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おめでとう。ありがとう。

初めて好きになった芸能人。
その人を知ったときのこと、好きになったときのこと、心に残るエピソード。はっきりと覚えているだろうか?

事細かに思い出すことができる人もいれば、もう忘れてしまったという方も。いつのまにか好きだった!気付けば好きだった!といったこともあるかもしれない。テレビやラジオなどの世界にいて実際には会ったことや見たことがなくても、人を好きになることは素敵だと思う。


やはりわたしにもそんな人がいて、ここでその方について書こうとしているんだけど、超個人的すぎる話で書くべきかどうかを迷っている。

この文章を書いて世界中の誰でも見ることができ、誰が読むかもわからない大海原に放流したとしたら。そうでもしたらわたしの超個人的な趣味がバレてしまうし、「今まで隠してました!」みたいなものを晒すことになるし。そして何より本人さんに読まれる可能性がゼロではないよね……。マジか、恥ずい……。

だが、今は書きたい気持ちが先行している。迷いもあるが、ココは記録の場である。パーソナルなことを記す場である。だから、超個人的すぎる話も書く。これでよし。自分の欲や感情も大事なものだと信じている。



中学生の時。夏休み。スーパーに買い物に行った際、雑誌売り場でティーン向けの雑誌を親に買ってもらった。別に毎月買っていたわけではなくて、一冊買って読んだことがあっただけ。自分はオシャレな子供でもなく、オシャレになりたい欲が強かったわけでもなく、ただ気分的に、付録も良さそうだし欲しいなぁ~、と。たまたま、女子力うぉおおおお!な日だったのではないでしょうか。

車で帰宅中、ビニールのヒモで括られた買ってもらった雑誌を手に、家に帰ったら開けようと眺めていたところ、表紙の真ん中にいる女の子がやけに気になって。カッコよかったんです。クールな格好をしていたのもあったけど、彼女はグッとこっちを見ていて、離してもらえなかった。12そこらの地方人間には衝撃だった。「かわいい」も「かっこいい」も「イケてる」も「ステキだ」も思ったこと全然なかったのに。

一体誰なのかが知りたくて知りたくて、あのときの頭の中で君の名は?と繰り返し、きっと、秒で家に着け!と念をおくっていたであろう。

自宅に到着。どこに置いたかな?と探していると、なぜか親に開けられて先に中を見られていてびっくり困惑し、現場に駆けつけ、名前を見つけ出した。
しかも名前自体は一度見たことがあって、さらにびっくり。なんでその時にもっととっ突いて調べなかったんだ??の疑問と後悔が湧きついた、そんな出会いでした。

彼女は当時14歳、女の子のアイドルグループに属していて、その雑誌では専属モデルをやっていた。年齢に対して大人っぽく、しっかりしているように見られることも多かったそう。まあ、中学生のわたしには年上というだけでずっと大人で大きく見えた。一歳上でもそうなのだから、二歳上だったらさらにそうだ。彼女に限ったことではない。

気になり興味がある存在から、好きな存在へと変わり、個人のファンになり、次第にグループのファンになった。それからはというと、自分が使っていい自宅の一台のパソコンでグループの情報を探り入れる日々。初めてオフィシャルサイトにアクセスしたときの高揚感は未だになんとなく覚えている。なんというか、新しい世界に一歩足を踏み入れた感じ?
たかがインターネットなのだが。

握手会やコンサートなどは行かなかった。というよりも行けないに近かった。当時の私は中学生だ。自分でどうこうも出来ず、行動力もなかった。それに今より心身が弱っていて、不安ばかりが先立ち、人の多いところへ行く勇気は出なかった。在宅派で、陰ながら応援する方のファン。もちろんそれでも好きな気持ちは強かったし、現場に行かなくても、変な噂が流れていても、とっておきの人であることに変わらなかった。

運よく父の知り合いがグループのファンで、CDやグッズをよく頂いた。結構な量だ。今でも大切に保管&使用している。その方には本当に感謝している。(ありがとうございました!)

心も体もどうにもならなかった頃。声も上げられなかった頃。テレビの音楽番組でのパフォーマンス。歌も踊りも一生懸命で揃っていて、美しいと思った。年末年越し直前の大舞台出演は一緒になって喜んだ。バラエティー番組に出られているときには笑顔の自分でいられ、こんな私に元気と愛情を与えてくれた。間違いなく、支えてもらっていた。


ファン生活を送る中、一つだけ決めていたことがあった。先ほどはコンサートには行かなかったと書いたけれど、ある場所でやることになったら必ず行く、しかもそこに立つ初日に行く、と。

待ち望んだ日ではあったが、その日は意外にすぐ来ることになった。ステージ初日のチケットを握りしめ、会場へ向かった。終始、観客側の動きに圧倒されていたが、初めて目にしたあの彼女はいつもの彼女で、且つ舞台上に立つ姿が目の前にあることの実感が湧かなかった。約3時間半、ドキドキの緊張の分、楽しさ嬉しさ幸福感でいっぱいになった。
一つ、願いが叶った。
願いだって、いい仕事をしてくれることがあるのだ。

会いに行ったのは、まだこの一日しかない。


高校生にもなると、いろんなものに興味が散った。ハマったり飽きたり追いかけたり。今までとは違う、考え、経験、自分が生まれた。それでも彼女のこともグループのこともやっぱり好きなままだった。ときどき、同じ時間を生きていることにうれしくなった。



先日、今年の総選挙で彼女は1位になった。

1位だと確信した瞬間、というよりも、グループで1位2位独占が決まった瞬間、わたしは涙に溢れてテンションがおかしくなった。

ずっと応援してきてよかった……。
7年、想いを持ち続けてきて本当によかった……。

なんにも力になれなかったけど、達成できなかったらどうしようかなんて思っていたけど、わたしにとっては喜んでいる顔を見るだけでうれしかった。


あの一冊のティーン向け雑誌は、希望をくれた。
彼女と同じ時間を生きているというだけでうれしかった。
初めて好きになった芸能人は、特別な存在なのかもしれない。

1位おめでとう!!

特別な存在でいてくれて、
どうもありがとう!!