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ニチアサの話がしたい vol,141

■今週のキングオージャー

・6人目の王様、ジェラミー・ブラシエリ

 ええ声してるな!ジェラミー・ブラシエリ!!顔が強いぞジェラミー・ブラシエリ!そして……面倒くさいぞ!ジェラミー・ブラシエリ!!!

 これを読んでいる読者貴兄は今週の『キングオージャー』第12話「6人目の王様」を少なくとも1回以上は観ているだろうと思うので言ってしまうが、本当に「ジェラミー・ブラシエリはこういう拗れ方をしています」ということに丸々30分使ったような、贅沢で、可笑しくて、切なくて、そしてひたすらにジェラミーのことが愛おしくなる1話だった。初見時は「行間を読め」だの「書かれていない部分を想像しろ」だの連呼し、妄想でもおかしくないことをニコニコしながら話し続けるジェラミーは結構不気味で、ヒメノと同じように「この人、ずっと何を言っているの……?」と思いながら観ていたのだが、(別に平素から行間を読めなくもないヒメノでさえ、正体が分かるまではわりと引き気味だったのがおもしろい)最後まで観た後でもう一度、二度と見返すと、ジェラミーがいかにいじらしい人物かが感じられて味わい深いし、ジェラミーの持つ回りくどさを「そういう役割(語り部)だから」で済ませるのではなく、「ジェラミー自身が何かと何かの『狭間』にこだわらざるを得ないルーツを持つ人物だったから」まで因数分解し、「怪しげな白装束の自称ウンコ」から「ちょっと面倒くさいけど、家族想いでやさしい可愛いヤツ」まで視聴者に一気に納得させる脚本がほんとうに素晴らしかった。

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