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【オーストリア旅行】5日目よくやった日【ハルシュタットとバートイシュル】

思いの外暑い。湿気も思ったより多い。ゆえに体力が奪われる。そんな時体が欲するのは塩分だ。甘いものではない。

ふらふらと韓国料理の店に入る。オーストリアに来て韓国料理。命が米を欲している。背に腹はかえられぬ。ビビンバよ、あなたは救世主。ありがとう!

心と体に染みたわ


日本を発つ前に母親に「おせんべい持って行ったら?」と言われたけど、そんなに恋しくなることはないだろうと思い持って来なかった。が、しかし。持ってくれば良かった。Mama says best. 行きのANAであられのサービスがあって、その時食べずバッグに入れていたのがここに来て役立つとは。

飲み物然り。グリーンティーのペットボトルがあった!ラッキーと思って飲むとレモンと砂糖入りで、こんなん緑茶じゃない!!緑茶はストレートで飲むもんだろが!とティーバッグの緑茶を大事に大事に飲んでいる。

ザルツブルク駅前に移動

今日はバスを乗り継いで世界遺産の街「ハルシュタット」へ行く。ゲストハウスのフロントの女性がハルシュタットまでの行き方をプリントアウトしてくれて、その親切さにじーんとくる。総じてザルツブルクの方が人が優しい。

オーストリア国内をバス移動か〜難易度高いな〜と思いつつ、OBBのアプリで行きと帰りの時間を調べてオンラインでチケットを購入した。少しずつ慣れていくのを感じる。やればできるし、一人だと頼れるのは自分だけ。誰かに聞いて助けてもらいながらなんとかやっていけるものだ。一人旅の良い所はそこ。経験値がぐっと上がる。

今日ハルシュタットに行くため、明日はウィーンに戻るために駅前のホテルを予約しておいた。これが大正解。文字通り駅の目の前で、マクドナルドやスターバックス、スーパーなどが入るビルの真隣なので超便利。旧市街はゆっくりしたい時、移動を伴う時は駅前に限る。

バスの乗り場を確認してスーパーをぶらぶらしていると、ちょうどいい塩分を見つけた。これよ、これ。これがあれば良い塩分補給になる。表も裏もドイツ語だけど、塩はsalzなのでそれだけ分かれば充分。salzburgは塩の城という意味で塩で栄えた街なんだそう。

たんぱく質多め、脂肪少なめ

今日は長旅になるので補給食は大事。ホテルの朝食のパンをこっそり1つ持ってきちゃった。お湯を沸かして緑茶を煮出したものをボトルに入れて、日本から持って来たミルク飴とANAからもらったあられを持つ。このソーセージスナックと水を買って準備万端。noteの下書きを書いていると、ハローと声をかけられる。

声がする方を向くと、にこにこ笑顔の女性が「昨日のサウンドオブミュージックのバスで一緒だったわ。ザルツブルクカード余ってるんだけどいる?」と話しかけられる。聞けばKoreanで、ニューヨークに45年間住んでいるとのこと。「今日ハルシュタットに行って戻るのが遅いし、もう私もカードを持ってるんですよ」とおしゃべり。こういうたわいない出会いもいいよね。45年間ということはアメリカの永住権を持っているのかな。それでも自分はKoreanと言う母国愛。私もきっと同じように答えると思う。どこの地にいても私は日本人です、と。

ハルシュタット

ザルツブルクからバートイシュル、バートイシュルからハルシュタットとバスを乗り継いでやって来た世界遺産の街ハルシュタット。おお!と思わず声が出る。当たり前だが写真で見ていた光景と同じじゃないの!ここハルシュタットはアナと雪の女王の舞台になった場所なのだとか。

しかし中国人とインド人が多い。さすがは世界人口第1位と第2位の国。両国人に囲まれたバスだった。漢字で書かれた看板もある。中国人は今やお金を落としてくれる大お得意様なのだ。

絵になりすぎる
街の中心マーケットプレイス

絵本の中のおとぎの国のような街。次に来る機会があるのなら、ここに泊まりたい。夜は静かで幻想的だと思う。そしてきっと良い経験になる。

帰りのバスを待っている時、前に並んでいる女性2人が日本人っぽかったので声をかけるとやっぱり日本人で、お互いにわぁ〜と喜びの声をあげた。醤油が恋しいように日本語が恋しかったので、思いっきり母国語を話せるのが嬉しい。

北海道の旭川から来た母娘で、ヨーロッパを周遊しているとのこと。ウィーンで出発前の電車で置き引きに遭ってしまい、気持ちが落ちながらのハルシュタットだったそうで、その思いを日本語で話せて良かったです〜と言っていた。話して厄を落とすに限る。

きっとこれ以上危険なことが起きないようその荷物が守ってくれたんですよと励ます。旅でトラブルがあると悲しい思い出の方が大きくなるからね。私も独り言ではない日本語が話せて良かった。

世界は広いし人種の多様性とは言うものの、文化や習慣、考え方の違いをすり合わせるのはなかなか難しい。言葉が通じる/通じないというのも大きい。そんな中、同じ国、同じエリアの人にはやっぱり親しみを感じる。韓国人は優しい。国対国になると反日感情が云々と言われるけど、個人レベルでは全くそんなことを感じず、むしろ親切にしてくれたのは韓国人。しかも英語ペラペラ。今まで何とも思っていなかった韓国だけど見方が少し変わった。リスペクトはコミュニケーションの第一歩だね。

ハルシュタットからSteeg-Gosau(読み方分からない……)までバスに乗り、旭川の母娘とお別れのハグをする。オーストリアに来て別れ難い出会いの時は自然にハグをするようになった。心の距離もぐっと縮まる気がする。その後私は電車でバートイシュルまで戻ってきた。ウィーンに着いた日に間違えて乗ったOBBの電車。今は間違えずに乗っていることが嬉しい……

OBB〜

バートイシュル

小さな街バートイシュルで降りた駅舎でカフェまでの地図を見ていると、カラードの女性が話しかけてくる。ドイツ語分からねぇ……やっとザルツブルク?と聞き取れる。ううん、ザウナー(カフェ)に行くの、ありがとうと返す。ほんとザルツブルクとかハルシュタットの方が人親切!

綺麗で色鮮やか街 バートイシュル

そして改札事情。ウィーンの地下鉄には改札がない。ザルツブルクのバスも切符を真剣に見ない。QRコードを見せてハイハイで終わる。電車の駅にも改札がない。切符を買っているだろうという信頼なのか?地下鉄は24、48、72時間パスがあるからそれを買うんだけど、たまに検札があってその時見せればいいらしい。すんごいどんぶり勘定。今日のハルシュタット行きだって、前の切符を見せれば往復無料で行けちゃったかもしれないくらいなのだ。

そんなわけで無事にCafe-Resraurant Zaunerにやって来た。カイザーシュレマンを食べるために。バスから乗り換えでバス、バスから乗り換えて電車。今日1日でまた経験値が上がりました。

カイザーシュレマン(オーストリアのパンケーキ)
テラスも店内も素敵なカフェ・ザウナー

ウィーン→ザルツブルク→ハルシュタット→バートイシュルと地方に行けば行くほど人が優しくなるのが不思議。このカフェザウナーのスタッフは皆サービスも感じも良く、ウィーンの某超有名カフェのそれと比べたら天と地ほどの差。こういう人たちにチップを弾みたいよね。あなたのサービスはとても良かったですよと言って多めに紙幣を出すと、「お釣り出しますよ」と言ってくる。正直すぎて更にこのカフェの株が上がった。

カフェザウナーを後にしてバス停まで向かう。予約していたバスより早いのに乗れたらラッキーと思っていたら2本も早く乗れた。だって切符をよく見ないから(笑)2本早いと到着も1時間早い。明日はウィーンに戻るので早くチェックインして休みたかった。

再びザルツブルク駅前

ザルツブルク駅前に戻ってバスを降りた瞬間、「戻ってきた〜」と声が出た。今日1日長かったなぁ。でも乗り継いでよく行ったよ、私。経験は人を強くする。知らないことを減らして、知っていることを増やすのは楽しい。

ザルツブルクに着いた初日は感じなかったけど、今日のザルツブルク駅前は治安が少しよろしくない雰囲気だった。そういえばバートイシュルも若者が奇声を発して騒いでいたな。ザルツブルク駅前のタクシー運転手は移民のようだし、ここでも若者が集まって騒いでいる。今日は土曜日だからか。旧市街は人は多いもののお子ちゃまがいない。だからなのか落ち着いていてとても素敵な空間だ。

旧市街を歩いたりバスで裏側に行くと、街の大体の場所からホーエンザルツブルク城が見える。まるでひょっこりはんのようにチラッと視界に入ってくる。街のシンボルで、昔は当主が街を見守っていたんだろうな。

生のドイツ語

オーストリアに行く事が決まってから少しずつドイツ語を勉強していたのだけど、途中で転職活動が入りストップしてしまった。ホテルやお店では英語で話しかけられるし、英語が通じるのでドイツ語を使う機会はとても少なかった。

でも中には英語が苦手な人もいて、そういう人はまずドイツ語で話しかけてくる。ドイツ語単語の CDやドイツ語のラジオは正しい発音ではっきりゆっくり話してくれるけど、日本人だって全員がNHKのアナウンサーばりに正しい発音やイントネーションで話す人が少ないように、ドイツ語を話す人にも一人ひとり癖がある。

朝食会場で「シマーナン」と言われ(聞こえ)、シマー???ナン???と分からない顔をしていると、何やら部屋番号の紙を出せと促された。オッケーと言われ、しばらくしてZimmer nummer(ツィマーヌマー=部屋番号)のことだと分かる。「ツィマーね!」と笑うとそうそうと笑い返してきた。zは「tz=ツ」と発音するけれど、その人は「スィ」と発音していた。

バートイシュルの駅前で話しかけられた女性はザルツブルクを「サルツブフク」と言っていたし、地下鉄のシェンブルンのアナウンスは「ショェンブフン」だった。日本語のようにベタベタと長くなく一文字一文字が短い。

外国語会話を学ぶ時、現地に行ってしまった方が早いというのはそれだ。生の会話で揉まれるとヒアリングもスピーキングも鍛えられる。日本の英語教育は文法や単語を書いて覚えることが中心なので、いつまで経っても話せない。

日本に帰ったら英会話を勉強しようかなと今は思っているけど、帰ったら現実に戻るので仕事に追われて今の気持ちを忘れるんだろうなぁ。でも英語を話せると世界が変わるよね。外国人の友達を作るのが一番早いか。

明日はウィーンに戻って待ちに待ったコンサートです♪