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ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー 感想

こんにちは^ ^
今回は先日公開されたブラックパンサー/ワカンダフォーエバーを公開日に観ることが出来たので感想を書いていきます。


ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー

率直に言うと全く好みではなかった

箇条書きが増えると思う。

まず大前提に故チャドウィック・ボーズマンへの批判ではない。
彼に、そしてこの作品を企画し関わった全ての人に心からの追悼と敬意を表します。

序盤をあらすじ風にまとめると、

サノス軍との大戦後。
国王ティチャラ/ブラックパンサーを失ったアフリカの国ワカンダは悲壮感に溢れ混乱期に突入。
ティチャラの母が女王として国を収めるも何となく怪しい雰囲気。
国の守護者を失い、一応ワカンダのみで採掘されるとしている「ヴィヴラニウム」を巡る国同士の摩擦が起き始めていた。
そんな時、ワカンダ以外にも海底にあるとされていたヴィヴラニウムを発見した操作チームが謎の集団によって抹殺され、当然ワカンダ人が疑われてしまった。
ある時ティチャラの妹・シュリと女王が2人川沿いで話をしていると突然謎の男が川から出てくる。
彼の名はネイモア。
数日前、海底ヴィヴラニウム採掘チームを壊滅させた集団のリーダーであり、海底にある国・タロカン王国の国王。
彼は自分の国が地上人に犯されたことを怒り、事の発端となったとヴィヴラニウム探知機を作った科学者を探し連れて来いという──。


アメコミ映画らしいストーリー展開だ。

しかしいつまでも面白くなることなく終わってしまった。
半分以上の時間、画面がほとんど真っ黒。その上長尺。

守護者の不在、ティチャラの喪失をどう描くかが楽しみであった。しかし目にしたものはティチャラという存在を高く高く上げ、彼の引っ張ってきた国や国民は低く下げられる。
具体的に言ってしまえば、シュリも女王もエムバクもナキアもオコエも何もかもがどこか抜けていて軽率で無能かのように描かれていた。実際女王の過激な発言やオコエのおちゃらけ、シュリの身勝手さなどが目立つ。
誰一人としてティチャラをリスペクトし行動に移そうとするものが存在しなかった。
表ではティチャラの死を悲しみ喪失に苦しみながらも中身は彼を失う前と何も変わっていない。
個人的には全員が抱えるであろう喪失を様々な立場や状況下で乗り越えていく姿が見たかった。

ティチャラなら全て難なくこなしていたのだろう、と言わんばかりの出来事の様々は彼が本当にもう存在しないことを強く見せつけるのと同時に現存キャラクターの弱さを示していた。

キャラについて。

シュリ

彼女は基本ユーモアに溢れ元気な性格だ。
実際探知機の作成者を探す時もオコエとのコンビで様々なネタに溢れる掛け合いをしていた。しかし彼女はよく軽率な行動をする。「ブラックパンサー」での儀式の邪魔などが思い当たる。
はっきりいって痛々しいくもあるのだがそこが愛らしい。
しかしそれはティチャラが生きているうちのこと。
国の危機であるのにもかかわらず保護人(人選ミス)であるオコエの制止を聞かず勝手に単独行動に出る。
その結果FBIに囲まれ海底人に連れ去られる。
ワカンダの危機を原因を作ったのは彼女自身である。自業自得と言ってもいい。

父の死、兄の死、母の死、を経験した彼女の喪失の矛先は偶然にもネイモアに向く。
復讐に燃える。

一見はキルモンガー路線である。
しかしキルモンガーに自業自得さはひとつも存在しない。負の連鎖が生み出した悲しきモンスターである笑
似ているようで全く似ていない。
生い立ちも似ているネイモアがキルモンガーポジションなのではないだろうか。
きっとシュリはただ単に兄と自分とのギャップに気が付かないうちに押し潰されていたのだ。

兄があれだけ活躍していたら誰でもそうなる。

そして身勝手なのはシュリだけではない。女王もオコエもナキアもだ。

女王

国を守るために他国を威嚇し良いリーダーであろうとしながらもやはり母親、娘がさらわれた時は明らかに戦争を起こしてしまうような軽率な行動をしタロカンを怒らせる。
ワカンダでは何人もの死者が出たであろう。彼女の早まった行動によって。
これもティチャラなら冷静に判断していたに違いない。こう思う度に残念になる。
そんな女王が亡くなってもあまり心に響くものは何も無く、ただ終盤のシュリの改心を描くための一コマに過ぎないと思うとさらに残念になる。

アイアンハート

めちゃくちゃ嫌い。
突然現れた天才。
ネタ枠ぽい。
ケイトビショップやミズマーベルとキャラが被っている。おもんないネタキャラは嫌いだ。
ここ最近のmcuはふざけているネタ枠という位置のキャラクターが多すぎる。特に女性に。面白くない、そのノリ。
アイアンマンを想起されるスーツ、AIの配置丸パクリのくせにアイアンマンやトニースタークに対する直接的な言及も描写も無し。
通っているのはMITだったっけ。唯一の共通点はそこしかない。元ピーターパーカーフレンズとの絡みは少し気になるが。
ティチャラと同じ故人であるトニースタークへの敬意を全く感じなかった。
本作は全体的に突拍子もないキャラの登場が目立つ。
彼女の薄っぺらい設定は今後ドラマ「アイアンハート」が控えてるからというのをプンプン感じてしまいとても好きになれない。雑すぎる。

オコエ

ふざけすぎ。
ラスト、これ以上ワカンダを追い詰めるようなことをしないでくれ。

ナキア

ブラックパンサー以降消息不明だったのにいきなり出てきて「実は息子います!」

ちょっと無理がある。

結末について

復讐に燃え、ネイモアを殺すことだけを考えていたシュリは致命傷を負い改心する。
ネイモアを殺さず、降伏という道を与え戦争は集結した。
憎しみは血を生む。やっとティチャラ的思考になった、と思いきや国を捨てる。

そして何故か脳筋エムバクが後継人。
彼はティチャラの元ライバルとしてシュリをサポートするべき立場だった。エムバク自身そう言っていた。
戦争を阻止することだってできたはずだ。さすが脳筋という感じ。ただ暴れただけ。王の器ではない。

意味不明。

シュリは復讐に燃えた自分が国王にふさわしくないと思ったのだろうか。ティチャラもそうだったではないか。
「シビルウォー」を思い出せばわかる。
改心した後に何をするか、喪失を乗り越えた時初めて王の器になれるのではないだろうか。
そしてなぜこれを許したのか。
王をエムバクに譲ったのならなぜ最後にナキアとティチャラの子供「ティチャラ」を登場させたのか。
一筋の光?
ワカンダフォーエバーという言葉とは真逆の道を辿っている。
ヴィヴラニウム採掘チームを皆殺しにしたとされていること、ワカンダで起きたこと全てが内戦ということになっていること、逮捕されたロスを逃がしたこと、国連に非協力的だったこと、全てが積み重なり、ワカンダは様々な国に攻め込まれてしまうのではないだろうか。

めちゃくちゃワカンダの終焉を感じた。

その他

アクションシーンの鬱陶しいスローモーションが妙にイライラさせてくる。
オコエ達の新衣装がダサい。
ネイモアのビジュがダサい。コミックの方が好きだ。
鼻栓が気になる。
羽もがれた時の声がネットミームになりそう。

まとめ

誰一人として物事を冷静に考えることなく、軽率な行動をし、アップデートもされておらず「ブラックパンサー」で見せてくれたワカンダ特有のパワーや偉大さもない。これまで驕り高ぶっていた、守護者に頼りきっていたワカンダ人に対する罰なのだろうか。
それを薄々感じてしまうほどに因果応報であり、ワカンダの混乱期はまだまだ続くだろう。

フェーズ4は大切な人の死を乗り越える、ということを描いていたはずなのに本作は少し違っていた。
乗り越えれない者もいる、ということなのだろうか。

希望を残しているかのようで実は何も残っていない。
秘密にしていたティチャラ二世もきっと世にバレてしまうだろう。

ブラックパンサー無しにワカンダは無力ということを見せつけられただけの悲しい映画だった。

所詮は即席キャプテンことUSエージェントを作ったアメリカと似ている。

はぁ。ワカンダ…あんたらフォーエバーする気ないでしょ。

急いで書いたから意味不明の文章。

乾燥させられるネイモア

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