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「やる気スイッチなんて無い!とにかく始めよう!」 森鉄先生が教える”ルーティン”勉強術

【内容サマリー】
・浪人時代の予備校の授業で「英語」の価値観が変わった
・勉強を開始するために「ルーティン」を作る
・単語の勉強は優先順位をつける
・オンライン学習の普及で塾の役割は変わる

東進や河合塾など有名予備校で英語を教え、最近では、個人のYouTubeチャンネル「Morite2 English Channel」やYouTubeの予備校「ただよび」で活躍。TOEICは80回以上満点を取っている「森鉄先生」こと森田鉄也先生。大人気講師の森田先生に、新型コロナウイルスの影響やオンライン学習など幅広い内容を、株式会社mikan代表取締役社長の高岡和正が伺いました。

予備校の授業で
「英語の見方がガラッと変わった」

高岡:
本日はよろしくお願いいたします!幅広く英語を教えている森田先生ですが、英語の道に進むきっかけは何だったんですか?

森田先生:
一番大きかったのは浪人時代ですね。予備校で英語の授業を受けて、「これだ!」と思いました。「英語」というものの仕組みを論理的に説明していて面白いなと感じたんです。

高岡:
もともと、合理性や論理的なものが好きだったとか。

森田先生:
いや、そんなこともなかったです。大学に入るまでは学歴も低かったですし。でも、予備校講師になるには学歴が必要だとわかったので、慶應大学に入って、東京大学の大学院にいこうと浪人時代に決めました。

高岡:
大学院までの戦略を浪人時代に立てるなんてすごいですね!大学とは異なる大学院に入るなんて、自分の高校時代では想像もできなかったです。

森田先生:
自分がどれだけ一生懸命頑張ったって、浪人期間の10カ月で東京大学は絶対に無理だなと思って。それだったら、大学の4年間に勉強すれば行けるだろうと考えました。大学院の試験なんて知らないのに、訳のわからない自信はありましたね(笑)。

高岡:
英語は中学生や高校生の時から得意だったんですか?

森田先生:
得意ではなかったですが、嫌いではありませんでした。中学の英語は理解していなくても、教科書を丸暗記すればテストの点は取れました。でも、高校の時はそうはいかなかった。今まで点数が取れていたのに全く取れなくなりました。そもそもひとつの文章が長くなりすぎて覚えられませんでした。文構造や文法も知らずに暗記のみで来てしまったので、壁にぶつかりましたね。

高岡:
それでは、高校の時は苦労された?

森田先生:
入試問題が出てきたら、手も足も出なかったです。重要だと言われたところを暗記していれば、多少の点は取れましたが、応用を試される演習問題になると一切わからなかった。入試の長文は全く読めなかったです。

高岡:
そんな中、予備校で英語の先生に出会ったのが英語講師へ進むターニングポイントだったんですね。

森田先生:
そうです。

高岡:
そこで初めて、英語は暗記じゃなく論理的に捉える言語なんだとわかった?

森田先生:
まさにそうです。見方がガラッと変わりました。

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「勉強を始めない人が多いことが問題。
ルーティンを作る」

高岡:
新型コロナウイルスの影響もあり、学生、特に受験生は不安だと思います。今の環境では勉強のリズムが崩れやすいと思うのですが、「こういうことに気をつけて勉強すればいい」など、アドバイスをいただきたいです。

森田先生:
いろんなポイントがありますよね。先ずは、勉強時間を確保できているか。勉強時間に関しては、本当はあるのに、無いって思ってる人が多いんですよ。時間を別のことに使っていることが圧倒的に多いので、その割合を逆転させなければなりません。あとは、やはり「ルーティン」ですね。ちゃんと勉強が習慣化されているか。

高岡:
ルーティンというのはどういうものでしょうか?

森田先生:
「この時間にはこれをやる」というのを決めるんです。例えば、「寝る前にはこれ」のように。「朝6時に起きて『ただよび』を見る」とかね(笑)。実は、「ただよび」の更新を朝6時にしている理由のひとつはこれなんです。起きてから、朝イチで見る習慣をつけてもらうため。

高岡:
そうだったんですか!

森田先生:
勉強を始めない人が多いことが問題なんです。だからこそ、勉強を始めるきっかけを作って、それを習慣化させるというのが大事です。

高岡:
ルーティンを作ることが、勉強を始めるきっかけになると。

森田先生:
そうです。とにかく勉強を始めることが大事なので。「やる気スイッチ」なんて無いんです。始めるしかない。「始める」ことでやる気が出てくるんです。「やる気」が出てから始めようとする人が多すぎる。そこが間違いだと思っています。始めてからやる気がどんどん出てくるんです。

高岡:
ルーティンで行う内容は何がオススメでしょうか。

森田先生:
定番は単語ですね。電車に乗っている時間でもできるので、ルーティンにしやすいです。手軽にどこでもできるというのは習慣化しやすいですね。あとは、リスニングのように受け身でできるものも始めやすいです。

高岡:
単語の勉強の時に気をつけたほうがいいことはありますか?

森田先生:
単語は、優先順位をつけない人は危険です。

高岡:
「優先順位をつけない」といいますと?

森田先生:
ただただ前からひたすら覚えていくということです。何回も前から順番に繰り返す。もう覚えている単語も含めて何度も見ている。これでは無駄な時間を使ってしまっています。知っている単語を見るのではなく、知らない単語だけを繰り返すという癖をつけないとなりません。知らなかった単語や、まだ覚えられてない単語など、優先順位をつけて段階を踏まないと人は覚えられないので。

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オンライン学習の普及で
「一人ひとりのサポートが重要に」

高岡:
「ただよび」はどのように学習に活かしてもらいたいですか。

森田先生:
学校の授業や参考書のフォローという位置付けで良いかなと思っています。まだ開設して1年目でラインナップを揃えることはできないので。ただ来年は「受験勉強はただよびだけで大丈夫」という形にしたいですね。

高岡:
学校や参考書で勉強していて、例えば、「分詞が出てきたけどよくわからなかった」というような時に、森田先生の授業を見て「なるほど」となってくれると良い?

森田先生:
そうですね。「分詞ってそういうことだったんだ」って理解してもらえると。もちろん継続して見続けて欲しいですけどね(笑)。文法は全て繋がっているので、全体を見てほしいです。

高岡:
「ただよび」や「mikan」もそうですが、オンライン学習・アプリ学習は、学校や予備校、塾の機能を代替するようになるでしょうか。

森田先生:
まだ起こらないと思います。日本という国はそんなに簡単に変わる国ではないかなと。それに、オンラインでの勉強が定着してくれば、「学習の管理をすることが大事なんだ」という立場で塾は生き残ると思います。今とは別の形です。ただし、「多くの先生は必要ではない」という時代は、もう来ていると思います。これは間違いないです。

高岡:
今、もう来ていますか?

森田先生:
はい。先生たちが、余ってしまっている状況ですね。映像での授業が普及すれば、今よりさらに先生が不要になるでしょう。

高岡:
そうなると、生徒にわかりやすく教えられる一部の先生に集中する。

森田先生:
授業は映像で観ることができれば、それで良いので。不特定多数が見て、学べれば良いのです。そのため、「1対1でサポートする」という機能を塾が果たすのではないかなと。

高岡:
役割が変わるということですね。

森田先生:
はい。塾が無くなるとは全然思ってないです。一人ひとりに合わせたサポートが必要になるのだと思います。

高岡:
森田先生、本日はありがとうございました!

〜対談を終えて〜
高岡:
単語の勉強に優先順位をつけることは、mikanでも大事にしていることでした!やる気に頼らずに、勉強を習慣化するためのルール作りは、勉強だけでなく、運動や読書にも応用できる考え。なかなか習慣にならないことへの糸口になりそうです。このお話の直前直後にも授業の収録、というお忙しい中でご対応いただき、ありがとうございました!

プロフィール

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森田鉄也先生
YouTubeチャンネル「Morite2 English Channel」を運営。YouTubeの予備校「ただよび」では英語科チーフとして英語の授業を受け持つ。武田塾英語課課長、河合塾英語科講師。YouTube動画や塾経営のコンサルティングも行う。

高岡和正
株式会社mikan代表取締役社長。同社が展開する英単語学習アプリ「mikan」は、”スキマ時間に圧倒的に早く覚えられる”ことをコンセプトに作られ、累計400万ダウンロードを突破している。


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