさ。」 「1回か2回の噴射で十分だろう。」 M1のハッチが開き、宇宙服姿のハリコフが現れる。

        • 『度胸星 続編もどき』_第19話「武田の漢気」

          scene_船外の度胸と武田度胸が押し戻されているのを見た武田が機内から外に飛び出す。 その前にクルーにこう言い残して。 武田「いいか、よく聞けよ。俺の代わりに三河を乗せるんだ! いいなぁ!」 ――ウイーーン、ザアッ、ザッ、ザッ、ザッ、ザッ、ガシッ 武田は奮闘する三河の隣でローバーに手をかけ、肩で押し返す。 武田(無線)「お前一人だけだったあんときとは違うぜ・・・」 水中での無重力環境訓練のときモジュールの下敷きになった回想シーンが挿入される。 「・・・一緒に前輪を持

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        『度胸星 続編もどき』_イントロダクション

        マガジン

        • 『度胸星 続編もどき』
          21本

        記事

          『度胸星 続編もどき』_第18話「火星に残るのは・・・」

          scene_無情なくじ運離陸を翌々日に控えたこの日、ERVの定員オーバーを解消するため、火星に残る一人が誰になるかくじを引いて決めることにしていた。 ブロンソン「・・・仕方がない。本意ではないが、誰かが残らなくちゃならない。」 「ここに火星の小石が5つある。そのうちのひとつには赤い印がある。」 「この箱に入れるから、一人ずつ引いてくれないか。私は残ったひとつを選ぶ・・・」 とても重苦しい空気が船内を流れる。 筑前「ブロンソンさん、ありがとう。嫌な役回りだったよな・・・

          『度胸星 続編もどき』_第18話「火星に残るのは・・・」

          『度胸星 続編もどき』_第17話「衛星ダイモス」

          scene_人工重力装置のトラップを用意する度胸と筑前と茶々サムームの不時着現場にローバーで着いた三人。 重力装置のあった箇所に向かって歩いている。 度胸「ほんとにひどい有様だな。よく怪我もせずにいられたものだ。」 茶々「私は少しムチウチ気味だけどね。」 しゃがみこみ砂を手に取る筑前。 筑前「このへんはレゴリスが厚く堆積していたらしいな。」 「こいつがクッションになってくれたんだろう。」 壊れた船内に入り、度胸が指で指し示す場所で立ち止まる三人。 度胸「あったぞ!

          『度胸星 続編もどき』_第17話「衛星ダイモス」

          『度胸星 続編もどき』_第16話「死ぬなブラッドレー」

          scene_大破した機体からの脱出機体は斜めを向いたまま着地し、支持脚を捻じ曲げ、側面のエアバッグを押しつぶし、砂地にめりこむように停止する。 船体はぐしゃりと押しつぶされていたが、爆発炎上はしていない。 エンジン部分は不時着の衝撃を免れたのだった。 度胸「・・・みんな、無事か?」 茶々「わ、私は・・・なんとか・・・生きてるわ。首を打ったみたいだけど・・・」 武田「・・・・・」 度胸「どうした、武田?」 度胸はシートベルトを外し、武田のもとに駆け寄る。 すると、武

          『度胸星 続編もどき』_第16話「死ぬなブラッドレー」

          『度胸星 続編もどき』_第15話「怒り」

          scene_テセラックの内側サムームの機内で、突入時のGに耐える三人。 茶々「補助エンジンの逆噴射を開始します。」 ――ゴゴゴゴゴゴゴ(だんだんと音が大きくなる) ところが、フッとスイッチが切れたかのようにGの圧力がなくなる機内。 武田「・・・なんだぁ、いったいどうしたぁ!」 度胸「急にGが・・・」 顔が青ざめている茶々。何かの存在に気づく。 茶々「・・・何かが私たちを取り囲んでる・・・」 「・・・弱いけど意識が感じ取れるわ・・・」 武田「外を見ろ! なんだこの

          『度胸星 続編もどき』_第15話「怒り」

          『度胸星 続編もどき』_第14話「ダークマターの正体」

          scene_地球の坂井輪夫妻の研究室朝の明るい日差しが差し込む坂井輪夫妻の研究室。 利宏が本を読みながら考え事をしている。 利宏(心の声)「テセラックに距離は関係ないっていうのは、見えない次元が三次元の実体に物理的な影響を及ぼしていると考えるべきだろうな。」 「それともテセラックは量子論的な実在で、同時に複数の状態で存在する重ね合わせの状態なのだろうか?」 光子がコーヒーを淹れ、カップに注ぎ、利宏に差し出す。 光子「またテセラックのことを考えているようね。」 利宏「

          『度胸星 続編もどき』_第14話「ダークマターの正体」

          『度胸星 続編もどき』_第13話「スキアパレッリの教訓」

          scene_M1探査船 火星着陸方法の変更同じ頃のM1探査船では、火星での母船から着陸機の切り離し、母船の軌道、着陸地点などについてハリコフから修正プランが提示されていた。 ハリコフ「・・・このM1探査船は火星の高度500km地点の周回軌道を確保する予定だった。」 「テセラックのような得体の知れない存在のことがなければ、我々も火星に着陸して14ヵ月探査にあたる・・・それが当初計画だったよな。」 武田「ああ、そうだ。」 ハリコフ「しかし、テセラックに母船を2度も撃墜させ

          『度胸星 続編もどき』_第13話「スキアパレッリの教訓」

          『度胸星 続編もどき』_第12話「Q方向」

          scene_テセラックと同化する筑前スキアパレッリ2号の着陸地点に到着した筑前。 一人で念入りに裏返された着陸機を調べる。 裏返された機材から人工重力装置をみつけ、それを取り出す。 そして、持ってきたスキアパレッリ4号の重力装置に必要な部品を付け替えていく。 組み立てた装置をローバーの荷台に乗せ、自動操縦モードにし、自分の周りを周回させる。 筑前「・・・よし、これで重力装置を動かすだけならできるだろう。」 「あとは心の準備だ・・・」 そう言って、岩のない平らな場所で

          『度胸星 続編もどき』_第12話「Q方向」

          『度胸星 続編もどき』_第11話「世の中で一番度胸あるヤツ」

          scene_地球の三河家とジャーナリスト林がNASDAで出会う三河家のリビングルームでくつろぐ二人。 前回よりも緊迫感が感じられる。 愛嬌「母さん、さすがにやばいんじゃない・・・?」 「何ヵ月も連絡しないなんて、いくらなんでも度胸らしくないぜ。」 しのぶ「・・・・・」 「NASDAに電話してみたけど、教えてくれないのよ。」 「息子さんはNASDAを退職されてます・・・の一点張りでねぇ。」 愛嬌「・・・んなら、直接NASDAに行ってみっか? 母さん。」 しのぶ「・・・

          『度胸星 続編もどき』_第11話「世の中で一番度胸あるヤツ」

          『度胸星 続編もどき』_第10話「それぞれの使命」

          scene_筑前、決心する石田がテセラックに連れ去られて数時間後の居住モジュール内。重苦しい雰囲気の中、筑前が顔を上げる。 筑前「なあ、みんな。いつまでもしょげていても仕方ねぇ。」 「なあに、M1探査船との交信は、あいつらがもっと火星に近づけば内蔵アンテナでもできるようになるさ。」 「たぶん火星到着のひと月前には必ず交信できる!」 「それより今はテセラックをなんとかする作戦を練らないか。」 ブラッドレー「どういうことだ?」 筑前「あいつらが来るまでにテセラックをもっと

          『度胸星 続編もどき』_第10話「それぞれの使命」

          『度胸星 続編もどき』_第9話「坂井輪夫妻」

          scene_M1と坂井輪夫妻との交信ロシア連邦宇宙局の高官とNASDAの男性教官との電話会談の様子。 高官「・・・という事情なんです。ドクター坂井輪に相談したいというクルーの強い申し出を汲み取っていただきたい。」 「明後日、お二人をNASDAまでお連れできませんか?」 NASDA男性教官「承知しました。日本とロシアは宇宙開発事業の重要なパートナーです。」 「坂井輪博士は責任をもってお連れし、M1クルーと交信していただきましょう。」 【場面切り替え】 NASDAの勝浦宇

          『度胸星 続編もどき』_第9話「坂井輪夫妻」

          『度胸星 続編もどき』_第8話「火星の水」

          scene_テセラックが現れ、石田沈む通信が終わって安心した面持ちの火星の四人。 めいめいの作業に戻る。 石田と筑前はモジュールのドアの前室でヘルメットをつけ、ドアを開けて外に出る。 ――プシュー、バムッ 石田「!!!」「アーーッ、こいつ、何してやがるんだ!」 石田の視線の先には、組み立てたアンテナとそれを端から押しつぶし始めたテセラックの姿が。 ――ザッ、ザッ、ザッ 石田「やめろー、やめてくれ!」 「僕らみんなで作ったアンテナだぞ。」 とアンテナに駆け寄る。 筑前「

          『度胸星 続編もどき』_第8話「火星の水」

          『度胸星 続編もどき』_第7話「交信」

          scene_アンテナを組み立てる無声シーンの挿入コマ① フレームを継ぎ足して大口径にしていくブラッドレーと筑前。 コマ② モジュールの通信機を内蔵アンテナとつなぐ石田とブロンソン。 コマ③ ローバーで自分たちの着陸機まで行き、ローバーのウインチで崖下まで降りて、つぶされた着陸機から部品を運び出す筑前とブラッドレー。 コマ④ 合板を叩いて薄くのばしていくブロンソンと石田。 scene_地球との交信完成した大型のパラボラアンテナの画(アンテナは地面にじかに設置されている

          『度胸星 続編もどき』_第7話「交信」