紫のアストロナッツ｜Being in and out

ごめんね
笑ってしまったよ
過剰な宇宙人に遭遇したみたいで

その不穏な美しさを前に
私の細胞は爆発してしまったんだ

はじかれそうな紫に手を伸ばせば
甘い香りに窒息してしまったんだ

肌をなでまわす琴音のスケールは
地平線に消えながら
私の中を撹拌してしまったんだ

限りなく増殖していく紫の銀河は
太陽の轟く笑い声に我に返り

やっとここにたどりついて
ため息をつく

初めて地球に降り立った
宇宙飛行士のように

そう、私は大自然の美しさを前にすると、意味不明になる。我を忘れて精神が彼方へと拡散してしまうのだ。住人が不在の空っぽの体に起こるのは、植物とのセンシュアルな歓合。生き物の世界は過剰に濃密な生命力を与え合う。その一部に埋没することが私の喜び。

(photo: mikarin)