見出し画像

炎上の原因は「伝え方」。昆虫食に敬意と好奇心を集める発信のありかたもある

以前書いた「虫の糞のお茶」虫秘茶のことを、ビジネス向けの媒体にリライトした。

「それを“伝える”ところまでが、イノベーション。重要なのは情報設計」

当媒体Jbpressでは、青沼陽一氏の記事「コオロギ食」への差別行為が横行、嫌なら食べなきゃいいだけなのになぜ(2023.3.6)が、過去に大いに「燃えて」しまったこともあり、媒体としては「燃え」への期待もあったかもしれないが、私がこのトピックスで、ビジネス誌に提供したかったのは、コオロギでもほかで炎上しているのに、「虫の糞のお茶」に、信頼感と好奇心、いいブランドイメージを与えたのが、理系の研究者✖️デザイナーという二人ユニットの仕事だったことだ。

コオロギに罪はない。
昆虫食が炎上した理由は、情報の伝わり方にある。昆虫食はこれまでも一部の研究者や愛好者が、一般を刺激しないように丁寧に控えめに普及を続けてきた。そこに、環境問題の文脈から、今までにない質と量の情報が露出してしまった。

政治家がこれ見よがしにコオロギを食べてみせたパフォーマンスは「この俺が食ってるんだから、国民はみんな食え」といわんばかりの圧と脅威になった。逆に、昆虫食推進派が「SDGs的にも好ましい」とあれこれ理由を述べるのも「昆虫食を否定する人は意識が低い」という”上から目線”の圧に感じられてしまう。

いっぽう「虫秘茶」の中の人は、「糞」というショッキングな実態を隠すことなく、むしろ食文化へのリスペクトをこめてアピールし、かつ「上から」な啓蒙でなく、好奇心を持って受け手に響かせる情報の道筋を整頓させた。

ビジネスパーソンが多く読んでいるこの記事では、科学者である研究者の発想と、デザイナーの問題解決力、情報設計の力があれば、最低要員二人でもイノベーションから新しい文化が生み出せ、伝えることができるといいたかった。






この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?