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【オーストリア旅行】6日目 私である日【ザルツブルク→ウィーン】

ホテルの部屋備え付けのドライヤーが壊れていた。数日泊まるなら交換してもらうつもりだったけど、夜遅いし一晩だけだしシャワー上がりだったので、しっかりタオルドライをして寝た。

朝起きて手を洗うと洗面台の水が壁を伝って床に水漏れしている。昨日の夜は水漏れしていなかったのに、夜のうちに何があった??もしかして機能していない部屋なのか?それとも海外では壊れているのがスタンダード?

ホテルとトイレ事情

これまでにウィーンで1箇所、ザルツブルクで2箇所のホテルに泊まったけど、一番良かったのは教会を改装したホテル。小さなポイントだけど、
・洗面台が蓋ができる(洗濯しやすい)
・洗面台のコップがガラスで2個ある(歯磨き用と飲み水用に分けて使える)
・ティッシュの箱が2つある(洗面所と部屋で使える)
これが日本と似ていて良かった。部屋は広くて明るいし、騒ぐ宿泊者がいなくて静か。レセプションの感じも良く、旧市街へのアクセスもちょうどいい。また泊まりたいと思うホテル。

日本のホテルって至れり尽くせりだよね。靴を脱ぐ文化だからというのもあるけど室内用のスリッパはあるし、歯ブラシセット、スキンケア、寝巻きもある。シャンプー、リンス、ボディソープが分かれているし(こちらのホテルは、シャンプーとボディソープが一緒)、物が壊れているってことはほとんどない。朝食のビュッフェも和洋中揃っていて豪華。着替えだけ持ってくれば何不自由なく泊まれる。

トイレも日本は優れてる。日本のトイレは本当に素晴らしい!オーストリアはトイレのボタンは大か小の2つのみ。それも大きさで表しているだけ。便座は冷たいし、蓋がやたらと重い。音姫は当然ない。トイレットペーパーもガザガサなのでかぶれてしまった。ウォシュレットが恋しい!!

日本は一般家庭にウォシュレットが普及してるからね。これってすごいこと。海外からの観光客が日本のトイレを絶賛する気持ちが分かる。日本人にとって当たり前のことが、世界に出ると当たり前ではないことの代表がトイレだと思う。日本人ってお尻事情は幸せよ!

再びウィーンへ

ザルツブルクはすごく良かった。街と自然が共存していて特に旧市街は素敵。ウィーンは首都だけあって人々が急いでいる。東京よりウィーンの方がのんびりしてると思ったけど、ザルツブルクに来てみるとウィーンも忙しい街だね。

本物のアルプス山脈を見ながら朝食
さよならザルツブルク
銀河鉄道999に出てきそうなホーム(銀座鉄道じゃないよ!訂正済み)

オーストリア旅行のメインはウィーンでのコンサートなんだけど、国内移動という山場を終えて少しホッとした。電車だけでなくバスの乗り継ぎまでできたのはOBBのアプリのおかげ。プラス勇気。ここまで来ると英語と勇気さえあれば何とかなると思えてくる。

ウィーンに向かうRJXで、リンツから乗ってきた女の子が隣に座った。地元の子なのか分からないけど、大きなリュックに斜め掛けショルダー、大きめの観葉植物を抱えている。ハローと言うとニコッと笑ってハローを返してくれた。しばらくすると、彼女が席を立つ。そして私に「トイレ行きたいから荷物を見ていてくれる?」と言っているようだった。

ハルシュタットで聞いた母娘が置き引きにあったことを思い出す。こっちの人も一応気を付けてはいるんだな。彼女は通路側の席なので、いくら見ていると言っても通りすがりにサッと持って行かれたらたまったもんじゃないので、バッグの上に手を伸ばして肘掛けに手を置いてガードしていた。

彼女が戻ってくると、え!ガードまでしてくれてありがとう(^^)と顔がほころぶ。その後彼女は何か話したそうだったけど、きっとこのアジア人は言葉が通じないだろうなぁと思ったのか、ウィーン中央駅まで無言で過ごした。こういう時よ!英語が話せれば旅の思い出はぐんと増える。世界に出ると、今までいかに楽をしていたかが分かる。

やっぱりウィーン

いろんな意味で「やっぱり」なウィーン。人が多い、ゆえに忙しい、忙しいからなんかバタバタしている、ゆえに無愛想(なのか?)

ウィーン中央駅を降りてまっすぐU1に向かう。1日乗り放題のチケットを買ってホームに降りた。

慣れたなぁ

行き先を間違えて泣いたのは数日前。あの時は文字通り右も左も分からなくて、迷子ってこんなに不安なんだと思った。それが今は慣れた動きで迷いがない。知っているということはこんなにも心強いものなのだ。そして妙な自信は、ザルツブルク大聖堂の前で現地の女の子にドイツ人に間違えられたことも加担している。マイナスの出来事ほど乗り越えると良い経験になる。私はそう思っている。

カフェでの気付き

ホテルに荷物を預けて、ウィーンの街に出る。日曜日だから休みのお店が多いけど、カフェやお土産屋さんは空いている。観光客にとって曜日など関係ない。それでも平日のウィーンよりも倍の多さだ。

お腹が空いたので、予めGoogleマップで行きたい場所にしていたヴィーガン料理のカフェに行く。チーズバーガーをオーダーすると、バカでかいバーガーとフレンチフライがどっさりやって来た。

ビッグマックよりはるかに大きい

ヴィーガンだけあってパテは代用肉。たぶんソイミート。ほんのりカレー味が付いていて美味しい。お肉も好きだけど、この大きさの肉のパテが来たら多分相当胃が重くなる。だからこのお店を選んだのよ。

ここでも英語力の有無を痛感した。ポテトをディップするソースがあったのに、私も店員に聞かない、店員も私に聞かない(聞いても分からないだろう)、ケチャップの他にもカレーやマヨネーズなどの選択があったのに、ケチャップ無しでポテトを食べることになる。

両隣の欧米人のオーダーにはソースどうする?と聞いている。そこで、ああ……と気付く。そして運ばれてくる同じチーズバーガーにはディップソースが付いていた。自分に悔しくなった。ケチャップある?と聞けば良かったのだ。そしてゆっくりでいいからメニューをよく読めばいい。こちらはオーダーを取りに来るのも会計も遅い。私が急ぎすぎなのか、毎回「メニューください」「オーダーお願いします」と私から声をかけている。店員にしたら「忙しいんだから少し待って。そんなに急ぐなよ」と思っているかもしれない。

あとは、存在を忘れられないか、素通りされないかという保身もある。次カフェに行ったらもっとゆっくりと過ごそう。そう気付いて、試してみることにした。

旅での出会い

初日に韓国人、オーストリア人に助けてもらったことはずっと忘れない。親切や優しさは世界のどこに行っても尊いものだ。私も日本に帰ったら困っている人に手を差し伸べよう。

ヴィーガン料理の店を出てケルントナー通りに向かう。すごい人だ。あ、トイレに行っておくのを忘れた。ミステイク。入れる所で入っておかないと、漏れそうになってからトイレを探すのでは遅い。そういえばケルントナー通りにはウィーンのイトーヨーカドーがある!と思い出したものの、日曜日なので休みだった。残念。

チェックイン時間までぶらぶらしようとお土産屋さんやそこかしこにあるモーツァルトのチョコレートショップに入る。ザ・オーストリア土産という感じのするモーツァルトの丸いチョコレート。お土産として最適なんだろうけど、私はスーパーで売っているオーストリアにしかないであろう板チョコの方に魅力を感じてしまう。ソニープラザやカルディ、紀伊國屋などで売っていないようなモノの方がもらって嬉しい。お土産って悩まなくてもいいんだけど悩む。日本はお土産文化だからなぁ笑

暑くなって来た。ウィーンに限らずザルツブルクにもジェラート屋さんが多い。クリーム系よりさっぱりシャーベット系が食べたい。ホテル近くにあるGoogleマップで調べたジェラート屋さんに行ってみることにした。

小さなショップで入ったら出られなかったらどうしようと思ったけど、するすると入ってジェラートの入ったウィンドウを覗き込む。レモンの単語が目に入る。ああ、さっぱりしてそう。そう思った瞬間にここで食べることにした。

奥から女性がニコニコしながら出てきたのでこれは何の味?と聞いていく。どれも美味しそうで迷う。結局、レモン、チェリー、マンゴーのトリプルにした。すると女性が「どこから来たんですか?」と聞いてくる。日本からですよとドイツ語で言ってみる。えー、私最近日本語を勉強し始めたばかりなのと言うではないの。なんだか嬉しい。

オブジェに似た色のジェラート

外でジェラートを食べながら考える。彼女は日本語を勉強したい、私は英語を勉強したい。とても感じが良いし、女性だし、思い切ってメールアドレスを教えようか……旅の恥はかき捨て、ここで出会ったが何かの縁、きっとそうしなさいという流れ、よし言うだけ言ってみよう。

食べ終わったカップを捨てに店内に戻った時に、もし良かったらメールアドレスの交換をしない?と聞いてみた。そしたら彼女も喜んで、いいのいいの?と言ってくる。思わずハグをした。こっちに来てから別れ難い出会いにはハグをするようになった。1回、2回、3回と増えていく。

あなたはとてもスウィート(優しい)だし笑顔だけど、ウィーンの人って笑わないよねと言うと、彼女はハハッと笑って「私、ウィーン人じゃないから。イタリア人なの」というまさかの告白。そうだよね、日本と違って色々な国の人が住み、働いている国だから、オーストリア人以外の人がいても不思議じゃないよね。

オーストリアでは感じの良いサービスを期待しない方がいいと言われていたものの、一人旅の数日の滞在ではやっぱり笑顔を求めてしまう。笑顔に出会うと本当にホッとするのだ。無愛想でなんか怒ってる?という人間よりニコニコしている人の方が安心できるしつい声をかけたくなる。助けが必要な時に頼みやすいしね。これは私自身も心得ておこう。

お互いのiPhoneのメモに名前とメールアドレスを入力する。落ち着いたらメールしようと思っていたら、Instagramでフォローされた笑 今はSNSはコネクションツールとして世界中の人と繋がることができる。便利な世になったものだと痛感する。初日に助けてもらった韓国人の女性ともInstagramで繋がっていたので、投稿に英語の文章も入れることにした。英語の勉強、英語の勉強。

旅は何が起きるか分からない。置き引きやスリに遭うこともある一方で、助けてくれる人や優しい笑顔に出会うこともある。その場で別れる出会いもあれば繋がる出会いもある。勇気を出した分進んでいくのだ。それは私が普段から心がけていることでもある。オーストリアに来て6日目。いつもの私である日。あと数日、どんなことに出会えるかな。