双璧の誓盟 第七話 探査(三)
花茶への興奮をたちまち美男子の方へ切り替えた娘たちは、「も、もちろんですっ!」と叫んで自分のすぐ隣の椅子をカエルムに勧めた。礼を言ってカエルムが座ると、もう一人が「あっ」と羨望と妬みを露わに顔を顰める。しかし目の前の青年が話の邪魔を詫びれば、即座に不満顔を恥じらい混じりの笑みに変え、遠慮がちを装って話し始めた。
「えぇっとぉ、お兄さんも雪見花の効能とか気になるんですか?」
「いえ、単に茶の類が好きでして。雪見花茶は手に入りにくいですから試してみたいと」
嘘つけよ、とロスは