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ニチアサの話がしたい vol,139

■今週のキングオージャー

・素晴らしき1クール目の「最終回」

 『王様戦隊キングオージャー』第10話「伝説の守護神」、あまりにも、あまりにも素晴らしい「最終回」であった。それはもちろん、「まるで最終回並の盛り上がりである」ということを「良い最終回だった」と表現している一種の戯れであると同時に、1クールが3ヶ月程度とされている昨今のアニメやドラマの放送期間的に言っても、1~9話で積み上げてきた、主人公ギラの特異さ、各国の王たちの個性の豊かさ、国や民を思う心の強さ、側近との関係性などの物語の総決算という意味でも、正真正銘「キングオージャー、1クール目の最終回」だったのではないかと思う。尺の問題なのか、ギラがデズナラク8世に突き落とされ「運良く」4国王たちのいる岩船山フィールドに落下するなどよく考えるとちょっとアレな部分もあるにはあるのだが、そんな些細なことは気にならないくらい・気にさせない勢いと気迫のようなものが第10話には満ち満ちていた。あるいは第1話でも感じた、ただとにかく「いいものが作りたい、圧倒的な世界を観客に見せたい」という純粋な熱意、そのかたまりが。この世のものとは思えない美しい夕陽を見た画家が、この空を絵に残そうとキャンパスに向かった瞬間、「果たして自分の画力は、この美しさを表現できるのか」と悩むように、いや、もっと単純に「描けなかったらどうしよう」という恐怖に苛まれるのと同じで、私も今、第10話を観て感じた感動を「書けなかったらどうしよう」と戦々恐々としているのだが、とにもかくにも進めていこう。

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