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コミュニティ学科 第2回6/29(火)講義レポート

ミカタバ大学広報担当の長です。
今回は現在開講中のコミュニティ学科第2回目の講義の様子をお届けします。
受講したかったけど出来なかった方や大人の方もぜひご覧ください!

第1回のレポートをまだ見ていない!という方はこちらからご覧になれます。

コミュニティ学科とは

最近よく聞く「コミュニティ」何のことかわからない方も多いのではないでしょうか。このコミュニティ学科ではその名の通り、そもそもコミュニティって?という問いから、コミュニティに教育や場作りといった文脈で関わる講師から見た仕事としてのコミュニティづくり、社会生活への活かし方などを学べる授業を展開します。将来教育などに関わりたい、居場所づくりやコミュニティに興味がある、また講師の経歴に興味を持った学生の皆さんが受講中です。
コミュニティづくりを外の視点から学びつつ、”自分だったらどんなコミュニティにいたいだろうか”という当事者視点も持って受講していただけるように全4回の講義を通してコミュニティや組織づくりについての考えを深めています。

コミュニティ学科講師プロフィール

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SAPPORO Incubation Hub DRIVE Community Manager
高輪 健人

1993年北海道札幌市出身、アイルランド共和国 国立トリニティ カレッジ ダブリン大学卒業後、(株)大塚商会 マーケティング本部、WeWork Japan ブランドマーケティング、Fun Group Inc. 海外事業開発を経て、2021年3月、北海道にUターン。現在はSAPPORO Incubation Hub DRIVE にて Community Manager をしながら行政や民間と場づくりや教育の文脈でプロジェクトベースで関わる。

第2回目の講義は...
コミュニティマネージャーの仕事を理解し、自分の身の回りにいるコミュニティマネージャー的存在を分析することをゴールに、コミュニティマネージャーが持つべき考え方から実際の行動まで、コミュニティマネージャーの極意と可能性を学んだ回でした。

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受講生から届いたグラフィックレコーディング。
講義全体の流れを一目でわかるように書いてくださりました!

では詳しい講義の内容に入っていきましょう!!

コミュニティマネージャーってなに?

第1回の軽いおさらいの後、そもそもコミュニティマネージャーとはどんな役割なのか、なにをする人を指す言葉なのかという基本のきから始まった第2回。

コミュニティマネージャーってなにをする人だと思いますか...?
講師のという問いかけに、
・コミュニティにいる人同士のつながりをスムーズにする人
・場の信号機的役割をする人
・ビジョンに基づき自然に成長していくコミュニティの育ち方の方向性をイベント企画やコミュニケーションである程度方向づけていく人
など様々な意見が受講生から寄せられました。

講師の高輪さんは
「皆さんが答えてくれたどの回答も間違いじゃない上であえて言うと、コミュニティマネージャーはある特定のコミュニティの代表者であり、そのコミュニティの価値を最大化する人と私は考えています。」
と言います。

コミュニティマネージャーのシゴト最大化

何か困ったことや相談したいことができた時に"まずはあの人に聞いてみよう!"と一番最初に思い浮かぶ人のことを代表者/第一想起となる人として、コミュニティ内のことをよく理解し、相手が関わりやすいように普段からコミュニケーションを取ることも重要です。
また価値を最大化するというのはコミュニティの中の人同士の交流や中と外の人の交流の橋渡し的な役割をすることで、そのコミュニティや中にいる人の魅力・価値を最大限生かす仕事でもあるそう。

コミュニティマネージャーのシゴト役割

コミュニティに関わるお仕事はコミュニティマネージャーだけではなく沢山あり、その中でも経営寄りの視点を持ったお仕事と運営寄りの視点を持ったお仕事があるのですが、コミュニティマネージャーなんとその間!
両方の視点を兼ね備えていなければいけないそうです。

他の専門職と違い、コミュニティマネージャーは他の役割の人の働き方・動きも含めてマネジメントする必要があるため、どちらの視点も必要になるのです。

コミュニティマネージャーのシゴト分野紹介

またコミュニティマネージャーは他の役割の人のマネージメントも担うため、全体を通して関係する分野の知識は最低限抑えておく必要があります。
コワーキングスペースは特にコミュニティの持続性の担保やマネタイズのために経営学を、より良い作業環境や交流促進の仕掛けづくりのために建築学・デザイン学、心地よいコミュニケーションや心理的安全性のために社会学・心理学、また一見関係無いように見える自然科学も関わっているのです。そのお話は後ほど。

コミュニティマネージャーとして持つべき要素

コミュニティマネージャーには知識だけではなく、心持ちも重要です。
コワーキングコミュニティという様々な業種、考え方の人が交錯し合う集団の中で、どのような点を抑えれば良いのでしょうか。

コミュニティマネージャーのシゴト要素

会員利益第一
会員さんのために動く。どんな環境だったら作業しやすいか、会員さんから見づらいところに大事な掲示物が貼られていないかなど細かいところにも配慮する。これはコミュニティマネージャーだけでなく、他のスタッフの行動指針にもなってきますので明確に持つ必要があります。

物語指向
アウトプットやプロセスだけでなく、その場ができた全体が会員さんの中で語り継がれていくこと。コミュニティの良さが伝統として残り、自走していくような関係性づくりを目指します。

バランス追求
常にコミュニティ内と外の関係・パワーのバランスを取る。公と私の切り分けという意味でセルフマネジメントも重要になってきます。

参加主義
コミュニティの参加軸として、能力や立場ではなく、そこに参加している同じ参加者同士だという意識が重要。同じコミュニティにいる以上、常に公平な目を持ち、差別が無いように間を取り持つことも必要です。

安全意識
悪いことが起きないのが理想ではありますが何事にもアクシデントはつきものです。何かが起きるかもしれないという前提のもと、誰もが心身ともに安全に過ごせるように配慮やリスクヘッジを心がけましょう。

コミュニティマネージャーをどう評価するのか

大前提として、コミュニティの成果は定量化しにくく、新しい職種のため評価基準がないので評価基準を自ら作っていく必要があるようですが、どのようにコミュニティマネージャーの働きを評価するのでしょうか?
コミュニティマネージャーの業務とまとめて見ていきましょう。

コミュニティマネージャーのシゴト評価

コミュニティマネージャーは考えることも多ければ実際に手を動かしたり、スタッフに対して指示を出さなければいけないことも沢山あります。
第1回目の授業でも少し触れた、6つに分けられる業務です。

これらはさらに大きく分けて
戦略業務(赤枠) と 実務業務(青枠) の2つに分けられます。
経営寄りの視点が必要になる戦略業務には戦略策定と財務管理広報があり、運営寄りの視点が必要になる実務業務には施設管理メンバーマネジメントイベント企画/実行セルフマネジメントがあります。

そもそもコミュニティはマネジメント出来るのか

今までコミュニティをマネジメントするお話を続けてきましたが、そもそも参加主義であったり多種多様なコミュニティは人為的にマネジメント出来るものなのでしょうか。これに関して講師は「コミュニティはマネジメント出来ないという諦めも大切」と語ります。
ここで重要なのは単に諦めることが大切なのではなくて、諦めるという選択肢を持つことも大切だということ。コミュニティマネージャーもコミュニティの中にいる一人の人間なので、なんでもマネジメント出来ていると勘違いすることこそ危険だそうです。

ちなみに皆さんは風が吹けば桶屋が儲かるという言葉をご存知ですか?
この日本のことわざは物事が回り回って全く関係のなさそうなところに影響を及ぼすというたとえですが、似た言葉で”バタフライ効果”というものがあります。

コミュニティマネージャーのシゴトバタフライ効果

少しの変数で結果が全く変わってしまう、小さな動きが大きな変化の原因になることを表しており、コミュニティをマネジメントするということはまさにこのバタフライ効果のように良くも悪くも小さな一つ一つの取り組みがコミュニティ全体に影響を及ぼす仕事です。そのため、コミュニティはマネジメントしきれないものだという諦めと危機感を持ちましょう。

どのようにマネージすればいいのか

コミュニティマネージャーのhurakutaru

ここでコミュニティマネージャーが扱う分野で紹介していた自然科学についての話がやっと登場します。"コミュニティの形成はフラクタルの法則と似ている"とはどういうことでしょうか?
フラクタルとは幾何学の概念で図形の部分と全体が自己相似(再帰)になっているものを指し、自然界では雪の結晶や葉の葉脈など小さな単位・形の反復で全体の形を作っているものの規則性をフラクタルの法則と呼ぶのです。

コミュニティにおけるフラクタルの法則とは事前に仕込んだコミュニティ内での最低限のルール、小さな行動原則の動きや効果がコミュニティ内で増幅していくことで文化や交流の場が醸成されることと考えます。

このフラクタルの法則に繋がる取り組みとして、講師の高輪さんはコワーキングスペースであいさつを心掛けているそうです。
”あいさつ...?”と思うかもしれませんが、コミュニティマネージャーから始まった当たり前のあいさつをみんながするようになり、一言と言えど毎回会話があることで交流しやすい環境に繋がることもあります。

まとめ

1時間にわたりお送りした第2回の講義はコミュニティマネージャーの中でもコワーキングスペースのコミュニティマネージャーについて基礎から業務の詳細、評価基準まで学びましたが大事なことはこの4つ。

コミュニティマネージャーのシゴトまとめ

よく話に出てくる心理的安全性って具体的に何のことを指すの?コミュニティを実際に作ってみよう!についてはもう少し先のお話...

次回の講義について

第3回 7/15(木)『コミュニティにおける心理的安全性』
『人は一人では生きていけない。無意識でも必ずどこかのコミュニティに属していて、そこで何かしらの影響を受けているのでは?』という観点からコミュニティが個人に与える効果について学ぶ。
なぜ心理的安全性が健全なコミュニティ運営にとって大切なのか、そしてどうしたらそれを担保できるのか、学術的な側面からの学びと実際の現場での学びの両側から考えていきます!

講義キーワード
・良い(健全な)コミュニティってなんだろう?
・なぜ心理的安全性が健全なコミュニティに必要なのか
・実際に心理的安全性がないところではどんなことが起こるんだろう?
・どうしたら心理的安全性が担保できるのか。

受講生の皆さんにはゼミ室やメールでご案内の連絡をしますので、ご確認ください!


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