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中西美雁の日々是排球 バレーとピアノの類似点って?

ノートの使い勝手がまだいまいちわかってない私です。今回のお題は「バレーとピアノの類似点って?」。

覚えている方がどれくらいいるかわからないが、「私がバレー記者になったわけ」で、私が子供の頃からバレーが好きだったにもかかわらず、自分ではプレーしなかった理由が、「ピアノの先生に反対されたから」と書きました。ピアノは3歳からお友達のたか子ちゃんのマネをして始めたのですが、小学校からついた先生は結構厳しくて、楽典とか旋律聴音とかいろいろコドモにとってはおもしろくないこともやらされ、習う曲もバイエルが終わってもツェルニーとかブルクミュラーとか、とにかく運指の練習みたいな曲ばっかりやらされてたんですね。先生はどうやら私を音大に…という野望もあったみたいなのです。

が、自分もそれなりにそういう気になってきたものの、一気にその目標が潰れる出来事がありました。運指の練習みたいな曲がやっと終わって、誰でも知ってるような曲を弾かせてもらえるようになったのです。ショパンとか、リストとか…(ミーハーですみません)。しかし、しかしですよ! 私は身長は日本人女性の平均というか、佐野優子ちゃんと同じ159cm(余談ですが、佐野ちゃんとは誕生日も同じなのです! あ、生まれた年は全然違います…)なんですけど、手がちっちゃいんですよね。小指の先から親指の橋までぐわーーーーーーーーーーっと伸ばしても、1オクターブが届かないんです。正確には、鍵盤の横っちょ…側面?手前側なので前面?に引っ掛けるようにしてなら、なんとか1オクターブ届きます。だけど、普通に上から弾くポジションだと絶対隣の鍵盤も一緒に押しちゃうんです。

乙女の祈りの最初の「ちゃんちゃちゃんちゃちゃんちゃちゃんちゃ♪」とオクターブごとに動くフレーズは、全部先程説明したように鍵盤の前面に引っ掛けながらなんとかやっつけました。だけど、ショパンとかリストの曲って、ぐわーーーーーーーっと手のひらを伸ばしきって、前面から引っ掛けて、やっと届いた!次の音符は? ……それより鍵盤2つ先だった…みたいなのばっかりなんですね。つまり、物理的に弾けないんです。なんか指と指の間の水かきみたいな部分を切開するともうちょっとだけのびるらしいんですけど、そこまでしてやることか??というか多分そこまでしてもそんなに鍵盤2つ先まではのびないんですよね。。。ピアノの曲には「難易度」というのがあって、Aから順についてるんですけど、難易度がAでも、1オクターブ以上の和音がある場合は、私は弾けない。難易度Cでもそんなに開かない和音しかなければ弾ける。

これは、「はー」って思いますよね。で、要はつまり、バレー選手もきっとそうなんだろうなと。どんなに練習を一生懸命頑張っても、手がでかいやつには勝てないんですよ。物理的に。スラムダンクの名台詞に「でもお前の身長をでかくすることはできない。でかいことは才能だ」みたいなのがあったと思いますが(うろ覚え)、でかさだけじゃないといっても限度があるし、でかいほうが有利なのは間違いがない。ピアノにリベロというポジションはないので、手がちっちゃい人が救われることはないのでした。

今は「ハイキュー!!」が全盛ですけど、二昔前くらいは男子バレー漫画といえば、「健太やります!!」というのがいちばん有名でした。朝日健太郎先生も「ナイアガラアタック!とかやってましたよ」と言ってましたし、加藤陽一王子様も愛読者だったそうです。でもプリンス加藤さんは「連載の最後に健太がいきなり身長が伸びるじゃないですか!あれはあんまりな終わり方でしたよ」ってプンスカしてました。「言うてもあなたも190あるやん」と思いましたが、バレーの世界で190は決して大きくはないので、プリンス加藤は健太が小さいながらもどうやって活躍するのかワクワクしてたんでしょうね。「裏切られた…」と思ったらしいです。。。

のだめカンタービレの「のだめ」さんはきっと手が大きいんだろうなーと思いつつ。リベロという制度ができたのは、あまり大きくない選手にとっては救いだったでしょうね。元JTの3倍速い赤いやつこと山本コテツさんも「わしのためのポジションができたと思ったけえ」と言っておられました。「それまでは多くても1セットにつき後ろ3ローテしか出番がなかった。それが1試合まるごと出られるようになった」と。ただ、高身長の欧米勢に有利になったとも言われてますし、子供の頃からリベロ制を入れていると、そんなに大きくない選手もレシーブをしなくなってしまうという弊害も言われています。小学生のうちはリベロ禁止という提案もあるみたいですね。

普及という面からすれば、「身長が高い人達だけのスポーツ」にしてはいけない。だけど代表の強化には高身長の選手の育成が必須。いつも折り合いが難しいなと思いつつ自分のちっちゃい手を見るのでした。

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