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創作大賞応募作品 シリアス・ハイファンタジー 天空の標

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創作大賞応募作品『天空の標』  森に守られたシレア国では、先頃より先王と母后が相次いで逝去した。王位継承者第一王子カエルムは即位を前に側近のロスと近隣諸国訪問中である。  海に…
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記事一覧

天空の標 第四十五話

第十四章 鳴動(三)  水道は次第に狭くなっていく。渡り廊下の下は、やっと小舟一つ通れる…

蜜柑桜
9時間前
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天空の標 第四十四話

第十四章 鳴動(二)  窓の桟を軽く蹴って、カエルムは宙に身を投げた。視界の右側に例の不…

蜜柑桜
10時間前
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天空の標 第四十三話

第十四章 鳴動(一)  ロスは窓辺に駆け寄り、大鷲の脚から書簡を手早く取った。組紐から解…

蜜柑桜
12時間前
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天空の標 第四十二話

第十三章 真意(三)  差し迫った問題を真剣に案じるカエルムとは対照的に、テハイザ王は心…

蜜柑桜
23時間前
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天空の標 第四十一話

第十三章 真意(ニ) 「貴殿の訪問の申し出を好機ととらえました。私がシレアと友好を強化し…

蜜柑桜
23時間前

天空の標 第四十話

第十三章 真意(一)  その人物は、窓の外に広がる大海を背に三人を真正面から出迎えた。長…

蜜柑桜
23時間前
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天空の標 第三十九話

第十二章 抜刀(三)  通路はなだらかな弧を作りながら下方へ向かって伸びていた。向かっていく先は城の最南端。白亜の石灰石でできた壁に窓はなく、他の廊下に比べるとひんやりとした空気に満ちている。絨毯や布製の装飾が皆無のせいか、靴音が四方の壁にぶつかって反響を繰り返し、立体的な響きとなって狭い空間に広がる。 「先ほどは助けて頂いてありがとうございます」  クルックスは落ち着きを取り戻したようだった。走りながらロスに顔を向け小さく頭を下げる。 「礼を言うのはこっちの方です。逃げ場

天空の標 第三十八話

第十二章 抜刀(二)  鋼のぶつかる音が空気を震撼させ、硝子が小刻みに鳴った。その音が鼓…

蜜柑桜
1日前
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天空の標 第三十七話

第十三章 抜刀(一)  カエルムの発言に、居並ぶ全員が息を呑み、驚愕が室内を支配した。凍…

蜜柑桜
1日前
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天空の標 第三十六話

第十二章 秘事(三)  翌日、待たされることしばらく、昼を過ぎた頃にようやく大臣自らが客…

蜜柑桜
2日前

天空の標 第三十五話

第十二章 秘事(ニ)  その光源は下方、ちょうど二人が立つ場所の真下から——すぐ下の部屋…

蜜柑桜
2日前
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天空の標 第三十四話

第十二章 秘事(一)  細く開けた扉の隙間から周囲に人がいないのを確かめて、カエルムは廊…

蜜柑桜
2日前
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天空の標 第三十三話

第十一章 誘惑(三)  甘くとろけるような女性の問いかけから数秒後、カエルムは吐息ととも…

蜜柑桜
3日前
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天空の標 第三十二話

第十一章 誘惑(二)  妖艶、というのがその人の第一の印象である。  一本だけ灯した燭台が、人物の顔を照らす。南方人らしい明るい肌色の女性だった。化粧を施した顔は類い稀な美しさであり、紅をさした唇は薄暗い部屋の中でいっそう艶かしく目に映る。肌を透かすほど薄い絹織の衣はひたと肌に添い、黄昏時の空を思わせる紫の布越しに、丸みを帯びた魅惑的な女性の体の線を露わにしていた。  蝋燭の焔を受けて艶やかに光る髪は長く、背中に這うようにしてくびれた腰の位置まで流れている。肩にかける薄布や