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Travis Japanの進化から目が離せない

2023年5月15日 2ndデジタルシングル『Moving Pieces』をリリースしたトラジャ。今日は楽曲とダンスについて語ってみたいと思う。

私が感じたコンセプトは「近未来」「宇宙」「グローバル」。
それでいて「古き良きものへのオマージュ」「アナログ」といった手触り感が融合している。
ここからは、まずMVを観てから読んでいただけると嬉しい。

まるで映画のような映像から始まり、管制室のようなところに座る宮近海斗(ちゃか)と松倉海斗(まちゅ)の二人。近未来を思わせる映像なのに、モニターはブラウン管なところがユニークだ。
ちゃかちゃんの歌いだしまで、なんと18秒!(楽曲だと歌いだしまで8秒)

「タイパ」を重視する近年、サブスクで売れる曲のほとんどはイントロがないそうだ。YOASOBIの『アイドル』、なとり『Overdose』、Vaundy『怪獣の花唄』など、ど頭から歌詞がある。
一方、アニメや映画などの主題歌の場合には大抵イントロがある。Official髭男dism『ミックスナッツ』、Aimer『残響散歌』、米津玄師『KICKBACK』といったところか。

私はイントロが好きだ。曲の導入というのか、どんな声がどんな歌詞が飛び出すのか…歌いだしまでワクワクするから。昔はほとんどの曲にイントロがあった。トラジャの『Moving Pieces』はここでも昔の楽曲へのオマージュを感じたりする。

ダンスのステップでも同じように、どこか懐かしいオールドスクールな雰囲気が漂う。最初の7人のステップを観て、Bobby Brownの『Every Little Step』が頭に浮かんだ。

Bobby Bron 『Every Little Step』より


また、今回の楽曲の振付を担当したトラビス・ペイン氏がマイケル・ジャクソン(以下、MJ)のバックダンサー、振付をしていたこともあり、そこかしこにMJへのオマージュを見ることができる。ムーンウォーク、ゼロ・グラビティまではいかないが、体を傾斜させる動き、股間を掴む(失礼!)ような振付け。

Travis Japan『Moving Pieces』より


バッキバキに踊るのではなく、いい感じで力が抜けたゆるさの中にキレが見える。めまぐるしく変わるフォーメーションの滑らかさも凄まじい技術だと思う。

無機質な壁に囲まれたシーンは、Jamiroquaiの『Virtual Insanity』を彷彿とさせる。初めて観たときは合成かと思ったが、インスタライブで「壁は手動で動かしている」と種明かしをしていた。

Jamiroquai『Virtual Insanity』より

点滅した光の演出も、古き良きディスコ的な雰囲気が出ているし、これだけ近未来的な映像の中に、様々な手書きの絵が出現するシーンがあって、このアンバランスさがなんとも面白い。

MV全体を通して、楽曲も、ダンスも、映像も、すべてが「世界レベル」で勝負をしにきていると感じた。
デビューしてから200日くらいの彼らが、日々歌にダンスに真摯に向き合い、ここまで進化していることに驚きを隠せない。

日本の芸能人は、とにかくテレビの露出が多い人が「売れている」とされてきた。トラジャはそのレースに巻き込まれず、自分たちを信じて一歩ずつ進化をしていけば、いつかBig Chanceを掴める時が必ず来る。
努力をして準備している人のところにしか、幸運の女神は微笑まないのだから。
Hang in there, Travis Japan!!!


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