さくら並木

　　
　　
　　　切り捨てたはずの過去と
　　　地続きの今日

　　　ほこりまみれで笑う
　　　野暮ったいまま

　　　変わっていく駅前
　　　好きだったあの店のあかり

　　　変わらない桜並木
　　　今年の満開を待つ
　　　人々の群れ


　　　あの頃と
　　　地続きの私
　　　ひと時も
　　　抜け落ちることはなかった

　　　飛ばせるものなら
　　　花びらのように
　　　吹き飛ばすがいい
　　　何もなかったかのように