ソシャゲ沼に吸い寄せられる者たち
きっかけは帰国して自宅待機の2週間で何気に「ドラゴンクエストタクト」をインストールしてみたことだった。
そこでソシャゲ沼にハマった筆者だが、2021年にはゲームを削除しては復元の繰り返しをしていたりする。
そこで気づいた。
「あれ、これソシャゲ依存じゃね?」
(自分で依存症を認識できる人は少ないので筆者はエラいな。)
ということで今回はソシャゲを中心に依存についてかなり調べたので「これがソシャゲ沼のワナだ!!」というものを書いてみたいと思うよ。
ちなみに2022年からWHOは「ゲーム障害」として国際疾病分類の1つに認定するそうなので後半は依存症についてちょっぴり真面目に書いていく。
集まる愛しのモンスター達
↑筆者の手によって芸人の名前に変えられた哀れなモンスター達
世の中にはフィギュアやワイン、車や本などを集めたがる人がいる。
ソシャゲではミッションをクリアしたりガチャをすることでそうしたモンスター達が手に入るようになっている。
そう、コレクションは欲求なのだ。
↑スカウトで手に入れたキャバクラみたいなパーティ
筆者はゲームごときに課金をすることは一生ないが、「集めるためにお金を払う」は欲求なので”限定キャラ”みたいな言葉に踊らされた人はこうしてソシャゲ沼へとハマっていく。
「だって、イベント期間中にキャラを手に入れなければ置いてかれる...」
→ 置いてかれません。集めようが集めまいが人生は変わりません。
ガチャは博打魂に火を付ける
タクトではスカウト(くじ引きでモンスターを獲得する)があり、ジェムと呼ばれる貴重な石を使ってくじ引きができる。
貴重なものを賭けるギャンブルは欲求なのだ。
「目に見える貴重なもの」を費やして「目に見える貴重なもの」を手に入れる作業は、太古の人類が時間をかけて作った石斧で貴重な獲物を捕まえるがごとくリスクの先の成功報酬の喜びを味わえる。
しかもスタンプまでついているから「次こそは...」という気持ちにさせてくれるのかもしれないな。
→ その「次こそは...」の気持ちを資格取得の勉強とかに使おうぜ。
スタミナ消費という謎の使命感
ソシャゲには「時間が経過しなければ手に入らないもの」が設計されているのだが、そうするとそれも貴重なものとなる。
ドラクエタクトの場合は5分でスタミナが1たまりそのスタミナを使って冒険に出かけることができる。
すると「せっかく溜まったスタミナが溢れる前に使わなきゃ!」という我々のもったいない精神を弄んだような気持ちにさせるのだ。
そう、無駄にしたり損したくないは欲求なのだ。
すると結果的に別のことをしていても「そろそろスタミナ溜まったかなぁ」と常にソシャゲのことを考えるようになってしまうのだ。
イベントに関しても「あとO日」みたいに表示されてるので、イベントが終わるまでにやり込もうと思わせるのだろう。
→ むしろそんだけ時間使って作業してるんだから給料欲しいくらいだぜ。
ミッションという多忙生成装置
ソシャゲはミッションを達成することでその世界での報酬を獲得することができ、それを使ってキャラクターの強さを上げることができる。
ミッションには手軽に達成できるものからレベルを上げなければ達成できないものもあり、誰もが何かしらのミッションを目指しながらプレイできる。
時間をかけて手にできる達成感は欲求なのだ。
当然、時間とお金をかければ達成できるミッションが増え、さらにミッションをクリアすれば次なるミッションが現れてくるから終わりがない。
さらにソシャゲにはランキング表示があり、自分のランキングが上がることで報酬が上がったり自己顕示欲みたいなものが満たされるのだろう。
とはいえ達成感や自己顕示欲のようなものをこの小さなスマホ画面上で満たしてそれで満足なのか?と自分に問いたくなる。
→どんだけ達成しようが自分の能力は上がらない事に気付くんだ。
ハマった時の気持ち良さ
ガンホー会長の孫泰蔵さんがパズドラを作る時「パズルを動かすときの気持ち良さを作るのに数ヶ月を費やした」という話を聞いたことがある。
つまり、ゲームそれ自体が気持ちよくなるように設計されていて、実際スマホ自体がスロットマシーンの反応などを参考にして作られていたりする。
敵を消滅させた時などの音や感触、爽快感は欲求なのだ。
さらに事が計画通りに進んだり作戦を練ってそれがうまくハマった時などはその爽快感は4割増しくらいに感じられるのかもしれない。
そうした戦略や戦い方というのは将棋や囲碁もそうだが、他人がどうやって攻略するかを知る楽しみもあるためお互いに教え合うコミュニティができていく。
→キマった時の爽快感を別のところで見つけるんだ。
依存 = 悪とは限らない
例えばピカソは生涯で15万点もの絵を描いたそうだが、「ピカソは絵描き依存です!」と言われても「それは良いんじゃね?」と思う人は多いと思う。
つまり、依存することで悪い影響があるものと良い影響があるもので分かれるのだろう。
数年の時間と大金を注ぎ込んで何も残らない人もいれば、ソシャゲをアートやネタに昇華したり知能を育成したり、仕事やゲーム配信として生計を立てる人もいるからね。
一流のクリエイターとかって作ること依存症なんじゃないかな。
それをすることで誰かが困るのが悪い依存、誰かの役に立つのが良い依存なのかもね。
そしてこの記事ではソシャゲ依存に関して「これ良い方向に向けられるのでは?」という要素を紹介していくよ。
依存症になる人ってどんな人?
その前に、なんで僕らは依存症になるのでしょうね。
酒にタバコ、パチンコや性行為、特定の食べ物や薬物に犯罪行為など、僕らの周りには依存症になるものがゲーム以外にも大量に存在している。
とはいえ人によって依存症になる人もいればそうでない人もいるし、病院では純度の高い麻酔やヘロインを患者に打ってたりするが「うちの婆ちゃん退院したらジャンキーになってた!」という人もいないと思う。
そこで依存症になる人はどんな人かを調べてみた。
まず、ゲームを例にとると厚生労働省の調査いわくゲーム時間が長いほど「ゲームをやめるべき時にやめられなかった」と答えたりしていて、その他の依存症も時間や回数が増える事に依存性は高まっていくようだ。
簡単に言えば、ゲームをやればやるほど依存性は高まるよ、、、と。
ちなみにこれを心理学では”強化”と呼んだりする。
「当たり前じゃん!」と思うかもしれないが、これは言い換えれば勉強であってもやればやるほど依存度が高まるということでもある。
でも、なかなか「ゲームの代わりに勉強を...」なんて思えないし、そんな事ができれば誰しもが勤勉になれる。
ここでモチベーションの話に移ろう。
ヘロイン入りの水を飲まなかったネズミ
有名な実験がある。
通常の水とヘロイン入りの水を入れた檻の中にラットを一匹入れたところ、ラットはやがてヘロイン入りの水を好んで飲むようになりヘロイン依存症になったそうだ。
今度は同じように2種類の水を準備したのと同時に、遊具や異性のラットやチーズなどの餌を入れる。するとそこでヘロイン依存症になったラットは一匹もいなかったそうだ。
つまり、哺乳類や我々人間は「何かとの繋がりを持ちたい」と強く思っている。
そしてヘロイン依存症になったラットというのは質素な檻に入れられた結果、孤独や不安や退屈を強く感じヘロインにのめり込む事になった。
つまり、僕らは「孤独や退屈を紛らわせるものに依存する」ので、毎日の生活でそう言った感情をかき消してくれるような人間関係や没頭できるものを見つけることが大切なのだろう。
まとめ
ということで、側から見れば「そんなゲームに依存してるの?」とか「そんなことしてくだらない」なんて思うかもしれないが、「孤独を打ち消す繋がりをそこで手に入れているのだ」という事が理解できたかと思う。
そう考えるとかつては「食料を手に入れる」とか「作物を作る」というのにかなりの時間も協力も必要だったので、毎日何かしら繋がりがある状態だったのだろう。
実は現代ほど繋がりが少ない時代というのも珍しいのかもしれない。
という事でそろそろ筆者はモンスターのレベル上げをしたいのでこの記事はこの辺で終わりにしますよ、、、(⁰▿⁰)
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