見出し画像

2024年四国旅行記1~190円の思い出~

旅行中、思わぬ形で貴重な機会と出会うことがある。
2024年6月の四国旅行でもそんな出会いがあった。おそらく、二度と見ることができない風景だった。
場所は、松山駅だった。
 
先日の四国旅行。
お昼から店を開けている丸亀の一鶴で骨付き鳥を食べた後、特急で松山に向かった。
四国の県庁所在地同士は鉄道でしっかり結ばれていて、移動もしやすい。2時間くらい電車に揺られて松山駅に到着すると、自動改札でないことに驚いた。駅員さんに切符を渡して、改札を出る。
旧字体で松山驛と書かれた駅舎は、数カ月後には新しい駅舎に変わることが決まっていた。
 

松山駅の改札口。自動改札がなく、駅員が乗車券にスタンプを押す

たしかに松山駅のホームは、改修されるべき状況なのだろう。
ホームが不足していて、一つのホームに行先の異なる電車が止まっているホームもある。 

宇和島方面と岡山方面の電車が一つのホームに。
全部で3面しかないので、松山駅ではよくある風景だ。

旅行の途中で聞いた話だが、最近の松山はソウルからの直行便が1日2本も出ているので、韓国からの観光客が非常に多かった。松山城や道後温泉などわかりやすい観光地もあるし、駅から1時間弱の下灘駅もインスタ映えする観光スポットだ。実際、トワイライトのタイミングを狙って下灘駅に行ったが、多くの韓国の方と一緒に電車に乗ることになった。

観光地として有名な下灘駅。平日の夕方でもこの混雑具合。
風情として思うところもあるが、この方々が切符を買うことで配線を免れている面も。

観光地として利便性を向上させることは必須なのだろう。
旅行の最終日、四万十川からの帰り道で再び松山駅に寄ると、既存ホームの裏側では新しい松山駅が建築途中だった。
新しい駅はこなれた現代風の駅のようで、ショッピングも併設型のようだ。
もちろん、当たり前だろう。現地の人にとっても、観光客にとっても利用しやすくなるはずだ。
 

既存ホームの裏側。新しい松山駅は、いかにもJRの大きな駅という感じ

松山空港からの飛行機まで時間があったので、駅の立ち食いそば屋に寄った。
6月にも関らず鍋焼きうどんを出していたので、じゃこ天入りで注文した。
この店も、新しい駅舎となったときに場所を変えて営業しているかは分からない。
 

松山駅の立ち食い。店内は結構広い。
じゃこ天入りのなべ焼きうどん。甘めの出汁が優しい味わいだった。

伊予鉄道のホームも場所を変更するようだ。
たしかにいちいち地下道を通る必要があり、使い勝手は悪かった。

伊予鉄道JR松山駅。松山城や道後温泉にも簡単にアクセスできる。

空港行きのバスが来る時間になって、最後の写真を取ることにした。
選んだ場所は正岡子規の句碑があったので、その前にした。きっと、この句碑は移動とはならないだろう。
また観光で来た際には、この位置から同じ方向に写真を撮ってみたい。

松山駅の駅舎。駅の文字が旧字体を採用していた。

松山駅は、本当に偶然の風景だった。
入場スタンプを残すために、わざわざ入場券を買ってスタンプも貰った。たった190円の切符だが、かけがえのない思い出になった。

わざわざ購入した入場券。二度と松山駅のスタンプをもらうことは無いと思う。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?