ニチアサの話がしたい vol,176

■今週のガッチャード

・ライダー「じゃない」 君へ

　君は擬似ライダーが好きかだろうか？答えは聞いてない。（すんません。でもみんなどうせ好きだと思うので……）ご多聞に漏れず、私も好きだ。大好きだ。仮面ライダーに最上級の愛と憧れがあるからこそ、仮面ライダーとほぼ同じシステムやルールで動いているのに、それでも仮面ライダー「じゃない」存在とされる彼らが持つ静かな翳りや憂いを帯びた色気に、どうしようもなく惹かれてしまう。というかここまで書いていて思ったが、そもそも仮面ライダー自身もショッカーの技術で作られながらショッカー「じゃない」存在なので、ある意味仮面ライダーは全員「擬似」の魅力を初めから兼ね備えているのかもしれない。
　話を戻そう。擬似ライダーは良い。そしてまた、擬似ライダーが怪人に寄るのも、振り切って仮面ライダーになる展開もなお、良い。今週の『ガッチャード』第21話「マッドウォリアー！黒炎のヴァルバラド！」は紛れもなくそれらの良さを余すところなく引き出した上で、スパナの成長をドラマチックに描き切った、まさに快作であった。