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「諦めながら生きている」

友達でも、好きな人でもそうなんだけど。
誰かと仲良くなっていくとすごい楽しいじゃん?
連絡先を交換して、連絡する日々が増えていって、会話も増えて、お互いの知っていることも増えて、もっと話したいなぁってなるじゃないですか。
そんな毎日がとても楽しいわけですよ。
でも、相手が自分に対して好意を持っているなとわかっている一番楽しい時期に、「あぁ楽しいのに。こんな日はどうせいつかは終わるんだなぁ」とずっと思っている自分もいるのです。
誰にも選ばれなかった人生を歩んできたので、なんていうかそこのコンプレックスが半端ない。
関係が終わった時の辛さを考えて、思い出してうんざりする。
私はたぶん人に依存しすぎなんだろうなぁと。
今まさにまたそんな気持ちになっているところでして。しんどいですね。

好きにならないようにしている会社の年下のかわいい男の子である営業のBくんと仲良しなんですよ。これちょっと前にもここで書きましたけども。
(「会社の年下の男の子がかわいいので好きにならないように欠点を探している」という記事のやつな)

特に去年の夏くらいから仕事が異常に忙しくて毎日遅い時間まで残業する羽目になっていて、帰る時間が同じになればよく一緒に帰っていました。
この前もまた一緒に帰っていたんですが。
そのときBくんが「今度の週末に前に〇〇(私)さんが行きたいって言ってた新宿のお店(MLBのグッズ専門店というクソ色気のないお店)に行きましょうよ」とか言うんです。

えー。
なんで休みの日まで私と遊んでくれるんだろうって。
びっくりした。

週末なんていつも暇だし思わず「うん」って返事をしたけど。
なんでわざわざ車出して迎えに来るという手間をかけてまで会ってくれるんだろう。
そりゃそのお店に行きたいって話はしたよ。でも帰り道の途中だからさ、はやく帰れた日に寄りたいんだよねっていうね。そんな感じだったじゃん。
びっくりする。
週末にたまたま家族がいなくて暇だからなんだって。いやでもじゃあゆっくり休んでなよと私は思うんだけど。会社で会うたび「疲れたー」しか言ってないじゃん君は。
疲れてんだから家で寝てなよ。と、言おうと思ったんですよ、一応。でもね

「せっかく新宿に行くんだからその後に新宿御苑に行きませんか」だって。

お、おう…。いいと思うよ。この前からずっと桜について熱く語ってたからな、我々は。
彼はどうしても桜の時期に新宿御苑に行きたいらしくて、この前会社帰りに千鳥ヶ淵の夜桜を見に行ったときもそんなような話はしてた。でも休みの日にまで行くってさ。
車でうちの近所まで迎えに来てくれて、お昼ご飯を食べて、私の行きたいお店に行って、新宿御苑に行って桜を見るんだって。
そんなのただのデートじゃね?どう考えても。

どう考えてもだ!すばらしい!ただの!デート!だ!

なんなんだろ。うれしいけど。私はいいんだけど。かわいそうな私はいつも暇だから。でも彼は別に暇じゃないわけよ。だって既婚者だもん。家庭があるじゃん。奥さんもいるし、子どももいる。
なんで休みの日まで私に構ってんだろうか。

いろんな話が出来て、すごく仲良しの年下の男の子が友達みたいでうれしいなーと思ってるのに。きっといつかそうじゃなくなる。彼は友達ではない。会社の人だ。もちろん私の彼氏でもない。だからどうせ話を全然しなくなる日が来る。彼はいつか私にウンザリする。それがわかる。久しぶりにたくさん話を聞いてくれる年上の女の人と話すのが楽で楽しいだけ。ぜんぶわかる。
だから遠くない日に、また私は取り残されてしまう。
あー。
ホントやだな。

私は会社の年下のかわいい男の子であるAくんとBくんと仲良しで、両者それぞれとふたりで飲みに行ったりもするんです。そのたびにBくんは「〇〇さんはAさんと僕には甘やかされていいんですよ」っていつも言うの。なんでいいのかはわからないけど。確かに甘やかされている。でもAくんとは休みの日まで会ったりはしないけどな。
BくんはAくんを利用して私と仲良しでいることを正当化している。〇〇さんに構ってるのは僕だけじゃないですよ、特別じゃないんですってたぶん自分自身に言い聞かせてるんだな。わかるよ。そうなんだろ。甘えてるのは本当は君の方だからな。
きっとBくんは私のことがちょっと好きなんだと思う。
でもそれが本当の気持ちになってしまったら取り返しつかないでしょ。
仕事では私はすごくBくんに厳しいことを言うけれど。それ以外ではとても優しい。話すことや送るラインはめちゃくちゃ優しい。彼に限らず、私は自分が味方だと思っている好きな人間に対しては異常なほど尽くすタイプだから。貰って嬉しいだろうなと思う言葉をいつも考えて送っている。要するに気持ちがとても溢れてる。(つまり重い)
だから私もBくんのことをちょっと好きなんだと、Bくん自身も気付いているはず。
だいたい、お互いに好意がないと会社の人をわざわざ休みの日まで誘わないだろ。誘う方はたぶん「いいよ」って言われることが分かって誘っているから。
もっと若くてさ、彼も独身でさ、そんな世界線だったなら、こんなふたりだともう絶対に付き合うだろうなと思う。羨ましいわ、どこかの世界線でいるだろうこの人たちが。

この感情がもうすぐに消えてなくなっても、一時の気の迷いだと気付いて彼の目が覚めても。
1年前と同じようにただの気心の知れた仲良しの同僚であり続けられたらいいんだけど。きっとそんなの無理だと思う。
彼には家族がいるから、家族の良さを思い直してこの先の人生も滞りなく暮らして行けると思うけど。私には何もないから。また選ばれなかった自分を思って死ぬほど落ち込んで「諦めながら生きている」を座右の銘から外せずにしんどい日々を生きるしかない。
こんな風に思うのが嫌だから、人と距離を縮めることがもうずっと出来ない。
新しい友人を探すこともしたくないし、恋人を欲しいと思うこともなくなった。

どうせ手に入らないから。初めから欲しいと思わなければ。
いつかなくなると思わなくて済む。もう傷つきたくないから。殻に閉じこもりたい。

「あのお店に行きましょうよ」って言われたときに
「え、なんで?付き合ってもないのに?奥さんに悪いよ?」って言えばよかったの?
そんなド正論言える人間なら、こんなところでめそめそと独り言を書いてなくね?
そんな強い心を持っていたら、諦めながらなんか生きていないわ。
自分でもわかってるの、そんなこと。年上のお前が悪いって思う、自分でも。
もっと冷たくすればよかったとか、いろいろ思ってるの。本当に。

ああもう土曜日のデート楽しみだな。


良い思い出の1ページが増えるだけ、と思うことにするかな。
死ぬ前に思い出すよいことのひとつに。しようかな、この1日だけは。
なんもしてないからいいじゃんって、言い訳にして。
ただ公園を歩くだけだって、誰に謝ればいいんだよ。
彼が同性だったらよかったのに。ずっと仲良しの友達になりたかった。
大人になってから、友達なんてあんまり出来ないから。
君と親友になりたかったよ。

諦めながら生きていきます。


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