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ニチアサの話がしたい vol,140

■今週のキングオージャー

・信じるに足る「美しい物語」の語り部

 『王様戦隊キングオージャー』11話は、最終回並みの盛り上がりを見せた第10話に続き、「追加戦士編」とも呼ぶべき新章が開幕。サブタイは「怪奇!クモ仮面の男」であり、これはもちろん初代『仮面ライダー』第一話「怪奇蜘蛛男」のパロディになっているわけだが、昆虫モチーフのヒーローを扱う『キングオージャー』は、同じく元祖昆虫モチーフの仮面ライダーに対してはこう、何というか遠慮しがちな距離感にならざるを得ないのかと思いきや、むしろ戦隊側からモロにぶつかってくる、その心意気やヨシという感じで思わず笑ってしまった。
 
 レジェンドキングオージャー召喚の手柄を横取りしたラクレスを失脚させようと目論む王たちは、ギラを国葬の最中に大々的に復活させ、民衆の目の前でレジェンドキングオージャーを呼び出してみせる!という作戦を企て、ギラ、ヤンマ、ヒメノの3人は、ゾンビになり、ロボットになり、はたまた美しき神の子になり……と、それぞれが理想とする「復活劇」を夢みる。
 
前半のAパートほぼ丸々使って描かれるこの三者三様の夢想パートの(いい意味での)茶番加減は、シリアスな前話とは打って変わった脱力感が笑えるし、(しかもあれこれと姿を変えるギラも去ることながら、ギラ・マーク2の後ろで「かぁあっっっっっけええええーーー!!やばぁああい!!ボディがすごいよおおお!プロペラ付いt!!!!!」などと叫び続けるゴローゲ役八木さんや、神の子の光を浴びて白目を剥くラクレス役矢野さんのおそらくアドリブであろう細かいリアクション芝居がはちゃめちゃに面白いのがズルい)リタの愛するもっふんは、実はイシャバーナで作られている『もっふんといっしょ』という子ども向けアニメであることも明かされるなど、様々な方向に情報量が多いパートではあるのだが、何度か見返すと、ここで彼らが雑談のように交わす「物語」や「夢」に関する会話が、後半のジェラミーパートの明確な伏線になっているのがはっきり分かるようになっているのも面白い。

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