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「量り売り革命」に乗り遅れないために、面倒に負けてはいけない。

あまから手帖 連載「食からSDGs」2022年 7月号より(写真:伊藤信)全文を掲載したバックナンバー購入はhttps://www.amakaratecho.jp/ 

ゼロウェイスト=ゴミをゼロにする、「量り売り」スーパーが京都に登場した。最新式の計量技術とロス循環へのアイデアが、消費者の行動を変え 「昔ながら」の小売スタイルを「現代の当たり前」にする。

日本初のゼロウエイストスーパー『斗々屋』で棚を粉だらけに

量り売りの店と聞いて「不便を楽 しむ」スロー系の店かと思ったら、これ が大違い。持ち込んだ容器を秤に乗 せ、出てきたタグを底に貼ると、店の システムに登録完了。米、お茶、醤油、 洗剤までの品を必要な分だけ入れる。 すると商品容器の蓋やレバーにつけ られたセンサーから秤へと商品情報 が送信され、計量時に値札を簡単にプリントできる。あとはレジに進むだけだ。最新技術を使った量り売りは、ス ローどころか未体験のスピードだ。


ただし、慣れていれば、の話ではある。
粉類は、店に備え付けの計量カップに入れて秤に乗せてから、詰め替え容器に入れるが、この2度の移し替えで手元が震えて、粉末が飛び散り、棚が真っ白に。液体、野菜と、軽量する量りが決まっていて、動線が読めず、瓶や商品を持ってウロウロ、ソワソワ。ぶっちゃけ、泣けてくるほど面倒だ‥‥。

ワタシが無駄な動きで時間のロスをしているのに比べて、店内の食品は、併設された惣菜コーナーやカフェ で、傷む前に素早く 循環さして調理され、ロスになってない。
内 装は廃材を利用。小さな店がゼロ ウェイストな社会の縮図になっている。客のワタシだけが、その社会のシステムについて行けてない。

まあそんな遅れた客はどうでもいい。

「斗々屋」は、この量り売りを全国に 広げるべく、各地でイベント出店や 量り売りの実証実験を行い、開業希 望者に向けたオンライン講座も開講。 2019年以降、 軒の量り売り ショップが各地で誕生しているという から、拡散スピードも驚きの速さだ。

「ゼロウェイスト社会への変化を起 こしてゆくキーになるのは、行政や大 手流通販売ですが、日本はそのスピー ド感に欠けます」と、広報のノイハウ ス萌恵さん。スローなのは、ファスト消費を支えるシステムの方であった。

ゼロ・ウェイスト・スーパー『斗々屋』
●京都市上京区河原町通丸太町上ル出水町252番地 大澤事務所ビル1F a075・221・8282 s10:00~20: 00(ランチ11:30~13:00)d無休

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